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緊急特集 景気低迷どうなる日本の住宅

はじめに

日本経済はバブル崩壊以後低迷を続けています。とりわけ最近は、タイバーツの信用不安、韓国経済の破綻、ロシアのルーブル引き下げによる資本主義崩壊と世界情勢に振り回され復興の兆しさえ、見えてきません。

特に住宅産業は平成7年度に消費税切上げに伴う駆け込み特需で、年間生産戸数180万戸を記録したのを境に凋落し始め、平成10年度見込みは118万戸にとどまるのでは、と言う予測もでています。

住宅生産シェアはプレファブメーカーが平成8年に初めて50%台を確保して以降着実にシェアを伸ばしています。

ここ2〜3年の着工戸数の落ち込みは在来工法の個人住宅を主力商品としてきた中小工務店の受注減にほかなりません。

このままの状況が推移すると住宅建設を主力としている工務店や各下請け業者及び、設計事務所は時代に取り残された職業となってしまうでしょう。30年前活気に溢れていた商店街の荒廃してしまった現在の様子見ても想像に難くないはずです。

帽子屋さん、時計屋さん、本屋さん、靴屋さん、傘屋さん、最後まで残っていた衣食住に関係する店までがスーパーやホームセンターにとって代わりました。

手づくりのオリジナリティー溢れる住宅建設はもう必要無く、一部の趣味人が持て囃す伝統工芸となってしまうのでしょうか?

 

この長引く不況は失業率4%台に上昇し、住宅購入層にも深い影を及ぼしています。先日NHKで「リストラに遭い大手企業を早期退職した40代の人が今の就職難に喘いでいる」ドキュメントを放映していました。40才代の希望報酬額は今の生活をギリギリに切り詰めても月40万円は必要です。企業側の提示した条件は月20万円でした。

30才代の人ならば将来の昇給を見込んで飛び込めるでしょう。50才代の人ならば子育てを終え住宅ローンにメドがたち、始末すればなんとかすればやっていけるでしょう。

しかし、人生で一番充実しているはずの40才代の人々が、最も不況に喘いでいるのです。住宅購買層の多くを成していた40代の人々の購買意欲の低下が今回の住宅不況を、より一層深刻化させているのです。金融公庫の利率を2%に下げたところで、何も変わらないと思うのは私だけでしょうか?

 

今の20代の人たちは住宅についてどんな夢を持っているのでしょう。

親の財産をあてに出来ない人は、もう住宅なんて夢の又夢と諦めているのでしょうか35坪の家を坪60万円で建てて2100万円。金利3%25年返済として毎月均等払いで99,585円。300回返済だから延べ返済金額は29,875,500!!

しかも何もメンテナンスしなければ返済が終わる頃には不動産価値はゼロ!!

こんな物に3000万円も投資したのではマイホームの夢が実現した途端に将来の希望が無くなり借金の山だけが残ってしまう…

賃貸住宅に住むのが賢い人生設計なのでしょうか?

以下次号

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