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1997.05.20 Updated

Rhapsody ROAD これからの道のり
1997.05.20 執筆中
起動

 この章ではRhapsodyの「起動」について考えてみます。これはMacの電源を入れてから、Macが使える状態になるまでにMacの中で起きることの話です。目に見える部分としてはシステムフォルダや機能拡張フォルダがこれに関連しています。

起動操作
 NEXTSTEPの起動操作はMacintoshと全く同じです。すでに生産中止になったNeXTハードウェア(俗称:黒,黒NeXT,NeXT)の筐体には電源スイッチはなくすべてキーボードで電源操作をしました。キーボードの電源キーをおせば直ちにNeXTが起動をはじめます。Macと異なり、起動途中でも電源キーを押すことで起動を即座に中断して電源を切ることができます。これは安全を損なう可能性からRhapsodyでは採用されないかもしれませんが、もしハードウェア(キーボード)の構造が許すのなら、起動途中に安全に素早く起動中断を指示できる機能を採用してほしいとおもいます。これは職場では、間違って起動キーに触れてしまったときに起動終了を待ちきれずに電源コードを引っこ抜いて去っていく人や、SCSI機器の電源を入れ忘れたまま起動したことに気がついた時に起動途中でその電源を入れてしまう人が後をたたないからです。(その結果……経験のある方も多いでしょう。ハードディスクの起動関連ファイルが損傷してMacが起動できなくなることがあります。)

起動デバイス
 起動が始まるとROM-BIOSが起動デバイスを探します。ここはMacと同じです。NeXTはネットワーク起動できますが、これはROMの機能ですからMacで扱える起動デバイスは従来通りのはずです。Win95ではいまだにCD-ROM起動や起動システムのコピーはできませんが、Macではこれが簡単にできるのはうれしいところです。Win95と異なりMacでは普段使っているシステムフォルダなど一式をリムーバブルメディアに移しておくことで(いくつか未解決の問題はありますが)緊急時の起動ディスクとして使うことができるので、普段使っているハードディスクをまるごとMOやCD-RにバックアップするのはたぶんMacでは常套手段だとおもいます。
未解決の問題というのは一つはエイリアスのコピーの時にディスク名の部分が記録されてしまうために、起動(リムーバブル)ディスクからハードディスクに書き戻したエイリアスが起動(リムーバブル)ディスクを指してしまうという問題です。これはNEXTSTEPではリンクには起動ディスクの固有名は含まないので、Rhapsodyのファインダーでリンク(エイリアス)を作る部分(GUI)が改善されれば解消できると思います。ぜひ解消してほしいと思います。
問題の2つ目はいくつかのソフトがコピー防止のためなどで再インストールを要求することです。これはそれらのソフトをまとめて自動インストールする方法があれば解決できることだと思います。漢字トーク7.5.5のAppleScriptでは解決できませんでしたが、RhapsodyではAppleScript対応の徹底をはかってほしいと思います。それだけでなくインストーラーの機能として、インストール手順とインストール後必要になる設定項目を、ユーザーがあらかじめ編集してAppleScriptファイルを作ることができるようにして、それを使うことをソフトメーカーに徹底することが必要だと思います。これが徹底されればMacで再インストールはとても簡単なものになるはずです。できればオフィスや研究室のように複数台の構成の異なるMacを管理する場面に対応するためにインストーラーも複数の設定を編集できて、起動時にMacにあわせて設定を選択できるようになっているととても助かります。これはRhapsodyというより現行のMacOSでもAppleの姿勢次第で解決できそうです。Apple社が試される部分だと思います。
最後に3つ目の問題は機能拡張マネージャーで再構成できない機能拡張やcdevがあることです。このために複数台のバックアップディスクを共用することが難しくなっています。複数台のMacの環境を均一に保つことが難しくなっています。NEXTSTEPでは機能拡張マネージャーのように起動時にソフトウェア構成を切り替えるものは用意されていませんが、これはunixでは難しいからです。Rhapsodyで(Appleがうまく働て)cdevや機能拡張の衝突がなくなったとしても、機能拡張マネージャーは必要ですからAppleはRhapsody用にMachカーネルを加工して機能拡張マネージャーと同等のものを用意しようとするでしょう。使いやすいものができてほしいと願っています。ここまだ書き足りない

 起動デバイスが特定されるとそこからIPL(initial program loader ?)が読み込まれ、IPLによってOS本体の読み込みと実行が開始されます。Macではここでドライバを起動メディアから読み込むようですが、それほど特殊なドライバを必要とするメディアはないと思うのですがいかがでしょうか。特殊なドライバを使わなくてもすむようにインターフェースの標準化を図ればそれですむことではないかと思いますし、CD-Rなどではメディアからドライバを読み込むことはかなわないのですでにこの機能は歴史的なものだと思います。NEXTSTEPではこういう機構はなく、各種メディアを柔軟に扱うために別の方法を使っています。これは起動には関連しないので項を改めて書くことにします。RhapsodyではMOドライバの相性問題から解放されることを願っていますし、これはうまくいくと信じています。

ドライバ(機能拡張ファイル)の読み込み
 つぎに各種ドライバの読み込みが始まります。Macではシステムに必須のファイルを優先して読み込んだあとはごっちゃに読み込みをしているようですが、NEXTSTEPではまずハードウェアのドライバを読み込んで、そのあと各種設定を順に実行していきます。外見上はこの2つの間にははっきりした違いはありません。Macではこの過程で「固まったり」するのですがやっぱりNEXTSTEPもここで固まることがあります(笑)。
Macではここで機能拡張マネージャーを呼び出して延々と読み込み順を変更するといううっとうしく専門的知識を要する不毛な作業に移るのですが、NEXTSTEPでは読み込み順で不具合が起きるようにはできていないのでその作業は不要です。そのかわり別なところに大きな問題があります。 ちょっと疲れてきたので続きはまた !

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