抗菌剤
バクテノン N50
T.はじめに
近年、住環境における健康・安全・清潔に対する意識が向上してきており、
各種製品に防菌性を付与することが増えてきております。
「バクテノン N50」は、塗料に、必要なときに、必要量だけ添加することで、
作業性を変えることなく、抗菌性を付与できる添加剤です。
U.特徴
1)お手持ちの塗料が、混ぜるだけで、抗菌塗料に生まれ変わります。
2)無機系と異なり、沈殿しないので、混合が容易です。
V.使用方法
ウレタン系塗料:主剤/硬化剤混合ベース 100に対し、2〜5部添加して下さい。
(例)サンコード SC143の場合
主剤:硬化剤:バクテノン N50:シンナー=100:25:2.5〜7.0:70
ラッカー系塗料:ベース 100に対し、2〜5部添加して下さい。
W.使用上の注意
1)引火性の溶剤を使用していますので、火気には十分に注意して下さい。
2)有機溶剤を使用していますので、換気をよく行って下さい。
3)使用直前に添加してご使用下さい。
塗料に混合後、長期間保存すると、塗料によっては、若干黄変する場合があります。
従って、塗料は、混合後、なるべく早く使い切って下さい。
(塗膜物性には殆ど影響はありません)
V.法規制
消防法による分類:第4類 第1石油類
労働安全衛生法による規制:第2種有機溶剤含有
木工用塗料への添加効果
1.試験方法
バクテノン N50を0〜5%、分散させたポリウレタン系塗料を3×3cmの
木板に塗布し、乾燥させた試験片表面にLB培地で希釈調整した105 cells/ml
の大腸菌及び黄色ブドウ状球菌0.5mlを接種し、この上をポリエチレンフィルム
で覆って、25℃×6、24hr後の生菌数を測定した。
2.結果
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◎上記の結果より、
塗料に対して2%以上、出来れば5%程度添加することにより効果があることが
判ります。
参 考
銀系の抗菌剤は、効果があるということで、ボールペンの様なプラスチック製品や、
種々の製品に使用されています。
確かに、重金属には殺菌性があり、その強さは、水銀>銀>亜鉛>鉄の順にあり、
原則的にはその金属塩の溶解性が大きいもの程殺菌性が強い。
又、その抗菌性は、水の中に溶出した金属イオン(銀イオン)によるので、水中の様
な、水が豊富にある状態が必要です。
→従って、空気中の水分の程度や、樹脂中に練り込まれた場合には、抗菌力が望めない
ことが判ってきています。
→更に、銀系の抗菌剤の抗菌作用は、活性酸素による殺菌と、イオン化によるもので、
その結果、酸化性が強く、塗料自体が、長期間後に、やける(変色する)場合が多い。
→又、銀イオンを、無機系の微粉末(ゼオライトや、ヒドロキシルアパタイト等)に
吸着させて担持させているため、比重が重く、多くの場合、保存中に沈降し、塗料中
の銀の含有量が場合によっては大きく変動します。
その結果、効果にばらつきが生じます。
以上の結果より、当社では、銀イオン系は、比較的ドライな状況下におかれる
木工塗料用には不適と判断し、有機物系の抗菌剤を検討し、
この
「バクテノン N50」 を開発致しました。