血液検査
検査項目 | 参考 | 高値を示す疾患 | 低値を示す疾患 |
TP | 総タンパク ●基準値: (6.5〜8.3)g/dl |
血液濃縮 脱水 |
・悪性腫瘍 ・吸収不良症候群 ・慢性肝疾患 ・ネフローゼ ・出血 ・蛋白漏出性胃腸症 ・大量の補液 ・ヤケド |
●血清総タンパクは、血漿中の7〜8%を占めている。 毎日約15〜20gが代謝され、同時に新生されてその動的平衡が維持される。 |
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●成分:約100種の成分からなり、主なものは <1>アルブミン <2>免疫グロブリン <3>リポタンパク <4>糖タンパク: <5>補体 <6>血液凝固因子 ●他覚的に[胸水][腹水][浮腫]を認めた場合には必須の検査項目。 肝腎の病態検査には、[総蛋白]と[A/G比]又は[血清蛋白分画]を必ず一度は実施すべきである。 |
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アルブミン (ALB) |
●基準値: (3.8〜5.3)g/dl ●栄養状態の指標となる |
・肝硬変 ・ネフローゼ症候群 ・肝疾患 ・悪性腫瘍 ・甲状腺機能亢進 |
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●血清アルブミンは血漿浸透圧の主たる決定因子であり、数多くの物質を輸送します。 アルブミンの生物学的半減期はおよそ20日なので、急性肝疾患における肝細胞機能の変化を反映しません。参照→「養生」 ●アルブミンは肝臓で合成される分子量69000の小さなタンパク質。 ●血液膠質浸透圧の保持、種々の生体内物質の運搬に働く。 @肝硬変・劇症肝炎などの肝実質障害による合成能低下で減少する。 Aネフローゼ症候群・蛋白漏出性胃腸症など血管外への蛋白漏出で低下する。 B長期の接触不足・栄養不良状態で低下する。 |
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A/G比 (AG) |
●準値:(1.1〜2.3) 「エビリファイ」「ジプレキサ」「タキソテール」 |
高値化はまれ。 | ・アルブミンの減少 ・グロブリンの増加 |
蛋白分画 (ALB) |
高値化はまれ。 | ・低タンパク血症 ・ネフローゼ ・肝硬変 ・肝障害 ・慢性炎症 |
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蛋白分画 (α-1) (A-1) |
・急性炎症 ・慢性炎症 ・低タンパク血症 |
急性肝障害 | |
蛋白分画(α-2) (A-2) |
・ネフローゼ ・急性炎症 |
・低タンパク血症 ・肝障害 |
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蛋白分画 (β) (BET) |
・妊娠 ・溶血 ・ネフローゼ |
・慢性肝障害 ・低タンパク血症 |
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蛋白分画 (γ) (GNM) |
(1)多クローン性: ・慢性肝炎 ・肝硬変 ・自己免疫疾患 ・慢性感染症 ・リンパ増殖性疾患 (2)単クローン性: ・多発性骨髄腫 ・本態性M蛋白血症 ・H鎖病 ・マクログロブリン血症 |
・ネフローゼ ・低タンパク血症 ・低γ-グロブリン血症 ・無γ-グロブリン血症 |
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TTT |
(チモール混濁反応) | 慢性化する急性肝炎 慢性活動性肝炎 甲型肝硬変 閉塞性黄疸で 多発性骨髄腫 |
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ZTT |
(硫酸亜鉛混濁試験) | ||
●基準値: (2.0〜12.0)単位 |
・慢性の炎症 慢性肝炎 肝硬変 結核 ・自己免疫疾患 膠原病 リウマチ ・悪性腫瘍 ・多発性骨髄腫 ・サルコイドーシス |
・閉塞性黄疸 ・タンパク尿を伴う腎疾患 ・悪性高血圧 ・糖尿病 ・高γ-グロブリン血症 |
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●γ-グロブリンと最も良く相関する。 | |||
CPK (CK) |
(クレアチンキナーゼ) ●基準値: (30〜172)IU/l 「アルマール」「メバロチン」「リピトール」「リポバス」「ロレルコ」 |
・筋ジストルフィー ・心筋梗塞: 「心筋梗塞発症後2〜4時間で上昇し、24時間までに最高値に達し、72時間で正常に復する。」 ・脳血管障害急性期 ・甲状腺機能低下症 ・筋肉外傷・筋肉注射 「ジェイゾロフト」「ブロプレス」 |
・全身性エリテマトーデス ・甲状腺機能亢進症 ・ステロイド剤投与 ・長期臥床の患者 |
<1>クレアチンキナーゼは、骨格筋や心筋など興奮性を持つ細胞のエネルギー代謝に重要な役割を果たして いる酵素です。 <2>心筋梗塞、筋ジストロフィー症に必須の検査。 |
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CRTN (Cr) |
(クレアチニン) (血清クレアチニン)正常値: (男)0.65〜1.09mg/dl (女)0.46〜0.82mg/dl |
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LDH |
(血清乳酸脱水素酵素) | ||
●基準値: (180〜450)IU/l 「エビリファイ」「ガスター」「フェルデン」「グルコバイ」「ジェイゾロフト」「ハルナール」「ベイスン」「リピトール」「ロンゲス」「リツキサン」 |
・悪性腫瘍:肺ガン(LDH3) ・悪性貧血 ・悪性リンパ腫 ・肝硬変 ・間質性肺炎 ・急性肝炎 ・劇症肝炎 ・心筋梗塞 ・進行性筋ジストロフィ症 ・腎梗塞 ・多発性筋炎 ・伝染性単核球症 ・肺梗塞 ・特発性間質性肺炎(LDH3) ・白血病 ・皮膚筋炎 ・発作性夜間血色素尿症(PNH) ・溶血性貧血 |
Hサブユニット欠損症 Mサブユニット欠損症 先天性H型LDH欠損症 糖尿病 放射線治療 |
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●検査の目的: <1>肝機能障害の診断 <2>心筋梗塞の経過診断:[発作後10〜14時間、LDH値の異常が続く。] 「GOTより遅く12時間で上昇し始め、48〜72時間でピークに達し、7〜10日間は前値に回復しないので、発症後2日以上経過した心筋梗塞の診断に役立つ。」 |
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AST GOT |
●基準値:(8〜38)IU/l 肝機能検査の1つ 「アルマール」「エビリファイ」「ガスター」「キネダック」「グルコバイ」「ザンタック」「ジェイゾロフト」「セルベックス」「ソレトン」「タガメット」「テグレトール」「トポテシン」「バップフォー」「ハルナール」「フェルデン」「フルカム」「ブロプレス」「ベイスン」「ボルタレン」「ポンタール」「リピトール」「リポバス」「ロキソニン」「ロンゲス」 「GOT値が高い」 |
→「GOT値が高い」 ・急性肝炎 ・慢性肝炎 (GPT>GOT) ・肝硬変 (GPT<GOT) ・脂肪肝 ・アルコール性肝炎 ・肝腫瘍 ・胆汁うっ滞 ・心筋梗塞 ・筋疾患 ・溶血性疾患 ・悪性腫瘍 |
◎GPT・GPT値がともに異常値を示す場合。 ・GPT/GPT>1: アルコール性肝炎や肝硬変を疑う。 ・GPT/GPT<1: ウイルス性肝炎・慢性活動性肝炎・薬物性肝炎が疑われます。 |
ALT GPT |
●基準値: (4〜43)IU/l 「アルマール」「エビリファイ」「ジェイゾロフト」「テグレトール」「トポテシン」「ブロプレス」 |
・急性肝炎 ・慢性肝炎 ・肝硬変 ・脂肪肝 ・アルコール性肝炎 ・肝腫瘍 ・胆汁うっ滞 ・心筋梗塞 ・筋疾患 ・溶血性疾患 |
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●アミノ酸代謝に関する酵素で、ほとんどすべての細胞に存在しているが、特に肝、次いで腎、心筋、骨格筋に多く含まれる。 肝機能検査の1つ |
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CHE | (コリンエステラーゼ) ●基準値: (3500〜8100)IU/l |
・高血圧症 ・甲状腺機能亢進症 ・脂肪肝 ・喘息 ・糖尿病 ・ネフローゼ |
・悪性腫瘍 ・肝ガン ・肝硬変 ・結核 ・粘液水腫 ・白血病 ・貧血 ・慢性肝炎 |
●コリンエステルをコリンと有機酸に加水分解する酵素で、血中ChEの大部分は肝で生合成されるので、その増減は肝実質細胞の機能とほぼ平行する。 ●慢性の肝機能を調べるとき、農薬中毒・栄養障害が疑われる時検査する。 |
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LAP | ●肝では胆管上皮に局在し、閉塞性黄疸・限局性肝病変では胆汁欝滞を反映し、著明高値を示す。 他に、膵頭部ガンでも上昇するが骨疾患では上昇しない。 |
・胆汁欝滞 ・肝腫瘍 ・急性肝炎 ・慢性肝炎 ・肝硬変 ・脂肪肝 ・急性膵炎 ・膵頭部ガン ・妊娠 |
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●検査の目的: <1>肝・胆管系に閉塞性疾患があるかどうか <2>ウイルス感染 <3>血液悪性腫瘍の情報 |
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γ-GTP | ●基準値: (12〜48)IU/l 肝機能検査の1つ 「アルマール」「エビリファイ」「キネダック」「ザンタック」「ソレトン」「テグレトール」「ベイスン」「リピトール」「トポテシン」 |
・アルコール性肝障害 (顕著に上昇) ・薬物性肝障害 ・原発性胆汁性肝硬変 ・肝内胆汁欝滞 (胆汁うっ滞で顕著に上昇する) ・肝外胆管閉塞 (閉塞性疾患で高値を示す) ・急性肝炎 ・脂肪肝 ・慢性活動性肝炎 ・肝硬変 ・肝細胞ガン ・原発性肝ガン ・転移性肝ガン ・胆道ガン ・胆のうガン ・膵頭部ガン ・心筋梗塞: 「発症3〜4日後から上昇し、8〜10日後に最高値に達し、3〜4週間で正常値に戻る。 ・薬物投与: 1.トランキライザー 2.バルビタール |
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●細胞膜に強く結合した内在性の糖蛋白。 ●腎臓に多く存在し、ついで膵臓、肝、胆道である。 <1>ALPと比較的よく相関する。 <2>「アルコール性肝障害」や「薬物投与」で上昇、「転移性肝ガン」でも上昇する。 ●アルコールや睡眠薬の服用などで肝細胞が壊れたり、結石・腫瘍などで胆管がつまったりすると血液中に出てくる。 |
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ALP |
(アルカリホスファターゼ) | ||
●基準値: (110〜354)IU/l ●検査の目的: <1>肝疾患 <2>骨疾患 <3>悪性腫瘍の肝・骨転移が予想されるとき。 ●B型やO型の人が脂肪の多い食事をすると血液中に増加する。 →亜鉛 「エビリファイ」「テグレトール」 |
・急性肝炎(ALP2) ・慢性肝炎 ・肝硬変(ALP5、ALP2) ・閉塞性黄疸: 胆管結石 ・乳頭部ガン ・転移性骨腫瘍 ・骨軟化症 ・くる病 ・Peget病(ALP3) ・副甲状腺機能亢進症 ・骨や肝に転移した肺ガン:「脊椎転移癌」 「トポテシン」「ノルバスク」「ベイスン」 |
「ALP1」: 閉塞性黄疸(T型) 転移性肝ガン(T型) 肝細胞ガン(T'型) 「ALP2」: 肝炎、肝硬変 「ALP3」: 骨転移ガン、クル病、骨軟化症、副甲状腺機能亢進症、Peget病。 「ALP4」: 肺ガン、膵ガン、白血病。 「ALP5」: 肝硬変。 「ALP6」: 潰瘍性大腸炎の極期。 |
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◎血中ALPは、各臓器内でのALPの生成亢進を示す。そこでALPアイソザイムの分析を行うと肝性・骨性・ガン由来などの鑑別が可能になる。 |
総ビリルビン TBL |
「ガスター」「ジェイゾロフト」 | ・肝細胞障害性黄疸 ・閉塞性黄疸 ・Dubin-Johnson症候群 ・Rotor型過ビリルビン血症 |
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直接 ビリルビン DBL |
「ジェイゾロフト」 | ・肝疾患: (急性肝炎、肝硬変・劇症肝炎・肝ガン・脂肪肝) ・Dnbin-Johnson症候群 ・細胆管性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、重症感染症による黄疸 ・閉塞性黄疸: (胆石症、悪性腫瘍による胆道閉塞・・・) ・レプトスピラ病 ・伝染性単核症 ・膵頭部ガン |
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間接 ビリルビン |
●血中のビリルビンは老化した赤血球が破壊され、その中に含まれるヘモグロビンが代謝して作られます。このビリルビンはアルブミンを結合し、間接ビ リルビンと呼ばれ、溶血疾患で増加します。 | ・先天性溶血性疾患、 ・後天性溶血性疾患、 ・悪性貧血、 ・慢性骨髄性白血病 ・ ポルフィリア。 ・薬剤による競合・中毒、 ・新生児黄疸、 ・Crigier-Najjar症候群 ・Gilbert症候群。 |
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●間接ビリルビンは肝細胞膜でアルブミンと離れ、肝細胞に取り込まれ UDP-glucuronyltransferaseの作用によりグルグロン酸などと結合(グルグロンサン抱 合)し、水溶性の直接ビリルビン(抱合型ビリルビン)になり、胆汁と共に胆 管を経て腸へ排泄されます。 | |||
中性脂肪 | 「アルマール」「ガスモチン」「セレクトール」「プロスタール」 | ||
LDL コレステロール |
●基準値: (70〜139)mg/dl |
「ノルバスク」「リュープリン」 | |
TCH | (総コレステロール) ●基準値: (130〜219)mg/dl 「エビリファイ」「セルベックス」 |
・糖尿病 ・甲状腺機能低下症 ・ネフローゼ症候群 ・胆道閉塞 ・骨髄腫 ・悪性腫瘍 ・ステロイド剤の長期投与 ・原発性高コレステロール血症 ・続発性コレステロール血症 「ジェイゾロフト」「ノルバスク」「フルイトラン」「ブロプレス」「リュープリン」 |
・本態性低コレステロール血症 ・無β-リポタンパク血症 ・低β-リポタンパク血症 ・α-リポタンパク欠損症 ・続発性コレステロール血症: 1.肝疾患 2.甲状腺機能亢進症 |
<1>細胞はコレステロールなしには作れない。 <2>生体が必要とするコレステロールはかなり多く、食物から摂れる量では半分にも満たない。不足分は肝臓で作られている。そして、このコレステロールを作る過程で活性酸素が発生する。 参照→「養生」 |
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HDL コ レ ス テ ロ | ル (HDL-C) |
●基準値: (40〜90)mg/dl コレステロール値が高い |
・家族性高HDL血症 ・高ビリルビン血症 ・長寿症候群 ・運動によって |
・低HDL血症 ・Tangier病 ・高脂血症 ・肝障害 ・腎不全 ・肥満 ・糖尿病 ・虚血性血管障害:脳梗塞 ・薬物: 1.エストロゲン 2.インスリン 3.ステロイド ・>喫煙 ・コーヒー 「ベイスン」 |
●肝臓で作られて末梢組織へ運ばれたコレステロールのうち、余分なものを再び肝臓に戻す役割を担っている。 ●HDL値が高いほど狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患の発症率が低い。 |
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動脈硬化指数 | ●基準値:4.0以下 | ||
βLP | (β-リポ蛋白) |
・家族性高脂血症 ・甲状腺機能亢進症 ・胆石症 ・糖尿病 ・動脈硬化症 ・肥満 ・ネフローゼ |
・激症肝炎 ・肝硬変 ・甲状腺機能低下症 ・無β-リポタンパク血症 |
グルコース (血漿) (血糖値) (PGLU) |
●血中のグルコースの供給は、肝臓での新生と、消化管から吸収される。一方、筋・脳・赤血球などで需要される。 ●検査は尿糖陽性あるいは糖尿病の疑いがあるときに必須。 →BS 「リピトール」 |
・褐色細胞種 ・肝硬変 ・クッシング症候群 ・グルカゴノーマ ・原発性アルドステロン症 ・心筋梗塞 ・先端巨大症 ・ソマトスタチノーマ ・糖尿病 ・慢性膵炎 |
・ACTH単独欠損症 ・アジソン病 ・インスリン・血糖降下剤の投与 ・インスリン自己免疫症候群 ・下垂体前葉機能低下症 ・肝硬変 ・肝ガン ・簡葉系腫瘍 ・グルカゴン欠損症 ・新生児低血糖症 ・低血糖: 反応性 ロイシン過敏性 ・糖原病 ・プロラクチン分泌腫瘍 |
HbA1c | 「リピトール」 | ||
リ パ | ゼ (LIP) |
●上腹部痛や背部痛などがあって膵炎を疑うときに検査する。 | ・イレウス ・急性膵炎(70〜100%) ・慢性膵炎 ・膵仮性嚢胞 ・膵ガン ・胆道結石 ・胆嚢炎 ・消化性潰瘍 ・腹膜炎 ・肝疾患 ・腎不全 |
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血清 アミラ-ゼ (S-AMY) |
(アミラーゼ[AMY]) ●検査の目的: 膵疾患の疑いがあるとき。 唾液腺疾患を疑うとき。 卵巣・卵管疾患を疑うとき。 悪性腫瘍の一部。 「リピトール」 |
・急性膵炎 ・慢性膵炎 ・胆石 ・耳下腺炎 ・特発性唾液腺型アミラーゼ血中貯留症 ・マクロアミラーゼ血症 ・肝障害 ・腎不全 ・アミラーゼ産生腫瘍: 1.肺の腫瘍 2.卵巣腫瘍 3.卵管腫瘍 4.悪性中皮腫 |
・慢性膵炎の末期 ・膵ガンの末期 |
BUN |
尿素窒素 ●基準値: 8.0〜22.0mg/dl 参照→腎臓病 「アルダクトンA」「グリミクロン」「ソレトン」「テグレトール」「バップフォー」「フルカム」「ブロプレス」「メバロチン」「リピトール」「リポバス」「ロキソニン」「ロレルコ」「リツキサン」 |
(1)腎性: ・急性腎炎 ・慢性腎炎 ・尿毒症 ・ネフローゼ症候群 (一般にBUNはあまり上昇しないが、尿細管の障害に糸球体障害が加わると著明に上昇する) ・腎盂腎炎 ・腎結石 ・腎梗塞 ・腎腫瘍 ・腎硬化症 ・腎奇形 (2)腎前性(腎外性): BUN/クレアチニン比をチェックすること。 BUN/Cr>10: 腎外性因子を考える。 BUN/Cr<10: 腎性因子を考える。 ・脱水症 ・高熱 ・鬱血性心不全 ・ショック ・広範囲の火傷 ・消化管出血 ・糖尿病性アシドーシス ・腸閉塞 (3)腎後性: ・尿路結石 ・尿路腫瘍 ・前立腺肥大症 ・前立腺ガン ・アミロイドーシス: BUNの増加と同時にタンパク分画に異常がある。 |
・肝不全 ・尿崩症 ・妊娠晩期 ・リポイドネフローシス ・先端巨大症 ・中毒性肝炎 ・急性黄色肝萎縮 |
ク レ ア チ ニ ン CRE |
参照→腎臓病 ●基準値: 0.6〜0.9 |
・急性糸球体腎炎 ・慢性糸球体腎炎 ・急性腎不全 ・慢性腎不全 ・鬱血性心不全 ・ショック ・出血 ・火傷 ・脱水症 ・先端巨大症 ・巨人症 |
・筋ジストロフィー症 ・尿崩症 |
UA | 尿酸 UA ●基準値: 2.6〜5.6 |
・痛風: 1.産生過剰型痛風 2.排泄低下型痛風 3.混合型痛風 ・白血病 ・悪性リンパ腫 ・溶血性貧血 ・糖尿病 ・糖尿病性ケトアシドーシス ・腎障害:腎不全 ・薬物投与による副作用: 1.抗悪性腫瘍剤 2.チアジド利尿剤の投与 3.プロテアーゼ阻害剤(HIVの治療薬) ・PRPP合成酵素異常症 ・Lesch-Nyhan症候群 |
・キサンチン尿症 ・シスチン尿症 ・重症肝障害 ・気管支肺ガン ・重金属中毒 ・Fanconi症候群 ・Hodgkin病 ・PRPP合成酵素欠損症 ・Wilson病 ・薬剤使用による副作用: 1.サルチル酸製剤 2.ステロイドホルモン使用中 |
Na |
ナトリウム ●基準値: (135〜150)mEq/l ●体液中のナトリウム(Na)とカリウム(K)は、それぞれ細胞外液および内液の陽イオンの主成分として存在し、 <1>共通の生理機能-として: (1)水の分布 (2)浸透圧の調節 (3)酸塩基平衡の維持 <2>さらに(K)は (1)筋収縮 (2)神経伝達に重要な役割をしている。 ●血清Naの調節:主として腎で行われる。尿細管におけるNaと水の再吸収量で決定される。この調節にアルドステロンと抗利尿ホルモンが関与する。 |
(1)腎外からの水分喪失: ・発汗、発熱 ・腎性尿崩症 (2)腎からの水分喪失: ・尿崩症、 ・浸透圧利尿薬の服用(ex.マニトール) (3)大量のNa負荷: 大量の高張液輸液 (4)水分摂取の不足: ・.乳児 ・昏睡状態 ・マヒ患者 ・嚥下障害 ・本態性高Na血症 |
(1)水分過剰: ・浮腫: 1.心不全による浮腫: 2.肝硬変による浮腫 3.栄養障害による浮腫 ・内分泌疾患: 1.原発性アルドステロン症 2.輸液過誤 ・ADH不適合分泌症候群 腹水 (心不全・肝硬変・ネフローゼ) (2)塩分喪失: ・塩分喪失性腎炎 ・アジソン病 ・利尿剤の長期大量投与 ・嘔吐 ・下痢 (3)仮性低ナリウム血症: ・血清脂質増加 ・血清タンパク増加 ・腎不全(急性・慢性) ・慢性副腎機能不全症 ・下垂体前葉機能不全症 ・抗利尿ホルモンの波状産生: 1.甲状腺機能低下症 2.脳腫瘍 3.肺疾患 ・薬物投与: 1.サイアザイド系利尿剤 2.フロセマイド 3.ゲンタマイシン 4.ポリミキシンB 5.ピンクリスチン 6.トリブタマイド |
Cl クロール |
●基準値: (98〜110)mEq/l |
・クロールの過剰投与 ・脱水症 ・呼吸性アルカローシス ・過換気症候群 ・脳炎 ・尿細管アシドーシス ・腎盂腎炎 ・慢性腎炎によるCl排泄量の減少 ・腸管吻合術 ・ダイアモックス投与 |
・クロール摂取不足 ・水分過剰投与 ・消化液喪失 ・アジソン・アルドステロン症 ・慢性腎炎 ・慢性腎盂腎炎でクロールの喪失 ・水銀利尿剤の投与 ・呼吸性アシドーシス: 1.肺気腫 2.肺炎 3.呼吸中枢障害 |
K |
カリウム ●基準値: (3.5〜5.3)mEq/l |
・乏尿 ・飢餓 ・発熱 ・糖尿病性アシドーシス ・アジソン病 ・カルチノイド症候群 ・21-ヒドロキシラーゼ完全欠損症 ・副甲状腺機能亢進症 ・高度の腎不全 ・脱水 ・高K血性四肢麻痺 ・慢性閉塞性肺疾患 ・先天性溶血性貧血 ・保存血輸血 ・利尿剤の投与: 1.スピロニラクトン 2.トリアムテレン 3.高張マニトール投与 「ブロプレス」 |
・腎不全(急性・慢性) ・嘔吐・下痢 ・クッシング症候群 ・アルドステロン症: 1.原発性 2.続発性 3.偽性 ・薬物の長期服用: 1.ACTH 2.ステロイド 3.利尿剤:臨床上よく見られる。 4.下剤 ・先天性副腎過形成 ・肝硬変 ・心不全: ・胃腸障害 ・筋無力症 ・Fanconi症候群 ・家族性周期性四肢麻痺 ・大量のブドウ糖を投与 ・飢餓 ・栄養不良によるK摂取障害 ・バーター症候群 |
![]() ![]() ![]() ![]() (1)神経系の伝達機能が悪くなり、筋肉の興奮性が減少し、筋肉の収縮・弛緩の調整がうまくいかなくなりますことがあります。 (2)二日酔いの際、疲れやすくなります。 (3)腸での蠕動運動が悪くなります。 (4)むくみの原因となり、心臓発作になりやすくなります。 (5)慢性疲労・高血圧・発育不良などを引き起こします。 |
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Ca |
カルシウム ●基準値: (8.4〜10.2)mg/dl |
・骨代謝の変化・破壊: ・悪性腫瘍: (HHM) (LOH) ・悪性腫瘍の骨転移 ・白血病 ・悪性リンパ腫 ・異所性副甲状腺機能亢進症 ・甲状腺機能亢進症 ・多発性骨髄腫 ・副甲状腺機能亢進症 ・アジソン病 「フルイトラン」 |
(1)副甲状腺ホルモン不足: 術後性副甲状腺機能低下症 特発性副甲状腺機能低下症 偽性副甲状腺機能低下症 (2)腎疾患: ・腎不全 ・尿細管性アシドーシス ・Fanconi症候群 (3)ビタミンD欠乏・合成障害及び受容体機能異常: ・くる病 ・骨軟化症 ・ビタミンD欠乏症 ・ビタミンD依存症 (4)腸管吸収不全: 吸収不良症候群 (5)中毒: 抗ケイレン剤中毒 クエン酸中毒 |
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無機リン IP |
・副甲状腺機能低下症 (特発性・偽性・術後) ・先端巨大症 ・甲状腺機能亢進症 |
・原発性副甲状腺機能亢進症 ・ビタミンD欠乏症 ・ビタミンD依存症 ・Fanconi症候群 ・特発性低リン血症 ・細尿管性アシドーシス |
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鉄 Fe 血清鉄 |
●正常値: (男)60〜210μg/dl (女)50〜160μg/dl |
肝硬変 急性肝炎(実質臓器の崩壊) 巨赤芽球性貧血(無効造血) 骨髄形成不全症候群 再生不良性貧血(造血能の低下) サラセミア 赤白血病 鉄芽球性貧血 ヘモクロマトーシス(貯蔵鉄の増加) ヘモジデローシス(貯蔵鉄の増加) 溶血性貧血(溶血) |
悪性腫瘍(鉄動員障害) 鉄欠乏性貧血(貯蔵鉄の減少) 真性多血症(造血能亢進) 慢性関節リウマチ(鉄動員障害) 「リピトール」 |
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Mg | マグネシウム ヘモクロマトーシス |
・急性腎不全の乏尿期 ・慢性腎不全 ・薬剤投与: ビタミンD Mg剤 ・アジソン病 ・ウイルス肝炎 ・ネフローゼ ・慢性腎炎 ・本態性高血圧症 ・甲状腺機能低下症 ・周期性四肢麻痺 |
・急性腎不全の多尿期 ・慢性腎不全の多尿期 ・慢性腎盂腎炎 ・尿細管性アシドーシス ・Barter症候群 ・吸収不良性症候群 ・アルコール中毒 ・ループ利尿剤投与 ・糖尿病性ケトアシドーシス ・原発性アルドステロン症 ・甲状腺機能亢進症 ・副甲状腺機能亢進症 ・膵炎 ・急性腸炎 ・消化管瘻 ・薬物の投与: 水銀利尿剤 ゲンタマイシン ・下剤 ・慢性アルコール中毒 ・妊娠・授乳 ・飢餓 ・その他: 1.家族性腎性Mg喪失症 2.慢性肝炎 3.肝硬変 4.妊娠後期 5.充血性心不全 6.尿毒症 7.テタニー |
リン脂質 PL |
・閉塞性黄疸 ・甲状腺機能低下症 ・糖尿病 ・ネフローゼ症候群 ・骨髄腫 ・家族性高リポタンパク血症 |
・重症肝実質障害 ・重症貧血 ・白血病 |
遊離 脂肪酸 |
・糖尿病 ・肥満症 ・甲状腺機能亢進症 ・クッシング症候群 ・先端巨大症 ・褐色細胞腫 ・心筋梗塞 ・肝硬変 ・急性膵炎 ・von Gierke病 ・飢餓 |
・インスリノーマ ・甲状腺機能低下症 ・下垂体機能低下症 ・アジソン病 |
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CRP |
(C反応性タンパク) 「ブロプレス」「リツキサン」 |
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RF | (リウマチ因子) RFは、慢性関節リウマチ(RA)患者の血清中に高頻度で出現するIgGのFc部分に対する自己抗体のことです。 |
・膠原病: 1.SLE 2.Sjogren症候群(シェーグレン症状群) 3.強皮症 ・細菌性心内膜炎 ・腫瘍 ・変形性脊椎症 ・慢性関節リウマチ ・慢性肝炎・肝硬変などの肝疾患 ・老齢 |
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健常人のRFはIgG以外の種々のタンパクにも反応するpolyactiveな抗体ですが、慢性関節リウマチ患者由来のRFはpolyactiveなもの以外にIgGFcのみに反応するmonoactiveなものが存在します。このmonoactiveなRFは、polyactiveなものに比べ、IgGFcに対する反応が約100倍高い。 ただし、RAでも常にRFが検出されない『seronegative RA』も存在します。 また健常人でも陽性反応する(2%程度)ことがあります。」 |
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BNP |
●基準値: (18.4以下)pg/ml ● 基準値:「18.4以下」 |
・本態性高血圧症 ・慢性心不全 ・慢性腎不全 ・ネフローゼ ・肝硬変 ・妊娠中毒症 ・甲状腺機能亢進症 ・原発性アルドステロン症 ・クッシング症候群 ・SIADH ・発作性頻拍症 |
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抗核抗体 ANA |
●正常値:陰性 「アデカット」「カプトプリル」 |
SLE (全身性エリテマトーデス) RA(慢性関節リウマチ) PSS(汎発性強皮症) シェーグレン症候群 進行性全身性硬化症 多発性筋炎 混合性結合織病 レイノー症候群 橋本病 原発性胆汁性肝硬変 慢性活動性肝炎 血液疾患: (CML) (悪性リンパ腫) (IAHA) (伝染性単核症) (悪性貧血) 悪性腫瘍 重症筋無力症 |
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![]() 関節痛・皮膚症状などがあり、膠原病やリウマチ性疾患が疑われる場合、若い女性などでは必須の第一次検査です。 陽性が確認されるとaFANA染色型に対応した特異抗体の検査へと進む。 |
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白血球数 (WBC) |
●白血球はすべて運動能を有する。 ●正常値: 4000〜8000/mm3。 |
感染症(細菌):化膿性炎症 心筋梗塞 白血病、 悪性リンパ腫 中毒 造血器疾患 真性多血症 クッシング症候群 出血 不適合輸血 激しい運動後に見られる白血球数増加は主として停滞プールからの動員による |
感染症(ウイルス) 無顆粒球症 SLE 悪性貧血 血液疾患 感冒 麻疹 流行性肝炎 腸チフス 再生不良性貧血 骨髄線維症 Banti症候群 アナフィラキシー様ショック 放射線照射、抗悪性腫瘍剤投与時には減少に要注意。 亜硝酸ナトリウム(解毒剤)投与時。 抗腫瘍剤の長期投与 薬剤アレルギー: (サルファ剤) (抗生物質) (解熱剤) (鎮痙剤) (抗甲状腺剤) 「リツキサン」 |
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![]() 細菌や異物などが体内に侵入して起こる炎症や、白血病などの血液疾患の診断などの経過観察にも用いられるスクリーニング検査である。一般に炎症性疾患や血液系悪性腫瘍で増加を示し、骨髄抑制の状態では減少する。 ![]() ![]() 感染症治療時に、抗生物質投与の用量設定や硬化判定の指標になる。→血液 |
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ESR | 赤血球沈降速度→血液 | ||||||||||||||
PLT | 血小板数→血液 | 「フルイトラン」「トポテシン」「リツキサン」 | |||||||||||||
RBC | 赤血球数→血液 | ||||||||||||||
ACTH | 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH) | ||||||||||||||
ChE | |||||||||||||||
TSH | 甲状腺刺激ホルモン | ||||||||||||||
アルドステロン | |||||||||||||||
テストステロン | |||||||||||||||
腫瘍 マーカー |
・ADA(ガン性胸膜炎) ・AFP(α-フェトプロテイン)肝細胞ガン ・BCA225 ・CEA ・CA125 ・CA19-9 ・CA130 ・DUPAN-2 ・IAP ・PAP(前立腺ホスファターゼ) ・POA(膵ガン胎児抗原) |