漢詩・日本編
松島(釈 南山)
寒梅(新島 襄)
望海(藤井 竹外)
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松島 釈 南山
天 衆 各 天 松
下 美 一 下 島
無 帰 方 有 釈
山 松 美 山 南
水 州 縦 水 山
《読み》
てんか、さんすいあり
おのおの、いっぽうの、びを、ほしいままにす
しゅうび、しょうしゅうにきす
てんか、さんすいなし
天下の名勝、松島の素晴らしさを詠った詩
寒梅 新島 襄
自 不 笑 庭 寒
占 争 侵 上 梅
百 又 風 一 新
花 不 雪 寒 島
魁 力 開 梅 襄
《読み》
ていじょうの、いちかんばい
わらって、ふうせつをおかしてひらく
あらそわず、また、つとめず
おのずから、ひゃっかの、さきがけをしむ
花のない寒い冬の庭に、何よりも早く咲く寒梅は、
さみしい庭に一番早く咲いてくれる春を告げるような花です。
望海 藤井 竹外
忽 追 無 鵬 望
觸 風 人 際 海
巉 狂 之 晴
礁 浪 島 開 藤
砕 如 定 九 井
作 奔 何 萬 竹
烟 馬 邊 天 外
《読み》
ほうさいはれひらく、きゅうまんのてん
むじんのしまは、さだめていずれのへんなる
かぜをおうきょうろう、ほんばのごとく
たちまち、ざんしょうにふれて、くだけてけむりとなる
藤井竹外(1807〜1866)の代表作の一つ。
無限に広がる雄大な海を望み、風をはらんだ荒波が
礁に押し寄せて砕け散る様をよく著わしており、
競吟でもよく吟じられている。