保険医協会主催の新旧開業医師・歯科医の懇談会(芦屋・西宮支部)に出席させていただきました。

我々新規開業医は、今回ベテランの先生と顔なじみとなることができたため、今後いろいろな情報が必要なとき、顔を知った相手として手紙や電話によるアドバイスを期待出来ると思います。

懇談会では、各自の自己紹介のあと、議論が白熱したのが保険審査のことでした。保険医協会は、再診査時のアドバイスや、保険の解釈を教えてくれ、我々新参者には貴重な存在です。私も、今までになんども電話させていただき、その都度適切なアドバイスをいただいてきました。私は、開業前後で保険診療というものをかなり勉強しましたが、一番理解できない点は、レセプト提出方法や返戻か否かが県によってことなる、前月通っていたものが、翌月落とされるといったレセプトの返戻に一貫性がないことです。懇談会中に、私がこのことについて熱くしゃべりましたが、ベテランの先生方は、「それは正論だが一貫性を持たすことは現実には不可能だ」という意見が多くありました。

日本では、すべてのことにおいて、前例踏襲、既得権の保護が優先されます。例え町の開業医であっても、世界の経済、情勢を無視して診療できない現在、村社会的な発想ではなく、きちんとした説明責任、情報についての透明性は患者中心の医療に必須のことです。例えば、狂牛病問題でも、厚生労働省や農林水産庁の答弁は枝葉末節的であり、問題の本質をとらえていません。

本質的な議論にならないことの多い日本において、保険医協会から保険審査に対して本質的は議論が発せられて、レセプトについて種々のことが標準化されるということは夢でしょうか?

 

伊賀幹二

伊賀内科・循環器科 西宮市