私のクリニックにおける電子

私のクリニックでは、電子カルテとしてダイナミックス、データ管理ソフトとしてRS_baseを使用し完全なペーパレス状態です。ダイナミックスとは、開業医である吉原正彦先生が開発され、現在では日立ソフテック社から年間20万円という安価にて提供されています。またRS_baseとは広島の開業医である山下郡司先生が開発された無料ソフトであり、心電図、レントゲン、エコー等の画像データに加えて、スキャナーでJPGに変換した紹介状等も保存しております。使用OSwindow2000で受付と診察室の2台のコンピュータをLANで結んでいます。

受付で患者さんのIDを入力しますと、診察室のコンピュータ上でカルテが用意されます。私が所見を入力し、検査や薬剤をチェックして合計ボタンをおしますと、院外処方箋と領収書がプリントされます。電子カルテのよいところは、名前や保険番号等の同じことを何度も転記する必要がなく、種々のデータ検索ができることです。カルテに記載して検査・薬剤を選択すれば同時にレセコン入力もすることになり、クリック1回でレセプトを出すことができます。私自身が検査をチェックし、合計ボタンをおしますので、保険点数、慢性疾患の算定条件等に強くなります。

データが残るので、患者さんがいつどんな検査をしてどんな結果であったかは一目で見ることができます。また必要な採血データをすぐにグラフ化できます。長く通っていただければいただくほど、患者さんのデータが蓄積され、感謝されます。古いレントゲンや心電図を探す必要はなくなります。転勤等で過去のデータが本人に必要ならCDにやいて渡すこともでき、それはどのコンピュータでも閲覧することができます。

電子カルテ導入の条件として、管理者にコンピュータに対するある程度の知識が要求されます。また医師自身が入力するなら、書くより速い入力能力が要求されます。しかし、そのようなアシスタントをおくことも可能です。

既成のレセコン機と異なり、メンテナンスは主にメイリングリストで行われます。機械が動かない時に業者が電話ですぐきて、「はいOKです」とはなりません。メイリングリストの意見は次期バージョンには反映され、ある程度自分のクリニック用にカスタマイズできます。保険改正時には日立のHPよりデータをダウンロードして自分でバージョンアップを行います。

電子カルテのもう一つの長所として、受付の職員の仕事を著明に減少させることです。データの保管カルテの保管は不要になります。いつでもすぐ引き出すことが可能です。その余った時間を患者さんへの説明や他の仕事をするために使えます。新しい事務職員でも、ダイナミックを用いた再来患者のカルテをだすことは、1−2時間もあれば覚えられるでしょう。基本的なコンピュータの使い方、キーボード入力ができれば十分です。

ハードデスクはいつつぶれるかわかりませんし、診察中にコンピュータが動かなくなれば仕事が中止してしまいます。そのため、バックアップとして予備に3台のデスクトップ、1台のノートブックをおいて、最悪の時に備えております。

電子カルテの短所として、机の上の画面をみてしゃべってしまい、患者さんと目をあわせないことがあることです。これは紙カルテでも同じことがいえますので、まず面と向かって話をしてから入力するように心がけています。