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特集 600万円住宅とは?

第5回

◆ローコストハウス

カタツムリ派に贈るケーススタディ。

600万円でマイホームを造ろう!


住宅を造る場合絶対に必要なもの。それは土地です、すでに土地を持っている人は何も考えることはない。と思うのは早計です。今後自分が生活していくうえにその土地が本当にに適しているかじっくり考えることです。

少なくとも家を建ててしまえば10年ぐらいは引越しのチャンスは巡ってきません。転居は景気不景気やライフサイクルを利用して行うのが通常です。

不景気な時に土地を買い景気の良いときに土地を売る。又は結婚するので新居に移る。子どもが小学校に上がる時に引越しする等です。
その辺の人生の節目とも言うべき時期がおおよそ10年間隔ぐらいでやって来るのです。


今所有している土地が本当に自分に相応しいか、少なくとも10年くらいは家移りしなくとも良いかじっくり検討することです。では、何をどう検討するか考えてみましょう。


まず土地の広さ。
決定する要因として家族構成、駐車台数などが上げられます。
「自分のローン返済限度額がコレだけだから30坪ぐらいの土地が限度だろう」と考えるのは本末転倒です。必要坪数がコレだけだからそれ以上の土地をくまなく探すぐらいの心意気が必要です。


まず駐車スペースで気になるのが(新聞チラシの悪影響か)殆どの人が小さめに想定していることです。チラシの場合は住宅を大きく見せるためか、紙面の都合上か、車を小さく描いたものが数多く見うけられます。

クラウンならばL/W/H=4840/1710/1450 有りますから、 通常奥行き6m幅3mぐらいのガレージが必要です。(幅2mでも車は入りますがドアが開きません)最低でも奥行き5.5m幅2.5mはほしいです。

アコードでL/W/H=4636/1695/1420ですから5.0x2.5のスペースが要ります。


軽になるとさすがに小さくライフでL/W/H=3395/1475/1605。4.0x2.0のスペースで収まります。

郊外の住宅は一家に2台がほぼ常識になっていますから、クラウン1台・軽1台として18u+8uで26uは駐車スペースに取られます。しかも境界塀や門扉・クーラー室外機・雨樋・ガスメーター・自転車と駐車スペースと圧迫するものは数多くあります。

次に家族構成に関係無く住宅に必要なもの。玄関・ホール・階段・便所・洗面脱衣・浴室台所等があります。

まず玄関。間口一間奥行き0.75間の0.75坪が良く見うけられます。そこに家族人員の増減で大きさが決まります。玄関は靴以外にも家の中に持って入れないもの(ゴルフバッグ・スキー板・自転車・屋外用掃除道具・園芸道具)の保管場所にもなっています。


これらをすっきり収めないとせっかくの新居も台無しです。
ホールも玄関と同じくらいのスペースが一般的ですそれに続く廊下階段と一体で4坪程度は必要になります。

階段は廻り階段で1坪、直階段で1.5間x0.5間(0.75坪)必要です。原則として階段の上や下には物入れしか取らない事です。プロの建築家の様に平面から立体を読み取る訓練の出来ていない人が階段の上に部屋を持ってくるとまず「ハシゴ」のような階段を造ってしまいます。

次に便所。洋式便所が一般的になっています。幅は0.5間から0.75間、0.75間なら手洗いを取りつけることが出来ます。奥行きは0.75間で充分です1間だとドアをノックされてもドアに手が届きません。ドアの開き勝手は赤ちゃんや老人の介護等を考えても外開きの方が都合良いと思います。バリアフリーで段差を無くすのが流行っていますが内開きだと便所のスリッパをドアの裏側に持って行ってしまいます。

洗面と脱衣は兼用されるのが一般的です。0.75坪〜1坪程度
しかし、洗濯機は特に置く必要はありません、しいてあげれば風呂の残り湯を洗濯に利用しやすい事ぐらいです。むしろ最近は洗面台が大型化する傾向にありバスタオル・手ぬぐいはおろか着替え用下着も一緒に収納してしまう様な棚を設けるべきでしょう。
洗濯機は他の家具の様にインテリアにはなりません。機能一点張りの容姿の為浴室同様リラクゼーションが要求されるようになった洗面所には不似合いな存在になりつつあります。蛇足ですが洗面所の換気扇は邪道です。洗面所を負圧にすると浴室の湿気を呼び込みます。換気扇は浴室に設けるべきです。

浴室。最近は在来工法よりメンテナンスが簡単なユニットバスが人気を呼んでいます。サイズも0.75坪を下限に1.5坪まで大型化する傾向にあります。そして何よりも体を清潔にする空間から心を清浄化する空間に変化していきます。
その為にはどんな浴室を造るかどんな装置を盛り込むか個性が一番現れる空間になりそうです。

台所は単独で設けるか食堂と兼用にするか、はたまた居間も合わせたオープンキッチンにするかで大きさが別れますが、純粋に台所だけとなると間口2間奥行き1.25間の2.5坪程が必要になります。

ざっとここまで9坪〜10坪が必要になってきました。

後は4人家族を想定して 食堂0.75坪/人=3坪 居間1坪/人=4坪
夫婦寝室5坪 個室3坪/人=6坪 納戸(押入含)3坪

全てで30〜31坪が必要となります それに 家事室やホビールーム・書斎と増えて行きますと35〜40坪程度になります
その4割を2階に乗せるとして1階は21〜24坪程度でしょう。都心部の住居系ではけんぺい率が6割の地域が多いですから35坪(≒116u)〜40坪(約132.5u)ガレージを足して150uは必要になります
郊外へ行きますとけんぺい4割の地域が増えてきますから52.5坪(≒174u)〜60坪(≒198.7u){ガレージ含む}が必要になる計算です想像以上に広い土地が必要でしょう。

                   以下次号

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