開山忌(かいさんき)舎利会 唐招提寺

 5日は鑑真和上を安置する宸殿の扉が開かれ、一山の僧侶により
和上の高徳をたたえ、その命日を祈る法要が行われ、献香、献茶が
あり茶席が設けられる。和上の命日である6日は御影堂宸殿で舎利
会が行われ、鑑真和上携行の舎利を奉讚する。なお同寺では5日か
ら7日までの3日間、御影堂ならびに国宝鑑真和上像が開扉され一
般に公開、東山魁夷画伯の襖絵が展観される。

三枝祭(さいくさまつり)【ゆり祭】 率川神社

 三枝祭の名は白酒(しろき)黒酒(くろき)の酒樽に本社三輪山
でとれた笹百合の花(古名:さいくさ)を飾ってお祭りするところ
から起こったもの。文武天皇大宝年間(701〜703)から伝わ
る古式の神事でお供えの百合の花は疫病除けとして、参拝者が競っ
て乞い受ける。

竹供養とガン封じの祈祷法要 大安寺

 古くから、防腐作用があるとして、その皮や葉で餅やちまきを包
むなど、日本人の生活に密着してきた竹の徳をたたえ、竹の霊を慰
める法要。
 本尊十一面観音像の前に青竹を置き供養法要を行った後、境内の
竹林にしめ縄をはり祭壇を設けてこれを供養し、育成を祈願する。
 この日竹を植えると、その竹が繁茂するという伝承の日で「竹酔
日」といわれている。また当日はガン封じに薬効があるといわれる
笹竹の接待もある。古人から四季それぞれに深いかかわりを持って
きた竹。日本情緒豊かな詩、歌、絵画を生み、この君とさえたたえ
られた竹をもう一度見直し、今日的意義を見出そうとする祭りであ
る。

えんまもうで 百毫寺

 閻魔王の縁日に、無病息災と長命を祈り、希望者には住職の描い
たうちわとコンニャクの田楽を接待する。コンニャクは、生きる間
もせめて裏表なく努力し、仏の道を通じるように、という意味が込
められている。

蓮華会式 法華寺

 本尊十一面観音像を供養し、夏の疾病の厄よけ祈願をする法要。
これは、奈良時代疫病が流行した際、光明皇后が「かや」を供えて
疫病よけの礼願をされたことに基づく会式と伝えられている。

地蔵会(じぞうえ) 十輪院

 国宝本堂の広縁に地蔵堤灯を多数つり、本尊地蔵菩薩も照明し障
子等も開放している。法要修行があり、地蔵めぐりする人々で賑わ
う。

帯解子安地蔵会式(おびとけこやすじぞうえしき) 帯解寺

 本尊帯解子安地蔵尊の宝前に、古式にのっとり、百味(百種類)
の御膳を供え多数の僧侶が華籠(けこ)を持ち、読経しながら、本
尊のまわりを行進する。法要が始まると、信徒代表が紅白の岩田帯
を捧持し、地蔵尊の前に進み、腹部に巻き付けて、求子・安産、併
せて家内安全息災延命を祈願する。境内及び門前に多数の夜店が出
て大変なにぎわいである。

解除会(げじょえ) 東大寺大仏殿

 大仏様の前に芽草(ちぐさ)で作った約2mもの芽の輪が設けら
れ、東大寺の僧侶がこれをくぐって、世界一の金堂仏、盧遮那仏に
厄除けの法要が行われる。この輪をくぐれば、本年の悪病から逃れ
ることができるというので、多くの信者や観光客が疫病退散と家内
安全を祈願している。

大仏お身ぬぐい 東大寺

 大仏様の魂を抜く撥遣の法要の後、白装束に身を包んだ僧侶らに
より年に一度行われる、大仏様の御身を清める行事。
 高さ16mもある大仏に、百数十人が大掃除にかかり、天井から
つるしたゴンドラを使い、頭や肩に乗りハタキやホウキで埃を落と
す。仏体から出るほこりはバケツ数十杯にもなるという。

盆踊り 南明寺

 孟盆経(うらぼんきょう)にいわく、「むかし、日蓮尊者の教え
により孟盆供の法要を修して悲母を餓鬼道より救い給へり」また阿
難尊者は「施餓鬼の法を修して焔口悪(えんこうあく)趣を脱し給
へり」とある。そのお陰で供にいた餓鬼共は救われ小踊りして悦び
踊り回ったのが起源として伝えられている。毎年老若男女が楽しげ
に新旧とりまじえての盆踊りが盛大に行われている。

大仏殿万燈供養

 盂蘭盆の一夜、大仏に燈火を御供えして藷霊の供養を祈る万燈供
養会が行われます。当日、午後7時〜午後9時の間、大仏殿の中門
が開かれ、無料参拝ができます。又、大仏殿の窓が開かれ、中門か
ら、大仏様のお顔が拝観できます。

大文字送り火 高円山

 奈良大文字送り火行事は、昭和35年から始められ、今日では、
1月15日の若草山焼きと照応して、夏の火の観光行事として古都
の情緒を世界に示すものである。行事の中心となる「大」の字は宇
宙を意味し、人体にひそむ煩悩の焼却と諸霊に供養する清浄心を表
す。火床が108穴あり、第1画が109メートル、第2画が
164メートル、第3画が128メートルにもなる。

大柳生の太鼓踊り 大柳生町

 大柳生町の氏神、夜支布(やぎゅう)山口神社の分神をまつる賀
当屋(がとうや)の家の庭で、夜8時頃から氏子たちにより盛大な
太鼓踊りが行われる。花餅をつけた紙幣を背にし、胸に小鼓つけた
踊り手が打ち鳴らす太鼓の音にあわせて跳躍乱舞する踊り子は、実
に勇壮である。この踊りは昭和53年3月28日に県の無形民族文
化財の指定をうけている。

地蔵会万燈供養 元興寺極楽坊

 当時には木造千体地蔵や印仏・石仏など数多くの地蔵菩薩が遣わ
されており中世以来庶民の信仰が高かったことを物語っている。会
式は本堂にて地蔵菩薩の供養法を行い境内、浮図田にて万燈供養が
行われ、堂内の知名士による献灯揮毫行灯が点ぜられる。