12.13日目(11月1.2日)

これで最終日、これを書いているのは自宅だ。まあ旅は家に帰るまでが旅ですというベタベタの前振りをしておいてから日本間での帰路について書いておこう。

オークランドからシンガポール経由で関空まで、約20時間の道のりがある。一日がかりもいいところだ。オークランドを昼の3時15分発だが、海外の空港であるために早目に行かないといけないなと思っていた。それに今日は日曜日でオークランドの町は人が少なく、店も開いていない。一週間前と同じ状況だった。一週間前は何もする事がなく面白くない一日を過ごしたものだった。それが今ではもっと遊びたいなと思っている。奇妙なものだ。

9時過ぎにチェックアウトして町へ出る。やはり日曜日は人が少ない。何をするかもわからないが、とにかくメインストリートまで歩く。チェックアウト後だからバックパックを持っての移動だ。今までずっと定住のような生活をしていたので、実際にバックパッカーのような生活をしていたのは少ない。今日はちょっとバックパッカー気分だ。でもやっぱりする事がない。昼を食べたら空港に行かないといけないから中途半端な時間しかないのも問題だ。まあ、いいかと土産物を買ったり、まだ見ていない所をぶらつき時間をつぶす。12時ごろに昼食を取り、空港までタクシーで向かう。

空港に12時半過ぎに着き、チェックインをしようとチェックインカウンターを探す。当然、海外の空港だからよくわからん。ちょっとベンチに座って休んでいると隣りのおばさんが声をかけてきた。シンガポール航空のキップを持っていたので、同じ飛行機に乗るのがわかったらしい。英語でのトークだったので内容はよくおぼえていないが、僕が日本人であることと、日本に帰るのだという事はわかってくれたようだった。それに本当に片言だが日本語を知っていた。時間を日本語で言うとかその程度だがなんかうれしい。

チェックイン後、またそのおばさんのところに戻り、また少ししゃべる。するとおばさんはチェックインがまだだったようで、してくるといって向かっていった。その間に荷物を見張って欲しいと頼まれたので待っていた。その間になんだかベンチの周りを中国人の団体に囲まれてしまっていた。おばさんの荷物をイスの上においていたら、どうも僕の荷物だと思われているようでにらまれる。なんか言い訳できないし、中国語わからんし、人数が20数人だし・・ちょっと恐ろしかった。ずっと外人の中で生活してたのにいまごろなんでかなとか感じた。日本から行く団体客を見る現地の外国人の心境がわかったような気がした。ちょっと恐ろしがられてるかもしれないです。

他にも空港で、日本人の団体客を見た。おじいさん、おばあさんばかりの団体だった。添乗員の方がする説明を私語一つなく聞いてはうなずき確認しているようだった。日本人のおじいさん、おばあさんぐらいの人間は礼儀正しくすばらしいものだと再確認してしまった。

空港で2時間ほど時間をつぶし、飛行機に乗り込む。10日程度の短い旅とは言え、ニュージーランドを離れるのかと思うとちょっと寂しかった。日本に帰るのがうれしいと思わなかったのはなぜだろうと少し思ってしまった。

飛行機はかなり混んでいて、僕は通路側の端であり、窓側にはシンガポール人らしき夫婦が座っていた。今まですぐ隣りの席に人が座っていた事はなかったのでちょっと息苦しかった。それに困った事は他にもあった。この夫婦が何度も何度も席を立つ事であった・30分か1時間ぐらい置きにいちいち立つ。狭いエコノミーではその度に僕も席を立たないといけないのだ。何度かそれを繰り返した後、夫婦が席を替わってくれないか?と頼んできた。どうも飛行機は通路側が最高の席のようで、チェックインの早い人ほど先に埋まっていくようだ。長いフライトだとトイレには確実にいく。それを気軽に行けるのは想像以上に気が楽だ。隣りの人が寝ているのを起こして出て行く窓側はやはりつらいのだ。

でもひんぱんに出て行くようだし、もしかしたら僕が知らない病気とか言った事情があるのかもしれないと笑顔でかわってあげた。すると、なんとそれ以降全く動かず、しまいにはねてしまった。一体何の為に変わったんだ?寝るんなら変わる必要ないやんけ・・僕がつらいだけじゃーとかなりむかついた。これ以降7,8時間一睡もせず身動きが取れない地獄が待っていたのだ・・つらかったっす。更に、そろそろ到着で少し機体が傾きかかってきたのに隣りのおばさんがまだシートベルトをしていなかったので、やさしく「シートベルトしたほうがいいですよ」というと「oh」といっただけでシートベルトをして何もなし。礼ぐらい言って欲しかった。空港に到着し、降りる時も窓側だったから当然最後に降りる訳だが、その夫婦は何も言わずこっちを見る事すらなく先に降りていった。今回の10時間のフライトは不愉快極まりなかった。

でも後から考え直したのだが、この一連の事に共通するのは親切にする時に、いつも何々してあげるという態度で行動している事だった。本当は相手が困っている、何をしたらいいだろう、こうしよう、こうしたい。問いう考えで行動すべきだったんだと思った。例とかそういう見返りを期待するのではなく、自分がこうしたいと考えればそんな物は必要ないのだと思った。 そして更に考えた。ここまで神のような思考になれるのかという事だ。無理かなーっていうかその行動している時に多分心に無理している所があるよなーと考え、まあ、ほどほどにしようと適当な結論を出したのだった。まあ、俺の座右の銘である「偽善でも善」の理念に立ち戻ってしまったようだ。

シンガポールから関空まではラッキーな事にかなり混んでいたにもかかわらず、隣りにだれもいず、更に最後尾の席だったので、シートを最高にまで下げても問題がない。さっき良いことしたせいかもしれないなとか感じてしまった。それで4時間ほどしっかり寝て気持ち良く関空に到着。後はバスに乗って家まで帰宅した。

今回の旅行は本当に得るものが多かったと思っている。経験や思い出はもちろん、一人で考える事により、自分をしっかりと見つめる事、人の優しさ、いろんな人達との出会いなどなど。いろんな事があった。10月1日に思い立って以来、一ヶ月の早足ですべて無計画に動いてきたが、計画的な旅行では得られなかったものも多いと思う。またしてみたいとおもったし、やろうと思っている。次は、どこへ行ってどんな事が起こるのかいまから「ドキドキワクワク」である。←バンジーの時に現地スタッフに言われた。

END

あとがき

長い旅行記なので、行って帰って来てから全部を書き尽くすまですごい時間がかかってしまいました。途中でタイにニュージーの2倍ぐらいの旅をしてきてしまっている。読み返すのも面倒になるぐらいの量ですが、その分思い出せる量もものすごい。書いて来てよかったなと時間が経って思えるものでした。

ニュージーランドは今思えば勢いで突っ走った10日間だったなーと思います。初めての海外で何もわからず好奇心、根性、そういった精神的なものでとにかくガムシャラだった。10日間という短さも良かったんだと思います。やるべき事がもう少し残っているなという感じで帰ってこれたので。これが1ヶ月とかだと違った経験をしてきたんでしょうねー。

今はタイから帰ってきた直後だからタイのことをいっぱい思い出す。今の心境に関してはタイ日記のほうに書いたのでここでは書かない事にしておきます。いつになるかわかりませんがなんとかUPしてみたいですね。

このながーい日記を最後まで読んでいただいてどうもありがとうございます。しんどかったでしょう(笑)よかったらメール等で感想なんか聞かせていただくとうれしいです。では、次はタイ日記で。

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