日本にも同様の問題がある。病原体の毒素を無毒化したタイプの三種混合、日本脳炎、B型肝炎、インフルエンザHAのワクチンに、同じ水銀化合物チメロサールが防腐剤として入っているからだ。「自閉症」とどんな関連があるのか、なぜ今まで問題にならなかったのか、政府や業界の研究・対策は進んでいるのかなどを追及してみたい。
防腐剤チメロサールは正式名をエチル水銀チオサリチル酸ナトリウムといい、日本の「毒物及び劇物取締法」では「毒物」である。毒物がなぜ薬剤に入っているのか。厚生労働省医薬局の伏見環・安全対策企画官は、「防腐剤として必要性があるという判断で医薬品に使うことを認めています。医薬用途には毒劇法の規制がかかりません」という。
日本では薬事法第四二条にもとづいて、ワクチン1mlあたりチメロサールの添加量を120μg(マイクログラム=一○○万分の一グラム)以下とする「生物学的製剤基準」があるが、実際にはアメリカと同程度の1mlあたり100μgを添加している。チメロサールは重さのほぼ半分が水銀で、残りが有機物などでできている。水銀だけの濃度は約50μgになる。メーカーによって一桁低い5μgの製品もある(注4)。
食品の暫定基準値は総水銀が0・4ppm(ppmは一○○万分の一を表す濃度の単位)となっていて、換算すると1gあたり0・4μgなので、ワクチンに含まれる水銀の濃度はこの一二五倍になる。
水俣病の研究で知られる熊本学園大学の原田正純教授は、・・・
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