4日目(10月24日)

今日はニュージーランドに来て初めてまともな観光をしにいった。朝の7時からバスに乗ってベイオブアイランドでイルカといっしょに泳ぐツアーに行くのだ。はっきり言ってそれ以外の事は何もしないとんでもないツアーである。ま、ツアーでも取らないと動こうとしないであろうから取った奴だ。飛行機の切符を取って無理矢理出発したこの旅行と似たようなものである。もちろんイルカと泳ぎたかったという大前提はあるのだが・・

で、朝の5時に起きて準備開始と言っても大した用事がある訳ではない。着替えをして寝癖を直せば大体すんでしまうのだ。でもやる事はある。この日記だ。2,3日の分は今日の朝に書いたものだ。ちなみに途中までしか出来なかった。長すぎる・・でもそれぐらいの方が帰ってから読み応えがあっていいだろう。

7時にバスが到着、乗り込むと日本人らしい女の人が乗っていたので、Are you japanese?と声をかけるとNOと返ってきた。どうもチャイニーズか韓国人だったらしい。まあ気を取り直してバスに座ると明らかに日本語が聞こえてきた。どうも女の子二人組らしい。今度はいきなり日本語で話しかけるとびっくりした様子だったがちゃんと相手してくれた。でも話しているとイルカのツアーではないらしい。かなりショック、話し相手がいるのといないのとでは旅の楽しみは半減してしまうものだ。でも途中まではいっしょのようなので少ししゃべりながら行く。後から二人増えて4人組みになった。みんなワーキングホリデーでニュージーに来て、英語の勉強をしているらしい。就職してから辞めてきているらしく年上のようだ。一人でホームスティをして勉強しているのを見ると度胸のある女性だなーと感心してしまう。俺はたった10日間程度なのにずっと不安一杯なのだから・・でもなんとなく楽しいおしゃべりをして朝ご飯を食べ、12時ぐらいになるとお別れのときとなった。さびしいーってお互いに言い合いながらバイバイして別れる。俺の方は本当に心の声であった。そこでドルフィンツアーが始まるまでポツーンと一人取り残されたのだ。外国人の人すらいなくなってただただ時間が経つのを待ちつつ昼食を摂った。

12時25分頃ツアーがスタート、イルカは必ず見れると言われていたので楽しみにクルーザーに乗り込む。一人でもこういう時は元気だ。コンダクターの人が説明しているが何を言っているのか分からない。自分の英語ヒヤリング能力の無さを痛感してしまう。

一時間ぐらいイルカに会えないまま全速力で飛ばしつづけている、船のスピードもあるが雨が降ったりでとても寒い。こんな天気で海に入って大丈夫なんだろうか?と疑問に思うぐらい寒くウインドブレーカーを上から着込んだ。さらに一時間ぐらいしてもいるかはみつからず、これはもう駄目か・・とあきらめていた。ほとんど誰ともしゃべらず、俺の周りだけ異次元ではと思うようになっていた。本当に孤独だなと感じたのと自分の精神的弱さを感じてしまった瞬間だった。終いには日本から持ってきた本を読み出す始末でした。その時、近くにいたおばあさんが僕に「Very beautifull!!」と声をかけてくれた、確かに景色はとても奇麗だった。「Yes,very beautifull!」と返事をしてニッコリほほえむとおばあさんも笑ってくれた。この時、自分の心が開放されたような感じがした。一人で閉じこもってたところをたった一言で動かしてくれたように感じたのだ。その後、コンダクターの人が僕は英語があまり出来ないのを分かってくれていたらしく、笑いながら最初のスピーチの内容を説明してくれた。みんな親切なものだ。本当にありがとうと心の中で思いながら「Thank you」と言った。その後、自然と目が熱くなり、涙がこぼれそうになっていた。一人の孤独と不安を解消し、閉じた心を開放してくれたからかもしれないし、うれしかったからかもしれない。分からないがとにかく感動したのだ。まさに感(心)が動いたと言った感じがした一瞬だった。その後、イルカがいなくてもこんなにいい大自然があるじゃないかと思い直し、クルージングを楽しんだ。コミュニケーションが取れると人間はここまで楽になれるのだ。

その後イルカが見れなかったので、次回同じクルーズをもう一度させてくれるチケットをもらった。ここでもコンダクターの人が優しく説明してくれた。本当にありがたかった。自分も人に親切にしようと一層心に刻みつけた一日だった。

帰りのバスの中でも一人だったので、いろいろ物事を考えたり、外国の地の田舎で一人バスに乗る自分の姿を客観的に見てみたりと自分の世界に酔っていた。一人旅は本当にいろんな事を考えさせてくれる。明日は特に予定していない。一体どんな一日になるのだろうか?毎日が変化の連続で飽きが来ない。まだ不安の方が楽しみに勝っているのが現実ではあるが・・・・

4日目終了

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