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パレスチナ人の虐殺を注文し 代金を支払ったのは 私たちアメリカ人である 安濃一樹・訳、02/04/09 www.kcn.ne.jp/~gauss/jsf/jensen.html
ロバート・ジェンセン: わたしは今日、パレスチナ人を殺す手伝いをした。あなたがもしアメリカ政府に 税金を納めているなら、あなたも同罪だ。政府の政策が変わらないかぎり、明日 も同じことが繰りかえされる。 アメリカ人にとって、パレスチナでつづく 「暴力の連鎖」 を非難することはたや すい。しかし私たち自身がその暴力に関与していることを認めないとすれば、パ レスチナや中東諸国に公正な平和はありえないだろう。 「アメリカは中立国として和平交渉を仲介する」という神話を捨て去ることから 始めなければならない。南部研究所(サウス・カロライナ大学)【1】 によると 、1999年9月のシャーム・エルシーク平和合意からの一年間に、アメリカ政 府はイスラエルへ36億ドル(約4700億円)相当の武器を浴びせかけるよう に輸出している。中立であるはずの国がとる政策としては実に奇妙なものだ。 だから私たちは、イスラエルの戦車部隊がヨルダン川西岸の街や難民キャンプへ 侵攻を始めたとニュースで聞くとき、その戦車がアメリカ製で、アメリカの助成 金によりイスラエルが購入したことを思い起こすべきだろう。イスラエルの猛攻 に使われるジェットとヘリコプターは、F16戦闘機・ブラックホーク兵士輸送 ヘリ・アパッチ攻撃ヘリだ。機関銃やロケット砲・ミサイル・爆弾――私たちの 税金で購入されたアメリカ製の武器――がパレスチナ市民を殺傷するために使わ れている。ここで私たちは二つの現実に直面しなければならない。 ひとつは、今回のイスラエル軍によるヨルダン川西岸の街や村への攻撃は 「テロ との戦い」 ではないということ。これは土地と資源をめぐり、パレスチナ人に対 して仕掛けられた長く残虐な戦争の一段階である。もしイスラエルが本当にテロ リズムの終結を望むなら、ヨルダン川西岸とガザの35年間にわたる不法軍事占 拠を止めるだろう。撤退する姿勢を示さないかぎり、イスラエルによる平和への 訴えは空しく響く。イスラエルが安全保障をえようとして武力を行使すれば、危 機はさらに高まるだろう。 もうひとつは、アメリカの軍事的・経済的な支援――年30億ドル(約4000 億円)の直接援助――がなければ、パレスチナ人に対するイスラエルの戦争は不 可能だということ。イスラエルによる占領に全世界が反対しているなかで、私た ちの政府は政治力と外交でイスラエルをかばい、結果としてイスラエルは国際法 をあざ笑う。これまでアメリカの要人たちは、イスラエルの政策を批判するとし ても、軽く釘を刺すくらいだったが、イスラエルが[アメリカ政府の]要請を無 視して軍を撤退しないため、彼らの批判は日を追って厳しさを増してきた。 しか し、イスラエルは世界世論を――そして占領の終結を求める国連決議の数々を―― 無視しつづけることができる。なぜなら、アメリカの支持があるからだ。 アメリカの高官は近ごろ、シャロン政権とリクード党の過激な暴力から距離を置 こうとしているが、労働党が政権を取りさえすればすべて上手くゆくと考えるの は全くばかげている。イスラエルの二大政党は、政治スタイルに違いがあるとし ても、実質的にたいして違わない。占領地域への入植問題をみればわかるだろう 。 真剣に平和を望んでいると、イスラエルは繰りかえし主張してきた。それが本当 なら、なぜヨルダン西岸とガザへの入植者がオスロ合意 【2】 からの十年間に倍 増しているのか。平和解決を目指すうえで、入植問題が最も大きな障害のひとつ であることを考慮すれば、なぜイスラエル政府は――労働党もリクード党も同じ ように――オスロ合意による平和プロセスが進められるはずの期間に、不法占領 した土地への入植を拡張しようとするのか。 中東の抗争を解決する唯一の方法は、国際社会の協賛のもとに、中東諸国が平和 会議を開くことである。そしてこの会議は国際法を厳守するものでなければなら ない。ここで中東の軍縮を必ず議論して、グローバルな軍備拡張(アメリカが武 器の商人として最もいい成績をあげている)の狂気を鎮める運動に寄与するべき だ。この平和プロセスを妨害しないことこそ、アメリカの果たし得る最大の貢献 となるだろう。 しかしアメリカは今すぐにでも、眼前の危機状況を緩和することができる。イス ラエルを財政的に援助しているアメリカにはそれだけの影響力があるからだ。私 たちアメリカ市民は、私たちの政府に強く働きかけて、確固とした声明文を出す よう求めるべきである――「イスラエルは今つづけている残虐な攻撃を止め、占 領の終結にむけて有意義な行動を示さなければならない。イスラエルがこれに同 意するまで、アメリカはイスラエルへの援助を凍結する」 と。 これができないとしたら、私たちは自らの責任を自覚するしかない。パレスチナ の街に打ち込まれる新たなミサイルに、パレスチナの家に投げかけられる次の砲 弾に、罪のないパレスチナ人を撃つ一発の弾丸に、私たちアメリカ市民は一端の 責任を負う。 【1】 The Institute for Southern Studies, University of South Carolina. http://www.cla.sc.edu/ISS/ 著者の紹介 ジェンセン教授は、平和や人権・公民権・言論の自由に関する多くの論説を、新 聞各紙やZネット、カウンターパンチ、コモン・ドリームズなど左派・進歩派の 報道サイトに寄稿している。本文は米ヒューストン・クロニクル紙(2002年 4月9日)に掲載された後、カウンターパンチとパレスチナ・クロニクルに再掲 載された。
ZNet http://www.zmag.org/weluser.htm 2001年9月、アメリカの対外政策を批判する論説をヒューストン・クロニク ル紙に発表したため、ジェンセンはテキサス大学オースティン校の学長から「愚 か者」と侮辱された。 同年11月には、新保守派の教育団体ACTAが公開したレポートのブラックリ ストに名前をあげられ、「愛国心に欠ける」知識人として、ノーム・チョムスキ ーを始めとする多くの進歩派の学者とともに、非難されている。 原文はジェンセン氏のウェブサイトで読むことができる。
http://uts.cc.utexas.edu/~rjensen/freelance/freelance.htm(論文録の目次)
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