【\S8E29】
  三精塗料工業株式会社
 

 

     抗菌剤

  バクテノン N50

 

T.はじめに

   近年、住環境における健康・安全・清潔に対する意識が向上してきており、

 各種製品に防菌性を付与することが増えてきております。

 「バクテノン N50」は、塗料に、必要なときに、必要量だけ添加することで、

 作業性を変えることなく、抗菌性を付与できる添加剤です。

 

U.特徴

 1)お手持ちの塗料が、混ぜるだけで、抗菌塗料に生まれ変わります。

 2)無機系と異なり、沈殿しないので、混合が容易です。

 

V.使用方法

   ウレタン系塗料:主剤/硬化剤混合ベース 100に対し、2〜5部添加して下さい。

  (例)サンコード SC143の場合

     主剤:硬化剤:バクテノン N50:シンナー=100:25:2.5〜7.0:70

 

  ラッカー系塗料:ベース 100に対し、2〜5部添加して下さい。

 

W.使用上の注意

 1)引火性の溶剤を使用していますので、火気には十分に注意して下さい。

 2)有機溶剤を使用していますので、換気をよく行って下さい。

 3)使用直前に添加してご使用下さい。

   塗料に混合後、長期間保存すると、塗料によっては、若干黄変する場合があります。

   従って、塗料は、混合後、なるべく早く使い切って下さい。

   (塗膜物性には殆ど影響はありません)

 

V.法規制

    消防法による分類:第4類 第1石油類

      労働安全衛生法による規制:第2種有機溶剤含有

  

木工用塗料への添加効果

1.試験方法

 バクテノン N50を0〜5%、分散させたポリウレタン系塗料を3×3cmの

 木板に塗布し、乾燥させた試験片表面にLB培地で希釈調整した105 cells/ml

 の大腸菌及び黄色ブドウ状球菌0.5mlを接種し、この上をポリエチレンフィルム

 で覆って、25℃×6、24hr後の生菌数を測定した。

 

2.結果
 
 
大腸菌
黄色ブドウ球菌
 
   
6hr
24hr
6hr
24hr
 
 
無添加
3.1×10^5
2.6×10^5
4.5×10^5
4.8×10^5
 
 
1%
2.5×10^4
5.7×10^3
4.1×10^4
7.0×10^3
 
 
2%
3.7×10^3
1.1×10
3.8×10^3
1.2×10
 
 
5%
2.1×10
<10
2.4×10^2
<10
 

 ◎上記の結果より、

   塗料に対して2%以上、出来れば5%程度添加することにより効果があることが

   判ります。

 

参 考

  銀系の抗菌剤は、効果があるということで、ボールペンの様なプラスチック製品や、

  種々の製品に使用されています。

 

  確かに、重金属には殺菌性があり、その強さは、水銀>銀>亜鉛>鉄の順にあり、

  原則的にはその金属塩の溶解性が大きいもの程殺菌性が強い。

 

  又、その抗菌性は、水の中に溶出した金属イオン(銀イオン)によるので、水中の様

  な、水が豊富にある状態が必要です。

 

 →従って、空気中の水分の程度や、樹脂中に練り込まれた場合には、抗菌力が望めない

  ことが判ってきています。

 

 →更に、銀系の抗菌剤の抗菌作用は、活性酸素による殺菌と、イオン化によるもので、

  その結果、酸化性が強く、塗料自体が、長期間後に、やける(変色する)場合が多い。

 

 →又、銀イオンを、無機系の微粉末(ゼオライトや、ヒドロキシルアパタイト等)に

   吸着させて担持させているため、比重が重く、多くの場合、保存中に沈降し、塗料中

   の銀の含有量が場合によっては大きく変動します。

     その結果、効果にばらつきが生じます。

 

   以上の結果より、当社では、銀イオン系は、比較的ドライな状況下におかれる

     木工塗料用には不適と判断し、有機物系の抗菌剤を検討し、

     この 「バクテノン N50」 を開発致しました。
 
 


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