官能小説・女教師紀子
女教師紀子


第二十一章:背徳の媚薬


「田辺先生、こんにちわ」
「あ、ええ・・・こんにちわ」

私の良く知る一年生と挨拶を交わしても
心はすぐに別の気持ちに摩り替わってしまう。
扉の前で、試案げに何度も往復をしている女教師の顔を
廊下を行き交う生徒達が、怪訝そうに見ながら足早に擦れ違っていく。

「田辺先生・・・・」

待ち焦がれていたその声に、すぐに振り向き応答する私。
「入って、すぐに鍵を開けるからっ」
スカートのポケットの中で握り締めていた生徒指導室の鍵には
うっすらと汗が浮かんでいた。



昨日のあの時・・・保健室にいた三人のうち
一番ショックを受けていたのは、間違いなく一也くんだった。

二人の情事を目の当たりにした誠くんは、保健室に入ると
扉の鍵をかけて、無言で背を向けた。
彼の行動に正気を取り戻した一也くんが私から離れる。
私も、すぐに隣室のベッドに駆け戻ると
身だしなみを整えて二人のいる部屋へ戻った。

それぞれが普段通りの姿に戻って、最初に口を開いたのは誠くんだった。
少し動揺してる口振りだったけれど
私達に、今見た事は誰にも話さないと約束してくれた。
その言葉のお陰で、青白い顔をして立ち尽くしていた一也くんの動揺は
いくらか収まったようだったけれど、握り締めていた両手の震えは
終業のチャイムが鳴る中、三人一緒に保健室を出るまで続いてた。


でも、その後、二人と言葉を交わすことが出来たのは
今日の昼休みになってからだったの。

もちろん、それまでに話し合うチャンスはあったけれど
その日の下校のホームルーム後
職員会議を早めに退席して戻った教室には、二人の姿はなかった。
残っていた生徒によると、一緒に下校したようだった。
そしてその夜、自宅へかけた電話でも
二人とも帰宅しているはずなのに、理由を付けて電話口には出てくれなかった。

私が考えていた以上に、大きなショックだったんだわ・・・。
一也くんにとっては、教師との情事がクラスメートに知られた事で
後悔と責任を強く感じてるだろうし
誠くんにとっても、クラスメートと淫らに交わっている私に対して
蔑みや嫉妬心を強く抱いたのかも知れない。

そして昼休み・・・二人と話し合いをする為に
職員用食堂で早々に昼食を済ませて教室に戻ろうとした時
意外にも廊下で待っていたのは、それまで私を避けてる素振りさえあった
一也くんだったの。



「・・・・先生」

指導室に入って最初に声を出したのは一也くんの方だった。
扉を背にしたまま、か細い声で話し掛ける。

「ごめんなさい・・・僕のせいで・・・僕のせいで、先生を・・・」

心配してた通り、一也くんは強く責任を感じているようだった。
「僕が自制心を持っていなかったから・・・
 あの時、先生の下着姿を妄想してしまったから・・・」
情事のきっかけになった
保健室のベッドで着替えている私の影をカーテン越しに見て
興奮してしまった自分を責める。

「あの時、言わなきゃ良かったんだ・・・先生への気持ち・・・・」
「・・・・一也くん・・・・」

部屋の奥へ足を向けていた私は、扉まで戻ると
うつむいている彼の肩にそっと手を置いた。

「いいのよ・・・一也くんが自分を責める必要はないわ。
 もし、昨日の事が公になって先生が全ての責任を取る事になっても
 悲しんだり恨んだりしないから・・・だって、先生
 あの時、一也くんに告白されて求められて・・・嬉しかったのよ」

頬に優しくキスをすると、一也くんはようやく顔を上げてくれた。

「それに・・・早坂くんも約束してくれたじゃない。
 保健室で見た事は誰にも話さないって」

その時、一也くんの肩が一瞬ピクリと震えたように感じた。
そして、困惑の表情を浮かべて私を見つめる。
「・・・・一也くん??」
「・・・ごめんなさい・・・」
だらりと垂れ下がった両手と同じように、頭も肩もうなだれる。


「最初は断ったんだ・・・でも、彼の気持ちを聞いて、先生を想う気持ちを聞いて
 もし逆に、僕が先生への想いを目の前で壊されたら・・・って考えたら
 きっと冷静でいられない・・・嫉妬して、二人が破滅してもいいって思うかもしれない。
 だから、だから・・・約束しちゃったんだ」

彼との約束?? 彼って誠くんの事・・・よね?

「ご、ごめんなさい! 先生・・・自分が怖くなったからじゃないんだ
 先生が、大好きな紀子先生が学校を辞める事になったら・・・。
 ああ、違うよ・・・やっぱり自分が可愛いんだ・・・!
 先生に会えなくなる事が怖くて・・・だから、あんな約束・・・」

あとは鼻を啜るだけで声にならなかった。

「・・・・一也くん、早坂くんと何を約束したの??」
そんな彼に、精一杯の優しさで語りかける。
「いいわ、先生・・・責任を取るわ。早坂くんを傷付けた事、その約束で償いたい」


どんな約束でも、私は従うつもりだった・・・。

授業中、教え子とアブノーマルなセックスに耽っていた私に
誠くんは「罰」を与えたいと考えているんだわ。
アナルセックスよりも、もっと恥ずべき行為を求めてくるかも知れない・・・。
でも、仕方ないのよ・・・これが、理性では押さえられなかった肉欲の代償なんだわ。
いっそ、罰を受けて立ち直れないくらい悔やんだ方が
私自身の為には、いい事なのかもしれない・・・。

「でも、一也くんが先生を好きでいてくれるのなら
 それは、凄く酷い約束・・・じゃないのでしょう??」

そしてそれ以上に、交わしてしまった約束と私への気遣いに
板ばさみになって悩んでいる子を放っておけないもの。

「・・・う、うん・・・先生、身に着けてる下着・・・僕にください」
「・・・・えっ??」



数ヶ月前だったら、私は声を荒げて一也くんにお説教をしていたはずだった。
でも、それから経験した沢山の恥辱と情事の中で
きっと私自身の貞操の感覚もおかしくなっていたんだわ。
アブノーマルな「罰」を覚悟していた私は
履いてる下着を差し出すという破廉恥な約束にも、内心ホッとしていたの。

だけど、私の驚きの意味を勘違いした一也くんは、ますます萎縮してしまってた。
顔を真っ赤にして、うつむいたまま黙りこくってしまう。
「一也くん・・・??」
「・・・・ご、ごめんなさい・・・・」
一言だけそう言うと、支えを失った人形のように床にペタンと膝をついた。
私も一緒に膝をついて、言葉を掛けようとしたけれど
見るからに意気消沈している彼には、慰めの言葉だけでは効果はなさそうだった。

ひとつ溜息をついて、一也くんに背を向けると
私は思い切ってタイトスカートの裾を腰までたくし上げて
指にストッキングのゴムの部分を引っ掛ける。
そして、後ろにお尻を突き出しながら腰からストッキングを脱ぎ取ると
ショーツの端も指に絡めて、一気に下へと引き降ろした。

脱ぎ降ろす途中、慌てて爪を立ててしまって軽い伝線を作ってしまったけど
これを履くことはもうないのだから、気にせずにそのまま
パンプスを脱いだ足から、素早くストッキングとショーツを抜き取った。
そして靴を履き直して、スカートの裾を元の位置に戻す。
脱ぎたてで生地が少し伸びたストッキングを足先に向けて
ショーツと一緒にロール状に小さく丸める。
さらに両手で押さえ込むと、二枚の下着は
折り畳んだオシボリと同じ大きさまでにまとまった。


「・・・・紀子先生」

下着を手にして振り返った私を、一也くんが驚いた表情で見上げていた。
すぐに目を逸らしたけれど、一部始終は見られてたのかも知れない・・・。
でも、恥らってばかりはいられなかった。

「一也くん、立って・・・約束、これで果たしてちょうだい」

下着を持つ手を前に差し出すと、一也くんはゆっくり立ち上がって
丸まった下着と私の顔を交互に見る。
「これを早坂くんに渡せば、一也くんはもう悩まなくていいのよ」
「・・・・先生」
躊躇いがちに差し出された一也くんの手に、下着を押し付けるように渡す。

「・・・・・・」

受け取った一也くんは、それをすぐにズボンのポケットには押し込まず
両手で大事そうに包み込んだ。
まるで、脱いだばかりでまだ残っている私の体温を感じているかのように。

「か、一也くん・・・早くポケットに収めて」
「あ、はい・・・先生」

もちろん部屋には二人きりだったけれど
感慨深げに下着を見つめる姿に、居たたまれなくなって出た
私の言葉に我に返った一也くんは、ようやく受け取った下着をポケットに入れる。
でも、ポケットから出した手を、そっと自分の鼻に近付ける一也くんに
私は深い違和感を感じて、目を逸らしていた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「早坂君、少し話があるから、教室に残っててくれる??」

ホームルーム終了と同時に、私は教壇の上から誠くんに声を掛けた。
その声は自分で聞いてても硬かったけれど
クラス委員の彼に用事があると、他の生徒達は誤解して
あまり不自然には聞こえなかったみたい。

「はい、分かりました先生」

素直に返事をする誠くんに違和感を感じながらも
私は一旦職員室に戻るため、廊下に出ると背中から声が掛けられた。

「・・・・先生」
振り向くと、一也くんが不安げな顔をして立っている。
「先生、僕は・・・帰ってもいいんでしょうか?」


「ええ、今日はいいわ・・・また明日、会いましょう」

表情を緩めて優しく返事をしても、一也くんのオドオドとした様子は修まらない。
「・・・・宮下くん??」
不安を感じた私が声を掛けると、彼はペコリと頭を下げて早足で教室を後にした。

一也くんの悩みも、私の後悔も・・・今日、決着が付けられるのかしら。

弱気になりそうになる気持ちを奮い立たせて、私も足早に職員室へ向った。



昼休み使った生徒指導室は、二年生の進路相談に使われてて
三つある部屋のどれもが密談には使えなかったけれど
今日の誠くんと話し合うにはもっと相応しい場所がある。

「水泳の個人レッスンだったら嬉しいな」

扉の前まで来て、誠くんは冗談交じりに苦笑する。
「いいえ、先生も覚悟して来たんです」
私の硬い声に、誠くんの冗談はピタリと止まった。
でも、相変わらず表情に余裕の笑みを浮かべて私を見ている。

『清掃済み』の札があるのを確認してから
私は、室内プールの女子更衣室の鍵を開けた。


機能優先の殺風景にロッカーが並ぶ部屋の奥に
簡単な作りの机と椅子が置かれている。

「誠くんは、ここに座って」

硬い表情を崩さないまま、椅子に座るよう促す。
彼が腰を降ろすと、私は立ったままで話を切り出した。

「単刀直入に言うわね・・・昨日の事で、一也くんを巻き込まないで」

自分では精一杯強い口調で言ったつもりだったけれど
誠くんは、私を見上げたまま表情を変えない。
「巻き込むって・・・先生の下着を貰ってくるように言った事??」
さも、約束に関心がないかのように応える。

「そうよ、下着が欲しいのなら直接、私に言いなさい。
 一也くんを巻き込む必要なんてないでしょ!?」
「じゃあ先生、今、ここで貰える?」

ほとんど間をおかず、恥じらいも躊躇いもなく即答した誠くんに
気勢を制せられて、戸惑ってしまう。
でも、覚悟を決めてここへ来たんだもの・・・これくらいで挫けないわよ。

「・・・・い、いいわ。少し、待ってて」
「ここで脱いでよ。ちゃんと現物が欲しいからね」


ロッカーに隠れて脱ごうとした私の手を掴んで
誠くんは、目の前で下着を脱ぐように命じた。
下着を脱いでる間に、誠くんが何かしてくる恐れはあったけれど
「一也くん」と言う人質を取られてる私は従わなければならない。

「いいわよ・・・望むようにしてあげる」

精一杯の強がりで自分を奮い立たせて、私はタイトスカートの中に手を差し込んだ。
女子学生の水泳の着替えのように、スカートを履いたまま指先を頼りに下着を探るけど
セーラー服のフレアスカートと違って、タイトスカートは
手を奥に潜り込ませればそれだけ、裾が捲くれ上がってしまう。

「実は、昨日は紀子先生の綺麗な足が机に隠れてよく見えなかったんだ」

足元に視線を落とすとスカートの裾はもう、太腿の辺りまで捲くれてしまってて
普通のミニスカート以下の丈しか残っていなかった。
誠くんがちょっと身を屈めれば・・・ううん、座っている誠くんからは
もうはっきりと見えてるのかもしれない。

「いつも、これくらいのスカートだったら、クラスのみんなも喜ぶだろうな」

散々弄ばれて、辱められた相手なのに・・・まだ恥ずかしい・・・。
その幼さの残る顔で、瞳で露になった股間を見つめられると
恥辱感背徳感で胸が苦しくなる。

「僕は恵まれてるね。みんなは想像しか出来ないけれど
 僕は目の前で楽しめるんだ・・・憧れの先生の一番エッチな所を」

ダメよ・・・誠くんは言葉で恥辱を煽ろうとしてるんだわ。
耳を貸さなければ、こんな場面、すぐに終わらせられる。
なのに、私、聞き入ってしまってる・・・・。

何度も頭を振って、自分を取り戻すと
ストッキングを摘んでショーツと一緒に無理矢理引き降ろす。
屈んだままじゃ靴が脱ぎ難いのがもどかしい!
でも、少しでも早く、誠くんの視線から逃れたかった。
吸い込まれそうな瞳で見つめられて、スカートの奥に隠していた恥部が
どんどんと熱く焼かれる感覚に捕らわれる。

パンプスを脱ぎ捨てると、バランスを崩しながら
素早く片方ずつ丸めたストッキングから脚を引き抜く。
そして背筋を伸ばすと、両手でスカートの裾を引き降ろした。


きっと、時間はそれほど経っていないはずだけど
脱いでいた時間は、昼休みの数倍にも感じられる。
同じ生徒の前で下着を脱ぐ行為なのに
相手が違うと、羞恥心がこんなに違うなんて・・・。

額に汗を浮かべ、息を弾ませながら
私は手にしたストッキングとショーツを一緒に丸めて机の上に置いた。

「これで満足でしょう・・・誠くんを騙すつもりなんてないもの」
「うん、そうだね。紀子先生は優しいから」

机の上の脱いだばかりの下着を誠くんの手が弄ぶ。
ストッキングの皺を伸ばしながら、その手触りを楽しんでいるよう・・・。
何度も「やめて!」と言いそうになるのを我慢する。
でも、誠くんの指がストッキングの奥に絡まっていたショーツにまで届くと
恥ずかしさに目を伏せてしまった。

「ほんのり暖かいね・・・きっとまだ、先生の匂いも染み込んでるよ」
「ば、ばかな事、言わないでっ!!」

誠くんの挑発的な言葉に、とうとう叫んでしまってた。
毅然と、冷静に話し合うつもりだったのに
ヒステリックに最後の条件を言ってしまう。


「一也くんとの関係は、私自身の問題なの・・・だから、放っておいて!
 もし・・・もし、それが男として許せないのなら、私を好きにしていいわ。
 一也くんのいないここで・・・誠くんと初めてSEXしたここで
 私を・・・紀子を好きなように抱けばいいでしょ!」

冷静になろうとしても、興奮はすぐには収まらない。
自暴自棄になりそうな自分を必死に押さえる。

「先生、僕は別に嫉妬なんてしてないんだけどな・・・」

逆に誠くんは、ひどく落ち着いて私の非難をかわす。
「僕は逆に、彼を応援してあげたいだけなんだ」

「応援って・・・じゃあ、どうして私に直接言えば済む事を
 持って来させる約束なんか、一也くんとしたの!?
 これからも無理を押し付けて、私達を困らせようとしてるのでしょう!」

ああ、落ち着かなきゃ・・・でも、どうしても気持ちが昂ぶってしまう。

「クラスメイトを、勝手に自分の爛れた世界に引き込まないでっ!!」

頭に血が上って、私は教え子に向って酷い言葉を口にしてしまっていた。
でも、誠くんは表情を変えずに静かに反論したの。

「本当に、そう思う? 僕と交わした約束に宮下が本気で困っているって。
 彼は、肉欲で爛れた世界に本当に無縁だと言い切れる??」

「ええ、もちろんよ! 迷惑なはずよっ」
「昼休み、先生が渡した下着・・・僕じゃなくて、彼が持っているとしても?」



「えっ・・・??」
「昼休みに脱いだ先生の下着、彼に渡したんだ」

誠くんの口元に冷笑が浮かぶのに私は気付いた。

「昨日、先生の下着について話をした時、彼、凄く関心を示したから
 気の弱い彼にも先生の下着を手に入れる機会を作ってあげたんだよ」
「まさか・・・一也くん自身が・・・私の下着を欲しがったの?」
「僕が渡したら、凄く喜んでたよ」

「で、でも、それなら一也くんも被害者じゃない!
 それに、好きな女性の下着が欲しいって望んでもそれはまともよ。
 人を玩んで歓ぶ、あなたのオモチャにされてるだけだわ!!」

「じゃあ、紀子先生もそのオモチャで遊んでみる??」


「な、何をするつもりなの・・・」

誠くんは、カバンの中から見覚えのある短い棒状の機械を取り出すと
側面に付いている小さなボタンを押した。
すぐに、はっきりしない篭もった音が零れ出す。

人の声・・・?? そうよ、人の息遣いだわ。
誰の・・・?? 私?・・・ううん、違う男性の声・・・男の子の声。

「あっ! 誠くんっ、イヤ!」
私は両手首に冷たい何かが当たるのを感じた。
その途端、小さな金属音がする。
「さっき、好きにしていいって言ったのは、先生自身ですよ」

二つの金属の輪から伸びた鎖は途中で枝分かれして
机を支える支柱に絡まっている。
誠くんの持つ鍵無しでは、私はこの場から逃れられなくなっていたの。

「でも、手錠なんて使わないでっ!」
「手が使えると、耳を塞いでしまうからね」

私が抗議してる間に、会議などを録音する携帯レコーダーからは
荒い息遣いだけじゃなく、聞き取れる声までもが流れ始めていた。

『・・・・せんせい・・・・のりこ、せんせい・・・・』

この声・・・一也くんなの!?
『せんせい・・・ぁぁ、先生の匂い・・・ぁぁぁ、いいよ』
匂いって・・・何を言ってるの?? どこで何をしてるの!?

首をめぐらせて、誠くんに答えを求める。
でも、私には分かってる、この・・・この言葉の意味
今までに何度も、媚薬のように私の理性を狂わせた
思春期の男の子たちの淫らな行為「今朝、彼に携帯電話を渡したんだ。これからの連絡用にって。
 でも、それは普通の電話じゃなくて、こちらから好きな時に
 マイクで周囲の音を僕の携帯に流すように改造した物なんだ」

誠くんは、レコーダーのボリュームを大きくしていく。

「そうしたら、五時限目の休み時間・・・こんな物が盗れちゃった」


『はぁ、はぁ・・・紀子先生、いい匂いがするよ・・・先生の匂い・・・』
「・・・・かずや、くん、そんな事・・・しないで」

クラスメイトを騙して盗聴する誠くんを責める以前に
私は、信じていた教え子に裏切られたショックで
手錠に繋がれたまま机の上にうな垂れる。

『先生・・・先生の脚が包まれてたストッキング・・・スベスベしてて気持ちいいよ』

一也くんが私のストッキングを玩んでいる・・・。
大人しそうなあの子が、教師の下着でオナニーしようとしてるんだわ。

『先生の脚に・・・太腿に擦り付けてるようだ・・・すぐに出ちゃいそうだよ』

さっきまで、私の爪先からお尻まで包み覆っていた物を
勃起させたペニスに巻き付けながら喘ぐ一也くんの姿が頭の中に浮かんでしまう。
ストッキングをペニスに擦り付ける事で、私の太腿の感触を疑似体験してる・・・。

『先生の太腿にオチン○ンを押し当てながら・・・匂いを嗅ぐね、先生のアソコの匂い』

な、なに? 今度はショーツを弄ぶつもりなの!?
ストッキングと違って秘部に直接覆っていた薄布に顔を埋めてるのねっ
半日履いていた下着に染み付いた匂いを嗅いでる・・・っ!

『オシッコの匂いがするよ・・・紀子先生のオシッコ・・・僕が舐めてあげるっ』

ぁぁ、どうしてそんな事するの!?
匂いを・・・下着に染みたお小水の滴の匂いを嗅いでる・・・っ。
私の汚い物を・・・そんなに興奮して、舐めて悦ぶなんて・・・・!!


「ま、誠くん・・・もう止めて、聞かせないでっ!」
でも、心からの嘆願は届かない。
「僕は下着を渡しただけだからね。こんな使い方を教えてなんかいないよ」

『はぁぁ・・・先生のオシッコの味がする・・・・』

耳を塞ぎたくても、両手は手錠で繋がれていて
レコーダーから流れる、淫らなオナニーの実況は私を打ちのめす。

「僕が爛れた世界に誘わなくても、彼にはその世界に入る素質はありそうだね」
「・・・一也くんが・・・そんな事・・・・」

『紀子先生のオシッコ、美味しいよ・・・もっと、もっと舐めてみたいよ・・・』

「そして、先生自身も嫌いじゃないんでしょ?? こんな変態じみた行為も」
「ぁ・・・っ! イヤっ、誠くん!!」


誠くんは、ショックから立ち直れないでいた私のスカートを捲り上げると
下着を差し出した無防備の下半身を曝した!
そして、背後からお尻を覗き込む。

「下着を脱いだ時から、こうだったんでしょう??」
「イヤぁぁ、見ないで・・・!!」
「僕の視線を感じて、宮下に下着を汚されて・・・興奮したんでしょう?」

いつの間にか、秘部はしたない愛液で潤ってしまってたのは気付いていたの・・・。
身体のどこも愛撫されてはいないのに・・・誠くんが脱いだ下着を弄び始めた時
背筋に熱い官能が走って、じんわりと下半身が火照ってきたと感じた途端
子宮の奥から何かが湧き出して来てしまったの。
ヒステリックに興奮はしていたけど、性的に感じてなんてないはずなのに
太腿を擦り合わせると滴が零れてしまうほど、もうこんなに濡れている・・・。

「僕はまだ何もしてないのに・・・もう、イキそうなの??」
「いやっ、見ないで・・・こんな辱め、もう止めてっ。
 お願い・・・私が欲しいのなら、普通に抱いて! 普通に愛して!!」

一也くんと関わらない代償に、抱かれる覚悟はしてきたけれど
こんな形で、蛇の生殺しのように発情させられるのは嫌だった。
欲しければ、求めればいいのに!
愛情のこもった愛撫で相手を昂ぶらせて・・・愛し合えばいいのにっ!

なのに、コソコソ隠れて
憧れの女教師の下着の匂いを嗅ぎながらオナニーに耽ったり
教え子の視線や声に辱められただけで発情したり
自分が仕掛けた罠に捕らわれた二人を見て満足したり・・・。

こんなの・・・こんな形で性欲を満たす私たち三人とも変なのよ!!
どうして普通でいられないの!?



『きっと、オシッコした後にオマ○コを直接舐めたら
 この味がもっと味わえるんだ・・・・』

手錠に繋がれたまま秘部を濡らす女教師の耳に
容赦なく教え子の変態じみたオナニーの独白が流れ込んでいく・・・!

『舐めたいよ・・・先生のオマ○コ・・・オシッコのまだ付いたオマ○コ!』

「・・・・一也くん、ぁぁ、ダメよ」
情感の篭もった告白に、まるで今
一也くんに股間を覗かれている錯覚に捕らわれてしまう。

『紀子先生のオマ○コを、舌で丁寧に綺麗にしてあげるんだ・・・。
 オマ○コに付いたオシッコを全部舐めてあげると
 今度は僕の唾液で先生のオマ○コがベタベタになっちゃう・・・』

「ぁぁ・・・っ、いやぁ・・・いやぁぁ」
無意識に一也くんの舌から逃れようと、お尻がくねるっ。

『でも構わない・・・僕の唾液でいっぱい濡らして綺麗にしてあげる』

「そんな・・・一也くん・・・そんな・・・っ」

『僕だけがしてあげられるんだ・・・僕だけが
 紀子先生のオマ○コを、お尻の穴を・・・汚いところを全部!』

「紀子の汚いところ・・・全部・・・なの?? 全部、愛してくれるの?」


一也くんの舌から逃れたいはずなのに、お尻が突き出されてしまうの。
まるで、舌の動きを求めるように・・・綺麗にしてもらおうとしてるように
上下に・・・左右に・・・円を描くように・・・淫らに
狂おしくオマ○コをクネらせてしまうの!

「・・・一也くん・・・ぁぁぁ、一也くぅん・・・」

ピチャピチャとショーツを舐める音が、まるで私のアソコを舐める音に聞こえる。
でも、何も感じない・・・アソコに何も押し当てられてないの!
ぁぁあ、欲しいのに・・・こんなに疼いてしまってるのに!!

『その代わり・・・先生のオマ○コもお尻も、僕だけのものだよ!
 僕の唾液が付いてるからね・・・僕の印が付いてるんだ』

「一也くんの印・・・あぁ、もっと・・・もっと確かなものをちょうだい!
 先生、欲しいの! 何もされずに・・・このままなんて!!」

『唾液だけじゃダメだ・・・僕のオシッコをかけてあげる!
 僕の匂いがするように、先生のオマ○コにオシッコをかけてあげるよ!』

そんなっ・・・でも、オシッコでもいい! 今は・・・もう、何でもいいの!!
かけてちょうだい! 一也くんのオシッコ・・・先生のオマ○コに・・・!!

『かけるよ、オシッコ・・・! 僕だけの先生にするためにっ!!』

「して・・・っ! かけてぇぇ!! 一也くんだけの先生にしてぇ〜!!」


「は・・・っ、はぅぅぅ! ぁぁああっ、熱い!!」

限界までお尻を高く掲げて突き出したアソコに、熱い滴が降りかかる!
勢いのついた液体が、愛液と交じり合って太腿に滴る。

「ぁああっ・・・イクぅ! 紀子、イッちゃうぅぅ〜!!」

熱く白濁した意識の中では、アソコに浴びせかけられた滴が
精液なのか、小水なのか・・・
一也くんの物なのか、誠くんの物なのかさえも分からない。

でも・・・淫乱女教師には、それが妄想でも現実でも
教え子に性器を汚されるイメージ官能に満ちた恥辱感と背徳感を生み出し
私は、その甘美な媚薬に
一度果てた後も、長く続く絶頂感に身悶え続けていたの・・・・。






<背徳の媚薬・終>

<次章「越えられない壁」>


<親父の趣味の部屋へ戻る>

<タイトルページへ戻る>