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世界社会フォーラム
憲章

www.kcn.ne.jp/~gauss/jsf/charter.html

 

前文

二○○一年一月二十五日から三十日まで、ポルトアレグレで第一回・世界社会フォーラムが開かれました。 計画・運営には、ブラジルの団体で構成する委員会があたりました。委員会では、 フォーラムがあげた成果をふまえながら、世界から寄せられた期待にこたえ、 憲章を起草する必要があると考えます。ここでいう憲章とは、 ポルトアレグレに始まった運動を推進する指針となる原則です。わたしたちの運動に参加し、 新しい世界社会フォーラムを作り出そうとする人たちは、これを尊重してくださることと思います。 原則のもとになったのは、第一回フォーラムの開催を推しすすめ成功に導いた委員会決議でした。 その意図はやがて乗り越えられ、わたしたちの運動は論理の指し示す方向に進むことになるでしょう。

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世界社会フォーラムは公開された討議の場です。わたしたちは考えを深め、 アイデアを民主的に話し合い、提案をまとめます。経験を自由に交換し、 効果的な行動を追求します。ここに参加するのは市民の団体や運動組織です。 わたしたちはネオリベラリズムを批判し、資本主義や帝国主義が世界を 支配するのに反対します。人間同士が実り多い関係を築き、 人間と地球が豊かにつながる地球社会を作り上げるために行動します。

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ポルトアレグレの世界社会フォーラムは時間・場所ともに限られた催しでした。 これからは、ポルトアレグレで宣言された 「もう一つの世界が可能だ」 という 確かな合言葉にもとづいて、もう一つの可能性を追求し実現する永続的な運動に なります。この運動は、それを支える会議だけに限定されません。

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世界社会フォーラムは全世界で進められます。道のりの一部として開かれる すべての会議は国際的な広がりをもちます。

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世界社会フォーラムは、巨大多国籍企業とその利益に奉仕する諸国家・ 国際機関が推進しているグローバリゼーションに反対し、その代替案を提案します。 世界史の新しい段階として、連帯のグローバル化が生まれるでしょう。そうなると、 どこの国にいても、どんな環境におかれていても、男女を問わず市民の権利、 普遍的な人権が尊重されます。社会正義・平等・市民主権に奉仕する民主的な 国際社会の仕組みと国際機関がその基礎となります。

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世界社会フォーラムは、世界の国々で活動する市民の団体や運動組織だけが集まり、 たがいに連帯するものです。しかし世界の市民社会を代表するものではありません。

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世界社会フォーラムの会議が、世界社会フォーラムという団体の利益のために 開かれることはありません。ですから、ひとりの人がいずれかのフォーラムの 代表者として権威を持つことはなく、参加者全体の意思を代表することは ありませんし、投票であれ拍手であれ、参加者が団体として何かを決定することも ありません。全員または多数が団体として行動するよう求めたり、フォーラムが 団体としての立場を確立するよう宣言・提案したりすることもありません。 ですから、フォーラムに権力の中心ができて参加者から異議が出るようなことは なく、参加する団体や運動組織が交流し行動するため、一つの方法だけを定める ことはありません。

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しかし、フォーラムの会議に参加する団体や団体グループが単独で、 または他の参加団体と協力して、会議の中で宣言や活動を決める権利は保証されます。 世界社会フォーラムはこうした決議を、利用できる手段を使って、広く回覧することに努めます。 これに対して指図したり、指揮系統を問題にしたり、検閲や制限を加えることはありません。 あくまで、決定した団体なり団体のグループが審議した結果をそのまま公開します。

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世界社会フォーラムは、さまざまな価値や考え方を認め、信条の違いを超え、 政府機関や政党とは関係を持ちません。もう一つの世界を打ち立てるために、 中央集権にならない方法で、団体や運動組織がたがいに連携し、 地域レベルから国際レベルまで具体的に活動をすすめます。

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世界社会フォーラムは、多元主義(プルーラリズム)を尊重する開かれた フォーラムでありつづけます。参加を決めた団体や運動組織のあり方も、 その活動も多様なものになります。憲章の原則に基づいて、ジェンダーや民族性、 文化、世代、身体能力などの違いを受け入れます。政党や軍事組織の代表者は 参加することができません。政府指導者や議員が憲章の原則を守ることを誓うなら、 個人の資格でフォーラムへ招待されることもあります。

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世界社会フォーラムは、経済や発展・歴史を一つの視点から解釈したり 何かの原則に還元したりすることに、すべて反対します。国家が、 社会を統制するために暴力を使うことにも反対します。わたしたちは人権を尊重し、 真の民主主義による実践と参加型の民主主義を支持します。民族間・ ジェンダー間の平等と連帯による平和交流を支持します。また一人の人間が支配し、 他の人間が従属するという人間関係をすべて排除するよう訴えます。

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世界社会フォーラムは議論の場です。深く考察し、その結果をすべて公開する思想運動の場です。 資本による支配機構や手段について考えます。支配に抵抗し、 それを克服するための方法や活動について考えます。 資本主義のグローバリゼーションは人種や性の差別・環境破壊を伴い、 人びとを排除し、社会に不平等をもたらしています。わたしたちは、 各国内でも国際間でも生まれているこの問題を解決するために、 代替案を作り上げます。

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世界社会フォーラムは経験を交換する枠組みです。わたしたちは参加団体や運動組織が 互いに理解・認識を深めるよう奨励します。人びとの必要を満たし自然を尊ぶ経済と 政治の活動を中心として、社会を築いてゆきます。わたしたちは、 現在のためにもこれからの世代のためにも、 こうした経験の交換が特に重要であると考えます。

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世界社会フォーラムは連帯を生み出すための仕組みです。 わたしたちは団体や運動組織の結びつきを、国内でも国際間でも強化したり、 新しく作り出したりします。この連帯がわたしたちに力を与えます。 世界中の人々が耐え忍んでいる非人間化の過程や国家が使う暴力に対して、 公共の場でも私生活の場でも非暴力の抵抗をつづける力が高まるでしょう。 また、団体や運動組織が人間らしさを取りもどすためにする活動を より強いものにするでしょう。

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世界社会フォーラムは一つの過程です。わたしたちは、参加する団体や運動組織の活動が、 地域レベルから国家レベルへ、さらに国際レベルへとすすみ、 地球市民として問題と取り組んでゆくことを奨励します。 変革を目指す実践活動がいま試みられています。わたしたちは、 こうした運動を全世界の人々の課題へと導き、連帯して新しい世界を築きます。


2001年4月9日にサンパウロで、世界社会フォーラム運営委員会を構成する諸組織によって承認・採択。 2001年6月10日に世界社会フォーラム国際委員会によって修正承認。


訳文は別処珠樹・安濃一樹による暫定的なもの。2003年1月作成。