肺がん闘病記


1.健診ー診断
2003年5月29日、例年の通り大野病院で定期健診受診。右肺に胸水が溜まっていると言う。検討して連絡すると言うことで、連絡待ち。
6月6日再検指示連絡来る。6月8日月例ゴルフ、6月10日OB会、6月13日親睦ゴルフと出席するが心ここにあらずの状態。6月14日胸部CT撮影。6月16日説明。右肺、肋骨裏に3CMの腫瘍あり。俄然、ガンの可能性。しかし、腫瘍マーカーは陰性で、まさかという感じ。気管支鏡検査の要あり、大阪市総合健診センターを紹介される。
6月18日、大阪市総合健診センター受診。
根来医師、紹介資料見るなり、即、肺がんをターゲットに検査指示。まず転移を疑い、脳MRI撮影、,骨シンチレーション指示、胸部X線写真、5月29日より肋骨一本分、胸水増加。胸水サンプル採取。検査予約入れる。6月23日胸部CT、6月25日気管支鏡検査、麻酔しながら気管支にファイバーをさしこむ。これは苦しかった。結局、患部までプローブが入らず、組織採取できず。6月26日骨シンチレーション。10時アイソトープ注射ー15時撮影で、久しぶりに佳江と映画を観る。「TheCore」地磁気異常をテーマにしたScienceFiction、まあ面白かった。

7月2日診断。根来医師の表情で、ほぼ結果推定。本人が聴くかといわれて嫌だと言える訳も無く、「納得できる話なら、聞きます」
「納得できるかどうかは判らない」「結構です」
「胸水にガン細胞が流出しており、Vb期の腺がんと診断。治癒可能性なく存命治療のみ可能。手術、放射線治療も不可能。脳・骨への転移は無い模様。存命は月の単位。即、入院して抗がん剤治療スタートしかありません。」
全く予想しなかった訳でもないが、
現状体調からみても晴天の霹靂で、「何ゆうてんねん」という感覚で、入院は奈良でしたいと言い、天理よろづ病院に紹介状を要求。ギャップが大きすぎるというか、ピンと来ないというか、非常に冷静に対応できたのはほめてやっても良いと思う。もともと、私の性格は現状容認を得意としており、何とかなるでというアバウトさがあり面目躍如だった。しかし、本人告知を拒否した場合の周囲の混乱を考えると、ベストの選択だったと思う。検査のステップを考えても、本人に知らせないと言うのは考えられない。
しかし、6月6日以来、トランキライザなしでは眠れなかった。死の恐怖というより、末期ガンの痛さ、抗がん剤の副作用による
苦しさなどが不安として覆いかぶさっていた。

病気のレベルは次のようらしい。

病期(ステージ)

肺がんと診断されると、がんが肺から他の臓器に拡がっていないかどうか、さらに詳しい検査が必要になります。通常行われる検査は、脳のCTあるいは磁石の原理を応用した磁気共鳴装置と呼ばれる機械を使ったMRIの検査、胸のCTあるいはMRI、腹部のCTあるいは超音波検査、骨シンチグラフィ(ラジオアイソトープを使った全身の骨のレントゲン検査)、骨髄中のがん細胞の有無を検査する胸骨や腸骨からの骨髄液の採取などです。CT検査では、よりよい診断のため、造影剤の注射を検査直前にします。さらに最近は、感度と特異性の高いポジトロンCT(PET:ペット)と呼ばれる放射性同位元素を用いた検査が、がんの診断および病気の拡がりの診断に用いられてきています。その他、一般の血液検査に加え、主に血液で腫瘍マーカーと呼ばれるがん細胞によって産生される物質の検査もします。一般的には、胎児性タンパクのCEA、小細胞がんでは、小細胞がん細胞が神経内分泌系細胞の特徴も有していることから、神経内分泌系細胞のマーカーであるNSEやProGRPを検査します。もちろん血液中の腫瘍マーカーが正常である肺がんも多数みられますし、逆に喫煙者では肺がんでなくともCEAが高値のことがあります。
1)非小細胞肺がん
がん細胞の拡がりぐあいで病気の進行を潜伏がん、0、I、II、III、IV期に分類します。
潜伏がんがん細胞が、痰の中に見つかっているのですが、胸の中のどこに病巣があるかわからない非常に早期の段階です。

0期
がんは局所に見つかっていますが、気管支をおおう細胞の細胞層の一部のみにある早期の段階です。
Ia期
がんが原発巣にとどまっており、大きさは3cm未満であり、リンパ節や他の臓器に転移を認めない段階です。
Ib期
がんが原発巣にとどまっており、大きさは3cm以上で、リンパ節や他の臓器に転移を認めない段階です。
IIa期
原発巣のがんの大きさは3cm未満であり、がんが原発巣と同じ側の肺門のリンパ節に転移を認めますが、他の臓器には転移を
認めない段階です。
IIb期
原発巣のがんの大きさは3cm以上であり、がんが原発巣と同じ側の肺門のリンパ節に転移を認めますが、他の臓器には転移を認
めない段階です。あるいは、原発巣のがんが肺をおおっている胸膜・胸壁に直接およんでいますが、リンパ節や他の臓器に転移
を認めない段階です。
IIIa期
原発巣のがんが直接胸膜・胸壁に拡がっていますが、転移は原発巣と同じ側の肺門リンパ節まで、または縦隔と呼ばれる心臓や食
道のある部分のリンパ節に転移していますが、他の臓器には転移を認めない段階です。
IIIb期
原発巣のがんが直接縦隔に拡がっていたり、胸水があったり、原発巣と反対側の縦隔、首のつけ根のリンパ節に転移していますが、
他の臓器に転移を認めない段階です。
IV期
原発巣の他に、肺の他の場所、脳、肝臓、骨、副腎などの臓器に転移(遠隔転移)がある場合です。