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http://www.kcn.ne.jp/~gauss/jsf/bioweaponnew.html 2003年2月13日 個人のイニシアティブと、政府の影響を受けない市民の連帯の重要性が アメリカの専門誌『原子力科学者雑誌』 Bulletin of the Atomic Scientists の1・2月号にマーク・フィーリスとマルコム・ダンドーという二人の科学者 が「米が生物化学兵器禁止条約を拒否したのは、秘密の開発計画を継続・拡大 してきたからだろう」とする論文を発表しています。これは、以前145号で ガーディアン紙の報道としてお伝えしたものですが、実際に論文として掲載さ れていますので、改めて取り上げます。フィーリス Mark Wheelis は米カリフ ォルニア大学、ダンドー Malcolm Dando は 英ブラッドフォード大学の研究者 です。以下、まず冒頭を訳出します。 ──01年の夏、アメリカは生物化学兵器禁止条約(BWC)の議定書に調印 するのを拒否して、同盟国を驚かせた。重要でありながら効力の弱いBWCの 遵守を強化するのが狙いだったが、米の支持がなくなってこの議定書は暗礁に 乗り上げてしまい、なぜなのかわからないまま世界は取り残された。 世界支配と自主防衛の考え方を変えたのが拒否の理由だとする人もいた。また、 最近になって暴露された秘密の生物兵器開発計画がきわめて微妙な点をもって いるために、米はそれ以上明らかになるのを望んでいないのだろうと考える人 もいた。しかしこの説明は不十分である。アメリカは議定書が効力を発する前 に秘密の開発計画を止めてしまえば、それが明らかになるのを避け、しかも議 定書を支持することもできたからだ。 もっと不気味な説明もある。アメリカが調印を拒否したのは、攻撃的な性質を 持つ「生物兵器防衛」計画を秘密裏に進めているからではなく、それを継続・ 拡大しているからだというものである。── 以下は、要約です。 BWCは72年に調印され、75年に発効した国際条約である。微生物または 有毒物を平和目的以外に開発・使用・貯蔵することを禁止している。この条約 には致命的欠陥がある。査察についての規定がなく、たとえば旧ソ連が大規模 に生物兵器を貯蔵していたということがある。そこで95年に議定書の交渉が 始められた。主な条項は、1)微生物の生産施設を各国が毎年申告する、2) 申告施設へのランダムな訪問調査、3)疑惑施設への査察団の派遣。これで各 国が調印する寸前までいっていた。ところが、、、。 01年7月23日、アメリカの特使が次のように発言して交渉をつぶしてしま った。 「いま進められているBWC議定書は....我々の見方では....条約を遵守する ことで、秘密保持ができなくなると考える。そこで仮に修正を加えたとしても この文書を支持することはできないだろう」 アメリカが反対理由として挙げたのは次の3点。1)秘密裏の生物兵器拡散を うまく探知することができない、2)製薬会社など商業施設の企業秘密を守る ことができない、3)生物兵器に対する防御プログラムが危険にさらされる。 ニクソン大統領が攻撃用生物兵器開発計画を放棄して、機密扱いの文書は生物 兵器の脅威を分析した少数のものだけになっていた。ところが今では、エネル ギー省・国防省やCIAにも機密扱い(classified)の生物兵器防御計画がある。 いつこういう変更が行われ、なぜ変更されたかは定かでない。 炭ソ菌を使った手紙攻撃の事件に関連して、米が炭ソ菌兵器の実験をしていた ことが明らかになった。量は不明だが長期にわたっているから、数十・数百グ ラムに達するだろう。一グラムでも数百万人分になるから、平和目的と言い逃 れることはできない。これが現在どうなっているかは不明である。 「30年以上前にアメリカは攻撃用生物兵器の開発計画を放棄した。それは、 他の国が真似をする可能性があるからだった。こういう知恵は忘れ去られた ように思われる。」 「米議会は、機密扱いになっている生物兵器防衛計画の全部について、その範 囲を確定し、この計画を主導する明確な哲学を打ち立てる必要がある。」 * 原文を読んでみると、二人の科学者はアメリカの研究内容について詳しく触れ ていませんが、知っていて詳しく書いていないという雰囲気が感じられます。 あまり深く書くとまずいことがあるのかもしれません。 |