練習場の前の大通りの行き止まりに3階建ての少し古い建物が
建っており、
謎の2つの大きな入り口とエレベーターが見えます。
これが安治川トンネル(安治川随道)の入り口です。
大阪は「水の都」と呼ばれた様に、今でも公営の渡し船の航路が
あり、
ここにも源兵衛渡しと呼ばれる渡船場がありました。
しかし激増する周辺の工場に勤める工員を、渡船ではさばき
きれなくなり、
とはいえ中途半端な橋を架けても大型船の
航行の妨げになるので、
1935年(昭和10年)、川底トンネル
の建設が始まり、戦争の影響で10年の歳月を要し、
戦時中の昭和19年に完成しました。
かつてはなんと自動車もエレベーターで川底を渡る事が出来たが
、
車両の大型化と交通量の増加により1977年に廃止されました。
今でも車用のエレベーターの入り口が2つ残っており、
昇降パネルもあり、本当に川底を車が走ったんだ・・・と驚かされます。
なお、スロープを作ってこの車用のトンネルを利用する案もあった
そうですが、
現在は鉄道工事も始まり、その気配はありません。
何でも新しいもの好きの大阪に、こうした当時の最先端の技術を
駆使した建造物が
残っていることはあまり知られていない様です。
モザールの団員も多分知らないでしょうね(^^)
そこで練習を少しサボって行ってみました。(^^)
エレベーターで約17mの地下に降ります。人も自転車も乗れます。
もちろん利用は無料!!
エレベーターは降りても、すぐ上がって
来て、お客さんを乗せて、
またすぐ降ります。休み無しです。
エレベーターガールならぬ、建設局のおじさんが両岸のエレベーター
に一人ずつ、
朝から晩まで操作してくれます。
階段も有りますが、
これはきつかった!!
利用者も乗るときには“お願いします”、降りるときは“有難う
ございました”と挨拶。
完全な地域住民の足として重宝されています。
川底はひんやり。
あまり広くない通路(わ、川底だ!)を自転車は押して歩きます。
約2、3分歩けば対岸底へ。またエレベーターで地上へ。
そこは対岸の地上風景。川底を歩いて渡ったという快感が・・・!(^^)
鉄道建設と同時に道路橋が作られるならこのトンネルは姿を消すかもしれません。
是非、この体験を味わって下さい。