劣化ウラン弾は核兵器だ 02/10/06、ボルチモア・サン紙 www.kcn.ne.jp/~gauss/jsf/depleted.html ブッシュ政権がイラク民衆に対する戦争(攻撃を受けるのはフセインではなく、国民 なのだから)を準備しているいま、湾岸戦争の医学的結果を思い起こすことが重要で ある。あれは、実は核戦争だったのだから。 湾岸戦争終結時、米国は、イラク、クウェート、サウディアラビアの戦場にを併せて 300〜800トンの劣化ウラン(ウラン238)を、対戦車爆弾その他の爆弾として残した。 核分裂性のウラン235を抽出した残りが劣化ウラン、ウラン238で、鉛の1.7倍の密度 があり、対戦車爆弾をこれで作ると、大変な貫通力をもつ。 ウラン238は、自然発火しやすい。高速でタンクにぶつかると、燃える。このとき直 径5ミクロンにみたない微粒子を噴霧状に発生させる。これが容易に肺に吸い込まれ る。 第二にそれは、強力な放射性をもつ発ガン物質だ(アルファ線を放つ)。肺からも吸い 込まれるし、傷にも浸透するし、食物連鎖とともに濃縮されて水を汚染しもする。肺 、骨、血液、腎臓などに癌を起こす。 第三に、半減期が45億年である。それだけの間、イラクやクウェートは放射能を帯び るのである。子どもは成人より10〜20倍も放射線の影響を受けやすい。バスラにいる 私の知人の小児科医によれば、子どもの白血病や癌が6〜12倍増えたという。劣化ウ ラン弾が使われた地域では、先天性奇形が倍に増えた。目が一つしかない赤ん坊、無 頭症の赤ん坊が生まれているのである。 しかし、劣化ウランの医学的影響を被るのはイラクだけではない。ある医療研究者に よれば、米国の復員兵のなかには、その後10年たつのに、尿中にウラニウムを排泄す る人がいる。精液に混じっているという報告もある。「砂漠の嵐」作戦で使われた戦 車のほぼ1/3が劣化ウランを使用しているので、それに乗っていた兵士は全身にガン マ線を浴びているが、その影響については、まだ調査中である。 米国の当局は、こんなことに驚かない。砂漠の嵐作戦の前から、軍はこのことを知っ ていたのだ。では、ブッシュやチェイニー、ウォルフォウィッツ、コンドリーサ・ラ イス、ラムズフェルドは、1991年の戦争の医学的結果と、今度の戦争の引き起こす事 態を理解しているのだろうか。理解していなければ、その無知も驚くべきことだが、 知っていても気にかけないというほうが、よほど信じがたいとはいえ、いっそうあり そうなことである。 ヘレン・カルディコット 核政策研究所創立者・所長。核が健康に及ぼす影響につい て、大衆啓蒙のための国際キャンペーンに従事。近著『新たな核の危険 ジョージ・ W・ブッシュの軍産複合体』(The New Press, 2002) |