- 由緒
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法華山一乗寺は印度霊鷲山の五百持明仙の随一・法道仙人の開基である。
仙人一日仙苑を出て紫雲に乗り、中国朝鮮を経て日域に入り、当山に留まって法華経を読誦し密観を修し、千手飛鉢の法を示して有情を教化し、仏法弘通の時機を待ち給えり。
大化五年(649)時の帝孝徳天皇不予の病あり。
即ち左大臣阿倍倉内に宣して仙人を宮中に召し入れ玉鉢を加持せしめ給う。
仙人一七日の間加持し奉るところ、玉鉢たちどころに平癒市給う。
仙人山に帰り、此の年本堂建立の勅あり、越えて白雉元年(650)九月落慶法要ありて、孝徳天皇法華山に行幸あらせられ一乗寺の勅額を賜わる。
仙人伝来の観音像を安置して永く鎮護国家の道場となし給う。
永延元年(987)花山法皇、西国三十三ヶ所巡礼の砌り、第二十六番札所となし給い、
と、御詠あり。
爾来庶民信仰の霊場として済世利民の益多く、巡礼の同行者絶ゆる事なく今日尚盛んである。
(拝観のしおり より)
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