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大阪の有権者をバカにしている、太田房江相乗り候補の擁立

 横山知事辞任の後を受けた、大阪府知事選挙の候補者選びが大詰めを迎え、自民党は党本部が地元の大阪府連の総意である独自候補を認めず、強引に太田房江候補に相乗りしようとしています。

 同じように自民党が、地元の意向を無視して相乗り候補に乗った、過去3回の東京都知事選挙の結果を振り返ってみると、平成3年の選挙では自民党推薦の相乗り候補、磯村尚徳氏(元NHKキャスター)が現職の鈴木俊一都知事に敗れ、平成7年は自民党推薦の相乗り候補、石原信雄氏(元官房副長官)が青島幸男氏に敗れ、昨年は自民党推薦の相乗り候補、明石康氏(元国連事務次長)が石原慎太郎氏に敗れるという結果になっています。自民党の推す相乗り候補は3連敗を喫しているのです。

 大阪でも平成7年の選挙で相乗り候補者が横山ノック氏に敗れ、昨年の選挙では候補者を立てることすらできませんでした。相乗り候補は単純に各政党の基礎票を積み重ねれば、当選できるはずです。それにもかかわらず、敗戦続きなのは一体なぜでしょう。それは、東京、大阪の有権者は相乗り候補を拒否しているからです。

 相乗り候補は今回の太田房江さんもそうであるように、共産党以外の全党の推薦、相乗りを条件に立候補を承諾します。当選確実の“御神輿”でなければ乗らない人達です。そのような自らの力で選挙を戦えない人は、政治家としての実力も魅力もない人です。それに、太田“候補”は未だに立候補声明も意志表示もしていません。一体どこの誰が太田氏を候補者“候補”に指名したのでしょうか。その経緯は極めて不透明です。民主主義国家においては、選挙そのものだけでなく、候補者選定の過程も透明で、公正でなければなりません。地元大阪府連の支持を得て、立候補の意志を明らかにしている人を引きずり降ろし、立候補の意志を明らかにもしていない人を「擁立」するというのは、大阪府民をバカにした話しだと思います。候補者は予備選挙をするなどして決定すべきであり、ボス達の水面下の話し合いで決めるべきではありません。

 それに、選挙の投票前に当選確実者が決まっている選挙などは、有権者の選択権を奪うものです。政党間の話し合いで、当選確実な候補者1人に絞るという行為は「談合」に他なりません。選挙の度に投票率が下がるのは選挙が談合だからです。選挙管理委員会が広報車で投票を呼びかけても、投票率は上がりません。談合選挙はかつての翼賛選挙や社会主義国家の選挙と同じです。青島知事や、横山知事の誕生は、そのような談合選挙を拒絶する有権者の明確な意志表示だったはずです。

平成12年1月10日   ご意見・ご感想は   こちらへ     トップへ戻る      
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