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第10回

◆ローコストハウス
600万円でマイホームを造ろう!

ローコストへの挑戦1
構造を見直す

ローコストハウスを計画する時、念頭に置くのは平面形状です。

階高を同一条件とすれば正方形が外壁の面積が一番少なく

て済みます。

同じ床面積でも極端な長方形やL型・コ型では外壁の面積は

だいぶ変わります。これは外壁材のコストアップだけでなく、

断熱性能や気密性とも大きく関係しますから、住み始めてからの

ランニングコストにも影響がでます。外壁の面積は外壁材と共に

住宅の性能を左右する重要な項目です。

敷地条件や家族構成、予算等の制約で全くの正方形は難しい

ですが、常に頭に入れて計画することが肝要です。

数学的な話をすれば同一面積であれば球体を半分に割ってお

椀を伏せたような形状にするのが外壁面としては最も少なくて済

みますが、建築の場合はアール3倍と云いまして曲面や曲線は

平面や直線のざっと3倍の工賃がかかり、かえって高いモノになります。

内部の間仕切り壁ですが、なるべく1階と2階が揃う様に計画します。

これは2階を支える梁が小さく済むだけでなく、地震力をスムーズに

地上に伝達させる働きを期待するからです。最近は1階に大空間を

設けるLDKタイプの家が増えています。採光窓の基準などから、法的

にも有利になる為、設計事務所も積極的に多用した傾向があります。

しかし、構造的にみれば決して安定とは云えず、いたずらに水平力を

梁に負担させ、力任せに地震力を押え込んだ感が否めません。

意匠的に見てもリビング・ダイニング・キッチンは本来別々の機能を

果たす場所です。広々とした空間が欲しい為にヤミクモにそれらを

つなげてしまうと、常に雑然とした整理の出来ない部屋が出来てしま

います。これでは気兼ねしない親しいお客さえ呼ぶ事も出来ません。

誰もが疎外感を感じない、家族が一体となれる空間を演出すれば、

なにも L・D・Kを一体にする必要は無いはずです。

別な理由で大空間が必要であれば1階に風呂・洗面・個室・納戸

と云った細かく仕切れる部屋を配置して、2階に大空間を持ってくる

べきです。

次号は別な角度から構造を見直します(なるべく早く更新しますスミマセン)

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