矢田丘陵を歩く

(ご注意)
コースの殆どが遊歩道として整備され、各所に地図や道標が設置されていますが、かえって迷うことがあります。また、古い地形図の点線路で廃道になっているものや、仕事道で途中までしか通じていない道もありますので、不用意に踏み込まない方が賢明です。里山だけに、山麓でかえって道が錯綜して分かり難い場合もあるので、十分ご注意ください。

大和民俗公園→(10)→矢田坐久志玉比古神社→(30)→矢田寺→(30)→国見台→(10)→松尾山→(50)→まほろば展望所→(10)→矢田山三角点→(30)→峠池(10)→滝寺廃寺→(15)→峠池→(15)→東明寺→(40)→三ノ矢塚→(10)→大和民俗公園
 数字は時間(分)、あくまで参考タイムです。

周辺に点在する古寺や旧跡を訪ねながら、里山歩きの楽しさを十分に味わうロングコースです。四季それぞれに変わった顔を見せる、矢田丘陵の楽しさを存分にお楽しみ下さい。



○アプローチ 大和民俗公園へは近鉄郡山駅下車、奈良交通バス(大和小泉駅東口または矢田寺行き)で矢田東山下車、北へ徒歩7分。マイカーの場合 大阪方面からは第二阪奈道路・中町IC下車。南へ約3q。または西名阪道法隆寺IC下車、約10q。100台収容の無料駐車場がある。
 矢田寺へは近鉄郡山駅から奈良交通バス矢田寺行き終点下車。(回数が少ないので泉原町行きに乗り、横山口で下車してもよい。矢田寺前まで徒歩10分)

○コースの概要 

大和民俗公園
から北へ進むと、左手に「県立少年自然の家」がある。四つ辻を直進すれば峠池だが、矢田寺へは左折して、すぐ次のT字路を右に行く。数分で左手にこんもりした森がある。



飛行機の神様?を祭神とする矢田坐久志玉比古神社である。ここから矢田寺へは、広い道を陸橋のある横山口へでて、右折するのが一番分かりやすい。矢田集落の中を行くときは、左手に見える総合公園施設を目標にすればいい。いずれにせよ矢田寺前バス停に出て参詣道を登る。


 矢田の地蔵さんと「アジサイ」寺で知られる矢田寺には、多くの石仏が並ぶ。中でも「見送り地蔵」と「味噌嘗め地蔵」は必見である。本堂にお詣りしたら左に進み境内を出る。(本堂右手を登ると、直接矢田山に登れる。)集落の中を少し下り、駐車場の上を通って竹藪の道に入る。途中の標識のない分岐で、少し下り気味になるところがあるので注意する。 近畿自然歩道の標識に従って、山腹を捲くように進み、小さな谷を渡る。すぐにジグザグの急坂になり、木の階段道も出てくる。やがて頭上が開けると、花の時期には素晴らしいツツジのトンネルの中を抜けていく明るい道になり、尾根上のT字路に飛び出す。

すぐ左が国見展望台で、奈良、郡山市街の上に若草山から竜王山、三輪山に続く山並みが連なっている。空気が澄んでいれば遠く高見山、三峰山、大峰、大台まで一望できる。展望台で大和の国の展望を存分に楽しんだら、松尾山を往復しよう。

片道10分ほどでTV塔と中継施設の立つ松尾山頂だが、残念ながら松や雑木に囲まれて展望は良くない。315.4m の三角点は建物を回り込んだ裏側にある。建物正面から下に見える広場には車道が登ってきているが、右の山道(峰入り道)を辿って、日本最古といわれる「厄除けの寺」松尾寺へは往復30分ほどである。ただし松尾寺は矢田寺とほぼ同じ標高にあるので、帰りのアルバイトは覚悟して下ること。

ここでは松尾寺は別の機会に譲って国見台に帰り、先の「矢田寺・松尾寺分岐」を直進する。明るく気持ちのよい自然林の尾根道を行くと、道の両側に南僧坊池と呼ばれる溜め池がある。さらに進むと小さなお地蔵様の立つ分岐に来る。ここから頂池、露ナシ池への道が分かれるが、道標に従って直進する。「東山駅」の小さな道標を過ぎた次の大きな分岐が矢田峠で、西側の近鉄萩の台駅からの道が登ってきている。この辺りは「矢田山遊びの森管理車道」とハイキング道が交差しているので、初めての場合は地図や道標を確認しながら進む。

矢田峠から少し先で、管理道と矢田寺からのハイキングコースが交わるところがある。ここを左にとれば短い急坂を登って、右手に
「頂上展望台」がある。上に登れば生駒山が大きく、また先程の松尾山の電波塔も見える。その右手近く、送電線鉄塔の立つピークは矢田東山である。松尾山の向こうには金剛と葛城が重なるように見える。「まほろば展望所」へは右手から合流した管理車道を行く。展望所には休憩舎もあり、郡山市街を眼下に正面やや左に奈良市街や若草山、そこから右に大和国中と大和高原を区切る「青垣の山々」の連なりが一望できる。やや北の高みに340m標高点がある。

 展望所から急坂を下り、やや湿ったところを過ぎると十字路にでる。ここを直進しても峠池に出るが、左折して小さな峠状のところにでる。ここから少し左に登ったところに、矢田山三角点(331.8m)があるが、雑木林の中で展望はない。峠状のところを先に進むと、すぐに小笹の辻と呼ばれる十字路に来る。左すれば榁ノ木峠である。直進する道はヒノキ林を過ぎて、子どもの森の上部に出る。さらに進めば峠池の畔に立つ「子ども交流館」の前に下る。ここを起点に三つの自然研究路が設けられ、また追分梅林への道が通じている。広い車道も登ってきている。

 峠池から「矢田集落」方面へ広い車道を10分ほど下ると、左手に滝寺へ下る細い道がある。小さい流れに沿うように下ると、滝寺廃寺。奈良時代末期の古い磨崖仏が残されている。峠池に帰り、道標に従って
東明寺を目指す。池の反対側を少し矢田山の方に登り返して、左に下る。古い丁石などを見ながらいくと、すぐに舎人親王開基の東明寺。ここから南へ近畿自然歩道を辿ると、2qたらずで矢田寺境内、味噌嘗め地蔵の下に出る。東南に舗装路を下ると、三の矢塚を経て大和民俗公園に帰る。(この道は集落に入ってからの分岐が少し分かり難いので、土地の人に確かめるとよい)

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