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成田空港20年 壮大な無駄の事実を明らかに

 5月20日産経新聞朝刊の「成田空港20年を振り返る」を読みました。過去を振り返ることは大事なことだと思います。しかしこの記事だけではよく分かりませんでした。
 用地の買収開始、着工から完成までなぜ長期間かかったのでしょうか。農民の反対に正当な理由があったのでしょうか。新空港の必要性があり、東京の近郊に広大な空き地がない以上、どこかの農地を買収しなければなりません。成田の農民の反対は単なるエゴだったのではないでしょうか。たとえ空港建設地決定のプロセスで、不透明な部分があったとしても、農民や過激派の反対行動はやはり限度を超えていて、国家に多大な損害を与えたものという他はないと思います。

 数年前、最後まで買収に反対していた地主に対して、運輸大臣が謝罪して、地主がそれを評価して買収に応じることになり、二期工事のめどが立ったという小さな新聞記事を見た記憶があります。しかし、どういう内容の謝罪なのかは書いてありませんでした。国民に秘密の協定と言うことではないと思いますので、 たぶん書くほどの内容ではなかったのだと推測しますが、そのことは反対派の農民には既に反対を続ける理由がなくなっていたということを意味していると思います。それにも関わらず反対を続けていた一握りの反対派のために国家がいかに膨大な損失を被ったかを明らかにする必要があると思います。多額の投資をした工事の完成が遅れれば、余分な経費や金利負担だけでも大変な額に上ると思います。

 会計検査院は毎年重箱の隅をつつくような、税金の無駄遣いの調査結果を報告していますが、成田空港によって無駄に費やされた国費はそれらの比ではないと思います。
成田空港の地元自治体で、空港反対派から建設推進に転じた首長が相次いでいるとは一体どういうことなのでしょうか。

 関西でも理解できないことが起きています。大阪空港は騒音被害から、関西新空港が作られたあとは廃止されるはずだったのに、関西新空港開港の直前になって、存続に変更になりました。いったいなぜ、誰の意向で、どういう手続きで、一転存続が決まったのでしょうか。騒音被害を訴え、強硬に移転を求めていた地元住民や、自治体の主張は何だったのか、分からないことだらけで、国民には何の説明もありません。
政治家のウソ、偽り、背信、変節を見逃してはいけないと思います。

平成10年5月24日      ご意見・ご感想は   こちらへ      トップへ戻る      Z目次へ