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全脳学習


 大脳の左右両半球は違った働きを持っていると一般に考えられている。左半球はものごとを分析したり、ことばを書いたり話したり、論理的に考える過程に使う。右半球では、ものごとをイメージで表現したり、総合したり、創造活動にとりくんだりする。何かに熟練していると、使い方が片方の半球にかたよっている人も多い。
 けれども、脳を画像化する最新の技術が現れて一つの事実が明らかになってきた。脳の働きを左右ふたつの半球に区別して考えるのはどうも単純化しすぎているらしい。はっきりしているのは、限られた脳の能力だけを重要視する傾向が学校教育で今も続いていることだね。
 全脳学習では、ものごとを総合したり想像したりする脳の働きと、分析したり言葉を使ったりする働きとを一つに統一するテクニックを使う。簡単なやり方で脳全体をもっとうまく使えるようになり、学習と作業の能率を劇的に改善できる。
 脳をもっとも効率よく働かせる方法が分かると「脳の働きに基礎をおく学習法」の原則がいくつも明らかになる。
脳は同時進行のプロセッサーだ。 いつでも同時にいくつものことが出来る。
学習には全身の生理機能を使う。 生理機能に影響することがらは、すべて学習能力にも影響する。
脳がものごとに意味づけしようとする働きは自動的に生ずる。 この働きは止めることが出来ない。ただ筋道をつけたり、焦点を定めたりできるだけだ。
意味づけの働きは 「パターン化」 によって行われる。脳は、パターンを知覚したり生み出したりするようにできていて、無意味なパターンを押しつけても抵抗する。
感情がとても重要な働きをしていて、パターン化の中心になっている。 私たちが学習することがらは、感情やものの考え方に影響を受け、組織される。
脳は、部分と全体を同時に処理する。 左右ふたつの半球は複雑に入りくんで相互作用している。
学習は、一点に焦点をあてた注意力と、そのまわりの感覚とを一緒に使う。 脳は、意識の世界では気づかないような微妙な信号を含む知覚の全体に反応する。
学習の過程には、意識的な部分と無意識的な部分とが常にある。意識で 「分かる」 よりもはるかに多くのことを私たちは学ぶ。
ものごとを記憶にとどめるのに、少なくとも二通りの違ったやり方がある。 一つは、経験をそのまますぐに覚えてしまう空間記憶システム(spatial memory system)。もう一つは、経験にもとづかない事実とか技術を丸暗記する一連のシステムだ。
事実や技術が自然に空間記憶に収まっていくとき、一番よくわかるし、よく覚える。一般に空間記憶システムは実験学習によって一番よく呼び起こされる。
脳は、脅威を感じると働きが低下する。適当なチャレンジの気持ちがあると、もっともよく学習できる。学習は、脅威を感じることが少なく、チャレンジの気持ちが強い雰囲気で一番うまく進む。
それぞれの脳には個性がある。 学習は現実に脳の構造を変える。
  ――(以上、ケインら 「マインド・シフト」 による)
  「私たちは、脳と知能を過小評価している。努力しないでも、巨大な疑う余地のない学習達成能力をみんな持ってるんだ」――フランク・ス ミス 『知能にたいする侮辱』。

URL:http://www.kcn.ne.jp/~gauss/holos/brain.html
開設:97/02/04・最新変更:97/06/25