先ず、私は「昆虫を食う」という事は一生無いだろうと思っていた人間だった。 友達にイナゴを食ったヤツがいて、めちゃうまかった・・という話を聞いても、それでも どんな事があっても例え餓死寸前であっても虫だけは一生口にする事は無いだろうと思う 程、昆虫を食するという事が考えられなかった人間である事を初めに記しておきたい。 それが、何故こんな物を食うハメになったかというと・・TVの影響である。 昨年末に黄金伝説という番組で「よゐこ濱口」がこれを食うというのをやっていて、それ がやたらうまそうに食らいやがるのでど〜〜しても気になり初めて、、それからインター ネットで検索しまくって、スズメバチの生の蜂の子を売ってくれる所を発見してしまった 事から現実の話しとして動き始めたのであった。。 蜂の子自体は缶詰としてなら検索していればすぐに出てくる。でも生のものは本当に無い のだ。勿論、生で食らうのでは無くて素揚げにしたり佃煮にしたりするのだが、TVでは この素揚げがやたらおいしそうだったのだ。 その辿り着いたホームページはここである。→鈴木養蜂場 ただ、単位が1kgなので、蜂の子初心者の私にとっては恐怖の量だ。。駄目元で問い合 わせの所より少量で分けて頂けないかとお願いしてみた。すると翌々日に直接電話が入り 「200gの巣がありますのでこれをお送りしますよ」との事。電話で少し詳しく話を聞 くと珍味ですよ〜パワーが付きますよ〜有森選手(マラソン)も食べてますよ〜との事で、 益々興味がつのる。。そして、迷わず注文したのだが。。。 夜になって、明日蜂の子が届くと思うとだんだん「恐怖感」も膨らんできた。大体、蜂も 幼虫も大嫌いなのである。これが何百という蜂の子が詰まった蜂の巣が届いたら正気でい られるかどうかだんだんと不安になって来た。。考え始めたら眠れない。。怖い・・やっ ぱりやめときゃ良かった・・明日荷物が到着したら開封せずに捨てよう・・等とぐるぐる と頭の中で思いを馳せながら寝付いたのは明け方近くなった頃だった。 翌朝、目覚めたのはインタホンの音であった。 風邪気味の嫁が不機嫌そうに「何?朝から?」といってインタホンに出て対応している。 寝ぼけ眼の私は「ヤバイ蜂が来た・・」寝たフリをしておこうと・・そのまま知らぬ顔を してもう一度眠りについた。。 そして、約1時間ほどして目覚めてみるとやっぱり届いていたのは奴等だった。。 「開封せずに捨てよう」と決心して寝たはずだったのだが、朝の爽やかさが手伝って恐怖 感は昨夜よりかなり薄らいでいた。おそるおそる箱を開けてみる。宅配中に成虫に孵って 箱を開けたらいきなりブ〜〜〜ンと飛びだしたらたまらんな・・等と思いつつそーーっと 明けてみると・・・こんな状態で蜂の子がぎっしり詰まった蜂の巣がそこにあった。 う〜〜ん・・これ程気色の悪いものは久し振りに見た。。娘も「何??」と覗き込みに来 るが、顔をこわばらせて尻込みしている。「これをこれから食べるんだよ」と血の気の引 いた顔で言うと娘は泣きそうな顔になって「わたし食べへん」「ぜったいいやや」と・・ まぁ気持ちは十分に解るのだが。。 しかし、ここまで来たらやるしかない!。割り箸で1匹ずつ幼虫を巣から引っ張り出す。 以外にしっかりと巣に入っていて下手すると潰れて中から白い液体がほとばしる。。 潰さない様に1匹ずつ丁寧に丁寧に。。
キャ〜〜〜〜〜〜〜〜!!。このゾゾ毛が逆立ちそうな恐怖の幼虫の姿。。中には成虫に なりかけていて蜂らしき形をしているものもいる。なんという事だ。。。 この写真に写っているのだけで全体の1/3程。取り出すのに15分程はかかっている。 さぁ素揚げだ!!。えいや〜〜〜〜。
半分を素揚げ、残りの半分は砂糖、醤油、みりん、油で佃煮風に炒めてみた。 勿論「健康エコナ」である。
素揚げになった幼虫達だ。でもこうやって揚げてみるとグロテスクな感じはかなり薄れて しまう。再度娘が覗きに来るが今度は先程の様な恐怖の表情がその顔からは消えていた。 軽く塩を振っておそるおそる口に運んでみる。。うん・・いけなくは無い。。弱冠小エビ の味がして塩味が効いていて何の問題も無い。それを見ていた娘にも「食べてみるか?」 と聞くと「うん」と。。口に入れてやると「おいしい」と。。もっと欲しいというので、 それからは親子でバリバリと蜂の子を食らう事に。。嫁はさすがに気持ち悪さが頭にあっ て結局3匹しか口にしなかったが、残りは私と娘ととで殆ど食ってしまった。。 佃煮よりも素揚げの方がいけるかな。
かくして蜂の子との熱い戦いは終わった。。 めちゃくちゃうまいか?というとそうでは無いが、まずくは無い。そして聞くところによ ると蜂の子にはとんでも無いパワーが秘められていてとても身体には良いそうだ。1日に 3〜400kmも飛ぶというそのパワーが詰まっているという。。ちなみに先日おもいっ きりテレビでも蜂の子を使った料理が健康食として扱われていた。ここ そして、何よりなのは生まれて初めて昆虫を食った。昆虫も食えるんだと体感した事。 蜂よ!俺と共に生きろ!。 まだ今日食した2倍の量が冷蔵庫に入っているのだが、娘はもっと食いたいらしく「作っ てぇ」とせがむ。1日にそんなに沢山食べていいものやら解らないので「また明日作って やるさ」と一回り大きくなった大人の顔でそう答えた。