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詩吟の音階
[基本音階]
詩吟の音階は洋音階でいうと、ミ ファ ラ シ ド が基本になっています。
例外的に レ を使う場合がありますが、 ソ を使うことは普通ありません。
(これを陰音階というのに対し、流派によっては、陽音階として ソ を使う例も残っているようです。※1を参照)
[相対音階]
また、詩吟は、吟じる人の声の高さに合わせた相対的な音階を使用します。
上の図では、鍵盤の下部に音階が記入されていますがこの音階は、声の高さがピアノの
音階と同じ高さの場合の例です。
ピアノの音階と同じ高さで吟じる場合の高さを「8本」と呼んでいます。(上図Gの部分)
この8本よりも高かったり、低かったりする人はその声の高さに会わせて半音ずつ音階を
ずらしていきます。
すなわち、「6本」の音階で吟ずる人は「ミ」よりも半音で2つぶん低い「レ」の音を基本音
の「ミ」として音階を合わせます。(全部の音を半音2つ分ずつずらしていきます)
だいたい、女性の場合で5本から10本の高さで吟じられ、男性の場合は5本以下の
高さで吟じられます。
10本よりも高い人もおられると思いますが、その場合は、11本、12本...と上がっていきます。
また、1本よりも低い人は、水1本、水2本と呼んでいます。
(この、『水』というのは、「水面下」という意味でしょうか?)
私の場合は声が低いので、1本で吟じています。その時の音階は下のようになります。
※1masakiさんから以下のご指摘をいただきました。
詩吟の音階は三つあります。
1)ミを主音とする陰旋法(レソ抜きの短調)、
2)ソを主音とする陽旋法(ファシ抜きの長調)、
3)ラを主音とするファシ抜きの陰旋法。
3)は私が所属する流派(岳精流)では、3)は
俳句に使用されます。最近の詩吟ではファシ抜きの
陽旋法は殆ど使用されていません。それが私に
は残念なのです。もしも、陽旋法をご存じなければ
一度この音階で吟じてみてください。
また、別の感じがします。特に陽気な詩には適して
います。いずれにしても規制は緩和されるべきです。
詩吟は陰旋法に限るという考えには反対なのです。
最近のコンダクターには陰旋法と陽旋法を切り替え
られるものがあります。
ですから詩吟界において陽旋法が無視されている訳
でもないと思います。