三精塗料工業株式会社
 

生殖異変・しのびよる環境ホルモン汚染

 

 NHKスペシャル「生殖異変・しのびよる環境ホルモン汚染」(平成9年11月21日放映)をご覧になった方は、ご存じでしょうが、今、奇妙な汚染が問題になってきております。

 

内容をかいつまんでご報告しますと、

 「貝、ワニ、海鳥、魚など、水棲生物の雄が雌化し、また雌が雄化して、雌は卵を産まなくなり、雄は精子を作らなくなっている。 その結果、この奇妙な性転換によりさまざまな生物が子孫を残せなくなっている。

 

 原因は人間が作り出した化学物質で、性ホルモンと類似した構造、及び働きを有するため、上記のような現象が生じている。

 

これらの物質は、毒性が証明されないほど、ごく薄い濃度で自然界に広がっている。

 

現在、推定されている物質としては、一般に使用されている界面活性剤、洗剤、プラスチックの成分など70種以上にも及んでいる。

 

この環境ホルモンの影響は既に人間にも及んでいると警告もなされている。」

 

(事例1)

ある種の巻き貝の産地で、巻き貝が採れなくなった理由を調べたところ、半分が雄、5%が雌、残りは両性(雄と雌の生殖器を有する)であり、卵を産める雌がいなくなったからと判明。

 

(事例2)

日本全国の海岸約100ヶ所から巻き貝を採取し、雌雄の分布を調べたところ、大部分の海岸で採れた巻き貝に雌雄両性の生殖器を有するものが見つかった。

更に、雌の巻き貝に極めて薄い濃度の化学物質を添加したら、数週間後に、ペニスが生えてきた。

 

(事例3)

鯉などの精巣を調べたら、精子になる前段階の細胞は存在するが、精子はほとんど無く、更に、そのすぐそばに卵子の細胞が多くみられた。

 

(事例4)

米国で、鰐の数が減ってきたので、雄鰐の性器を調べたところ、ペニスの発達が十分でなかった。

 

(事例5)朝日新聞(98/3/9)より

薄くなっている? ヒトの精液

世界保健機構WHOの基準によると、通常の性行為で妊娠するのに必要な精液中の精子は「1ミリリットル当たり2千万個以上で、半分以上の精子が正常な運動を示すこと」とされている。

 

 ところが、帝京大学の押尾先生の研究結果は、医学部の健康な学生約34人から精液の提供を受けて濃度等を調べ、その半数を超える学生がこの基準を満たさず、正常な精液の持ち主はたった一人だった。

 

 デンマークのグループは、過去の文献に記載とれた数値61件を解析して、「1938-1990年で、精子の数は1ミリリットル当たり1億千3百万個から6千6百万個と半分に減少し、精液の量も3. 4ミリリットルから 2. 75ミリリットルになった」と1992年に発表している。

 

内分泌攪乱物質:環境ホルモンとは

 

 普通、害があると思われる濃度の何千、何万分の1の非常に薄い濃度でも、生物の体内に入ると、ホルモン(非常に微量で効果を発揮する)と似た働きをする化学物質で、生物本来のホルモン系を攪乱し、生殖や発達の異常、ガンの発生などを引き起こす可能性があるの総称です。

 

現在、70種類あまりの物質が知られていますが、実際には不明なものも沢山あるようです。

 

体内に取り込まれると、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをするので、あたかもホルモン剤を投与されたような状況になる。

この様な状況を放置し続けると、精子の減少や出生率の減少など、取り返しのつかない事態になると想定される。

 

DDTなどの塩素系殺虫剤、PCB(ポリ塩化ビフェニール)、大部分のエポキシ樹脂の原料であるビスフェノールA、ダイオキシン、可塑剤としてのフタル酸エステル、酸化防止剤のノニルフェノール、船底塗料等に使われてきた有機スズ化合物、など

 

缶詰の内面コーティング材からのビスフェノールAの溶出の可能性と、その安全性について疑問視する声も出ています。(大部分の缶詰のコーティングはエポキシ樹脂です)

先日も、ポリカーボネートを飲料用のプラスチックボトルとして使用しようとしたが、ビスフェノールAが溶出してくるので、使用が見合わされました。

★あまり神経質になると、なにも使えなくなりますが、ウォッチし続けることは大事だと思います。
 
 

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