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「人権暴走」の予感(その2) 障害者に特権はない

 2月16日の「Sankei Web」は「東横インに改善勧告 東京法務局が『人権侵害』」と言う見出しで、次のように報じていました。
http://www.sankei.co.jp/news/060216/sha071.htm 
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 ビジネスホテルチェーン「東横イン」の不正改造問題で、東京法務局は16日、18のホテルが不特定多数が集まる施設を障害者が利用しやすくするよう定めたハートビル法に違反し、人権侵害に当たるとして、同社に対し施設の早急な改善などを勧告した。・・・
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 これは、「人権」の甚だしい拡大解釈であると思います。そもそも、権利とは自分の力で行使するものです。権利は万人に平等にありますが、権利を行使できるかどうかはその人の能力によります。すべての人が平等に権利を行使できるとは限りません。日本国民は誰でも総理大臣になる権利がありますが、誰もが総理大臣になれる訳ではありません。権利とはそういうものです。

 身体障害者にももちろん旅行を楽しむ権利がありますが、彼らにはその権利を行使する能力がありません。ただ、それだけのことです。それは誰かが彼らの権利を侵害していることを意味しません。無実の人を犯罪者にしてはいけません。彼らに特権がある訳ではないのです。

 問題は、周囲の人達に彼らに援助の手をさしのべる「義務」があるか否か、また、あるとしたらそれはどの程度までか、と言うことだと思います。仮に、東横インにその種の義務があったとしても、今回の事件はその義務を怠ったに過ぎず、「人権侵害」と言う非難は不当だと思います。

 今回の「人権侵害」事件は、人権擁護法下の「人権暴走」を予感させます。

平成18年2月16日   ご意見・ご感想は   こちらへ    トップへ戻る   目次へ