第四回世界選手権シニアスタンダード
(4th World Snior Championships '97)ドイツ Worfsburg 1997.3.15


                     
   
                      英国ダンス新聞に掲載

 3月15日独WOLFSBURGにて開催された世界選手権シニアスタンダードにいって参りました。 おかげさまで、6位入賞することができました。場所はドイツ北部のHanoverから東に60kmほどのwolfsburgという町で、ここは世界的に有名なドイツの自動車メーカーVolkswagenの発祥の地とのことであります。 オーガナイザーはWolfsburugに近いBraunschweigという町のダンススポーツクラブで、このクラブは、世界2位のFormationDanceTeamを持っていることで有名で、今回もこのチームによるデモンストレーションが競技の間にありました。参加国は24ヶ国、一カ国2名で計44組出場していました。欧州がほとんどですが珍しい国では南アフリカ、チェチェン、リトアニア、エストニアの国が参加し英国はWALESとENGLANDに分かれて参加していました。

<参 加 国>
ドイツ、オランダ、チェチェン、イタリア、エストニア、リトアニア、オーストラリア、ロシア、ベルギー、スイス、アイルランド、スペイン、デンマーク、フィンランド、イングランド、ウエールズ、スウェーデン、アメリカ、南アフリカ、フランス、スコットランド、ノルエー、オーストリア、日本

 職場の都合で5日間しか休暇が取れなっかっったので実質現地は二泊で、前日に主催者が用意してくれたホテルに入り、当日は朝10時半から練習開始、一次予選は13時40分からで、リダンス形式で上位20組を残して、残り24組から4組を選出するという形式でした。残った24組により夜の部で最終予選、セミファイナル、ファイナルと続きます。会場は非常に雰囲気のいいところで、夜会的であり、生バンドが入り、観客はテーブルを囲んでワインや食事を楽しみながら、観戦しています。また決勝が始まるのは夜の11時頃であり、その前にいろいろなダンスショウや、ダンスタイムがあり、観客はゆったりと楽しんでいました。

また、毎回思うのですがヨーロッパのコンペでは観客の反応が正直で、気に入った選手が近づいてきたり、いい踊りをすると拍手をしてくれます。だいたいドイツ人は日本人びいきで今回私たちもかなり拍手をうけ、感激しました。また苦手なタンゴが受けたのが意外でした。(しかし決勝で足がつったときの踊りは拍手がありません。)
また他国の選手からも、おまえのタンゴはいい、とか、おまえたちはTHE BEST COUPLEだとか声をかけてきます。祝福の仕方が粋であり、表彰が終わるとそこら中の人が握手やキスをしてくるし、おめでとうと声をかけてくれますので感動しました。

3年前の第一回世界シニアスタンダードの時より、かなりレベルがあがっており、試合前の練習の時など、これは ひょっとしたら一次予選も危ないのではと思ったほどです。

 ヨーロッパ勢を中心に30代の若手を送り込んできており各国の選手は成績を取りに来ている雰囲気がひしひしと感じられました。
いわゆる日本のシニアのコンペとはかなり違ったものであり、うかうかしていると日本がファイナルに入れる余裕はなくなってくるかもしれません。
というのはヨーロッパではだいたい5歳ぐらいからダンスを始めてアマチュアの場合20〜25歳くらいでピークを迎えてしまいます。従ってダンスの場合35歳以上をシニアとしたようです。しかしシニアは結構人気であり、35歳になるとシニアでがんばるんだというカップルも多いそうで、アマチュアオープンで成績がセミファイナルくらいの選手が35歳に達すると今度はシニアチャンピオンをねらうのがはやりみたいになっているそうです。

 私の日本での日頃の成績が全日本のセミファイナルクラスなのに、なぜシニアのコンペに出るのだというかたもいらっしゃいましたが、欧州では以上のような事情なのです。

      <入 賞 者>
1位 Dr. Hans-juergen Burger and Ulrike Burger-Hesemann GERMANY
2位 Bernd and Menika Kiefler GERMANY
3位 Ed and Trudy van Uden NETHRLANDS(オランダ)
4位 Virgilio Garcia and Edith Vandenwouwer BELGIUM(ベルギー)
5位 Rostislav Filgas and Jana Filgasva CZECH(チェチェン)
6位 Takeki&Eiko Matsumura JAPAN


 今回1、2、3位までの選手はブラックプールのアマチュア全英オープンで(シニアの方ではありません)セミファイナルに入ったことのある選手で、4位は最終予選組(24組)とのことです。また今回セミファイナルだったENGLANDの選手も最終予選組とのことであり、よく私を決勝に残してくれたものだと正直思います。

 ENGLANDの選手は、コーチを連れてきており、今回私がファイナルに入ったことが大変悔しかったようで、ブラックプールにこないのかと聞かれました。返り討ちをしたかったようです。
欧州の選手の踊りはプレゼンテーションが感じられ、なんといったらいいか体型のせいもあって立体感があり、音楽性がどのカップルにも感じられました。またどのパートナーも自分のパートをしっかりと踊っている印象を受けました。

なお優勝したドイツのDr.Buruger夫妻は大応援団を引き連れており、主に子供たちにダンスを教えているとのことで、表彰の後たくさんの子供たちに囲まれて祝福を受けておりほほえましい光景でした。
ドイツではプロのダンス教師が非常に少なくレッスンがとれないので、アマチュアのトップ選手にコーチを受ける場合が多いとのことです、

 決勝直前で二人とも足ががつってしまって、十分足が使えず、大変悔しい思いをしました。 Waltzでは完全に二人とも足がつりながら踊り、途中でやめようかと思ったほどです。後で聞いた話ですが、ドイツのオリバー先生のパートナーがたまたま見に来ていて、あの日本人は準決勝までは非常によかったけれども、決勝で少し疲れたのかなといっていたそうで、もう少し上までいくと思ったと言っていたそうです。足がつりさえしなければと思ったのですが、いいわけです。調整不足でした。パートナーはホテルに帰ってからも、つりが収まらず、おなかの方まできて一時はどうなることかと思いました。

今回デュッセルドルフに駐在している、機械メーカー勤務の元LACDアマチュア選手石橋夫妻が応援に駆けつけてくれ写真やビデオをとっていただき助かりました。彼等はドイツでも競技会に出場しているといっておられました。

以上のような経緯で、日の丸こそは揚げられられませんでしたが(3位以上は国旗掲揚)、何とか決勝入りを果たし大役を果たせたような気がします。今回送り出して頂いたLACD役員、及び全LACD会員の方々に深く感謝いたしますとともに報告とさせていただきます。