私のお城の楽しみ方



お城巡りを始めてから、約30年になりますが、独自の楽しみ方が 徐々に出来上がって来たようです。ご挨拶に書いた、理想論は、当然捨てておりませんが、歴史が苦手な私としては、お城の機能美を如何に 再現するかというこだわりに焦点が絞れてきた感じです。お城という本物の迫力(復興、模擬であっても、歴史的な縄張りに根差した 美しさを表現しようとしている)を如何に再現するかという点に凝縮して来ました。
趣味というものは、どんな レパートリーでも、目的に対する工夫が、楽しみを倍加させるものだと思います。例えば、釣りでも(私はノーカンですが)目的の魚について、ポイントの設定、季節・時間・天候の設定、道具・しかけの工夫があって、成果の喜びが大きくなるものだと思います。

お城の撮影に出かける為、まず、歴史的背景をザッとおさらいし、城郭図で予習します。主として、建物、石垣の方位を調べ、順光で撮影できる時間帯を設定します。機器は進歩してますが、やはり順光を選ぶのが基本です。
 

寺社堂塔伽藍の場合、殆どが、仏門である南大門が 正門になっており比較的設定しやすいが、城郭の場合、要害の配置で縄張りが決まっており、方位はバラバラです。鬼門という意識は かなり あるようですが。
この時間帯設定の後、旅行スケジュールに入ります。出来るだけ、曇りがちの晴天を選ぶ。遠隔地の場合は、彼岸前後、梅雨期など避けるしかないが1〜2日で行ける場合は、週間天気予報で判断する。近畿一円などは、何度か出かけポイント探しもやってみる。などです。
建物の場合、割と推定可能であるが、石垣の場合、かなり、綿密に 城郭図を見ないと、ポイント作りは出来ません。また、季節条件も大きい。春から晩秋
までは、雑草が生い茂り、木々の葉が繁り、蛇や昆虫も活発で、移動、画面構成の障害になる。ベストは、木枯らしの吹く、冬場の薄日の 時期である。
ゆっくりと年月をかけて、ポイント探しをやり、何時になるか判らないが「ビユーポイントの集大成」を作ってみたいと思っています。
1999/8/1