弓道八節、第七節「離れ」

全日本弓道連盟、弓道教本第一巻より抜粋

「会」が完成されると「離れ」が生ずる。「離れ」は発射である。
すなわち体の中筋(なかすじ)から左右に開くよぷに伸張し、気合い
の発動とともに矢が離れていく状態をいう。
「会」と「離れ」は、「会者定離」という仏教語から転用されたと云
われるように不離一体のもので、会では力がまとまり、充実して、
一本の矢に移され、「離れ」を生ずるのである。
したがって「離れ」は自然の離れでなくてはならない。

離すのではなく、離されるのでもない。
これをたとえていえば、葉末にたまった雨露が自然に地に落ちる----
すなわち、機が熟して自然に離れるものでなければならない。

注、
一、縦横十文字に組み合った基本体を堅持し、伸合いののち胸の中筋
  から左右に割れるように離れなければならない。
  弓手の離れ、右手離れ(めてばなれ)、伸合いのない合わせ離れ
  など手先の技巧で離してはならない。
二、離れは軽妙(軽快にして妙味のある)でなければならないと云わ
  れている。
  軽妙な離れは手先の力では生じない。技の働きと気力の充実によ
  って気合いの発動により内面的な爆発力によって生ずる。
全日本弓道連盟、弓道教本第二巻より抜粋

自然の離れを体得することは、射を行うものの修行の眼目である。
言葉を換えて言えば、その離れの時機を修練によって体得しなければ、射の
精確向上はあり得ない。
そこで離れの時期として、

一、相応の矢束を不足なく引き納め
二、ねらいも前後上下なく正しく的につき
三、頬付(口割)に高低厚薄なく
四、左手.右手の納まりにも遅速なく
五、伸合いは左手.右手とも矢と一直線に長短なく

この五ツが一致することが必要条件で、この一致を欠くとき、大切な離れの
時機をためらうことになり、その結果は自然の離れとなってあらわれない。
(浦上 栄 範士)

[教歌]
よく引きて、引な抱えよたもたずと、
      放れを弓に、知せばしすな(大和流)
1)足踏み 2)胴造り 3)弓構え 4)打起し 5)引分け 6)会 8)残心(残身)