’98 ブラックプール全英選手権(’98 British Open)  

                                    


残念ながら、私達は決勝どころか、最終予選(5次予選)ベスト24
で終わってしまいました。

改めて世界の力を痛感しているところです。出発前は、準決勝は確実で
ひょっとしたら決勝もとたかをくくっておりましたが、なんのことは
ない、準決勝に及ばずでした。

今回、シニアモダンチャンピオンシップスには去年より40組も増え
213組のエントリーでした。4年ぶりのブラックプールは、懐かし
くもありました。

ブラックプールダンスフェステイバルの初日は、シニアモダンとライジ
ングスターラテンからはじまりますが、シニアモダンは、一次予選が
12時半から始まり、2次3:45、3次6:20、4次8:25
、5次9:50、準決勝10:55、決勝11:29です。

そして、去年のベスト24は3次予選から、ベスト48は2次予選から
踊ります。夜の部、3次からはバンド演奏で、審査員も交代して、雰囲気
ががらりと変わります。

私達は今から考えると失敗でしたが、3日間踊っていなかったので、
当日の朝の練習時間で一時間がんがん練習し、さらに一次予選、2次
予選も審査員に好印象を与えようと、フルパワーで踊ったのですが
(何のことはない夜から交代)あんのじょう、4次予選あたりから足が
つりだし5次予選では、右腕までつりだしざんざんでした。
(あの程度でつるんじゃーだめだよーと、先生にいわれてしまいました
がとくに田中先生はなんでつるのーと不思議がっていましたが)

選手のレベルとしては、私のみた感じでは、昨年のベスト24のシード
選手のいない、一次、2次は、日本のCからDクラスくらいの感じで、ヒー
ト毎にときおり数組はっとする選手がいるくらいでしたが、夜の部から、選
手のレベルが極端にあがり、全く違う競技会のようになりました。

望月さんも途中でこりゃー、去年よりレベルが相当あがってるなー、ドイツの
連中シニアに力いれてるからねー、といっていました。

200組中30組くらいはあきらかに、ねらっている連中で、この層の選手
のレベルは全員本戦の夜の部は確実に踊れるレベルでした。

5次予選が終わってしょんぼり準決勝、決勝とみましたが、うーんこれは
すごい、特に決勝はすごかったです。ドイツ3組、イタリア一組、日本一組
英国一組で、イタリアと若い4位のドイツの組の踊りなど、すごーいの一言
です。正直言って、全員日本のアマチャンピオンをはるかに越えたレベルと
感じました。

改めて望月組の偉大さを感じ入りました。踊りも日本での踊りとだいぶ違い
ます。そして全英は、ある程度のキャリヤも必要だなー、と感じたところです。
望月さんは日本人も、35になったらすぐにシニアねらわないと、ますますチ
ャンス無くなるよといっていたのが印象的でした。準決勝では、選手がどの国か
らきてるのかアービンがコールするのですが、ジャパンツーと言われたら心強
かったのー、と残念がっていただきました。

来年は私達はベスト24なので、夜からゆっくり踊れるので、スタミナ的にも
有利であり、また挑戦しようと思っています。先生が、200組中、ベスト24
に残ったんだからよしとしなきゃー、って言ってくれました、まー3年計画くら
いでやらなきゃー全英はなかなかむずかしそうです。途中田中先生もひょこっと
控え室に来てくれ、いろいろアドバイスしていただき、まー準決勝は確実だから、
そこが勝負だよと言ってくれたんですが−−−−。(明日はコングレスがあるか
ら勉強するから帰ると10時くらいに帰られました。去年の3位までの選手がレ
クチャーをします)

全英はぽっと出は、だめだというのがよくわかりました。昨年の世界選手権の
3位、5位のオランダとテェテェンの選手もベスト24でとまっており、やはり
ドイツ、英国、イタリアの強い選手が全部出てくる、全英はきついなー、と痛感
した次第です。

今回ひょっとしたら決勝もと内心おもっていた自分に、おごりがあり、今回の
結果は自分におごりがあったためと深く反省した次第です。

まーあのエンブレスボールルームの夜の部で、しかもバンドの演奏で、3回も踊
れたんだからよしとしなければいけないのかもしれません。でもあのバンドはほ
んとに踊りやすいです。それにあの独特の雰囲気、これぞ、ボールルームダンス競
技会の神髄という雰囲気、(会場、観客、演奏)、最高です。あれを味わうとやめ
られない毎年来たくなっちゃうというのはほんとですね。ビルアービンの司会、あ
のthannk you!をサンキョッというのも、かわってないですね。特に観客は、踊り
終わるたびに拍手があります。やししさがあります。

まー今回は、私達は残念な結果に終わりましたが、良い経験になりました。改めて
環境のゆるすかぎり、再挑戦しようと思っています。

付記

競技会が終わってすぐ次の日に帰りましたのでみなさまの期待するそのほかの競技
会の報告はできませんが、当日のライジングラテンはベスト24に、北条組以外に
布川組、二宮組が残っており、とくに二宮組はヨーロッパ組に十分対抗できる雰囲
気がありすぐに目に入ってきました。ほかに中国のカップルが一組入っていました。

雑  感

★テスト

ブラックプールの昼の予選は、司会が(今回はグリーブ)何回もアナウンスで
言うのには、テストという表現をしていました。夜の部からが本戦で、昼の予
選は、その夜に出る資格があるかどうかのテストである、ということなのでし
ょうか。シード組が出てくる、夜からが、本戦なのです。バンドも入り、観客
も正装して、たくさん入り、雰囲気ががらりと変わります。

★控え室

日本人は着替えるときに、椅子がないと、床にものを敷いて座りますが、これは
日本のカップルだけでした。私達の周りは、ドイツ語、イタリア後が飛び交い、
また例によって女性がすっぽんぽんで着替えるので、目のやり場に困ります。

★ブラックプール

ブラックプールは、英国中部の、日本ででいえば熱海のような保養地ですが、
たくさんのレジャー施設(遊園地、カジノ、ボーリング、)が点在しそれらを
取り囲んでをフラットや、B&Bが立ち並んでいます。そのシンボルとして、ブ
ラックプールタワーと呼ばれている巨大な鉄塔があります。このタワーは、およ
そ100年前にたてられており、ブラックプールダンスフェステバルが開催され
るウインターガーデンも、100年前に建築された、巨大な総合レジャー施設
です。エンブレスボールルームも、イギリス最大のオペラハウスで、100年前
からこんな施設ができていたなんて、さすが大英帝国。

ただ日本の保養地と違うのは、英国どこでもそうかもしれませんが、いわゆる
男性相手の歓楽街が見あたらないことです。家族で楽しむ場所という感じ。
老夫婦が海岸を、なにをするともなく、手をつないで散歩していたりします。

★気候

今回、気候はとても暖かくて、天気が良く、さわやかでした。でも宿の若主人
アンソニーによると、それまですごく寒かったそうです。
例によって、Tシャツか、半袖のシャツ姿、ジャンバー(セーター)姿まで、
服装は千差万別。彼らは脂肪が厚いのか、寒さに強いですね。でも夜10時過ぎ
まで、外が明るいのは、ほんと不思議です。

★大会のプログラム

毎回、このブラックプールダンスフェスチバルの、プログラムは厚さ2.5cm
くらいの冊子になっています。そのなかで有力選手も自費で広告を出しているの
ですがほとんんどの選手の広告が自分の写真程度なのに、ルッカ組の広告が、傑作
でした。2 become 1 とだけ、書いているのです。みんなこの広告をみ
て、わらったでしょうね。

★フラット

プロの選手の方々は、約10日間滞在するので、ウインターガーデンの周りにある
会場にできるだけ近い、フラットに宿をとります。ロンドンから、自炊道具持参で
移動します。そうですね。ブラックプールは、大部分の日本の選手にとって、競技
というより楽しみ、enjoyの対象みたいです。

★日本の旅行会社が目を付けている?

当地のクリフトンという一流ホテルのロビーで、旅行会社の方が盛んに、来年の宿
泊契約を交渉していました。日本からのこの時期の、B&Bやプライベートホテル
は、日本人には不向きなんでしょうね。シャルウイダンスもいよいよ英国で公開さ
れるそうで、日本からどんどん観客が押し寄せるのかなー。

★パビリオン

今回も、ダンスファッションやシューズの見本市がウインターガーデンの中で開かれ
ていました。4年前よりかなり大規模になっています。でも物価がかなり上がったせ
いか、ドレスを英国で購入するメリットが少なくなっている感じでした。

★シニアチャンピオンシップス

いわゆる大人の競技会という感じで、30代後半から40代のカップルのとてもアダル
トな雰囲気いっぱいです。みんなとても落ち着いた感じです。がきっぽさがないです
ね。一組の子供達が、選手が連れてきているのでしょう、会場の絨毯に寝ころんで、
しきりにテレビゲームをしていたりしますが、親にいいつけられたのか、上がる組の
コールがあるとき、プログラムで一生懸命番号をチェックしていたのが微笑ましかっ
たです。

でも結構そうとうな年輩の方もちらほらおられたりして、ブラックプールで毎年踊る
ことを楽しみにしている感じに満ちあふれていました。