KCN-Netpressアーカイブス

人と心とふれあいと
Vol.13

 

軽やかに、荘重に紡ぎ出す音の響き



ピアニスト
吉田はるみさん
吉田さんが7年間のドイツ留学から帰国してほどなく開いたコンサートの印象が忘れられません。まるでドイツの空気が運ばれたような荘重なブラームスでした。音楽には不案内でもその感じだけは伝わったのでした。

 それから約10年、吉田さんは奈良に拠点を置いて、さまざまな演奏活動を展開中。ある時は軽やかにある時は重々しく、曲想に応じて響く音は多くの人を魅了します。


 「ドイツはどんなに小さな町でも劇場とオーケストラがあって、そこに巨匠が当たり前に来るんです。1時間も電車に乗って演奏会に行くなんて、余程専門に勉強している人なんです。住んでいる所に文化的なものがあるのが普通というのを見てきましたから、帰国しても奈良を拠点にしたいと思いました」。

 今、楽しみに取り組んでいるのが霊山寺で1年に数回のサロンコンサートです。「これは霊山寺の奥様が、生活の中に溶け込んだ憩いのひとときを音楽で過ごしていただきたい、と思ってくださっていたことから実現したんです。霊山寺は、帰国後の初演がこちらの本堂だったというご縁があるんです。その時の印象は強烈で感動しました。

 今回のサロンコンサートは長く続けたいし、私のこだわりもあってバッハ平均律を1番から順に弾いています。ピアノは守備範囲の広い楽器ですから、ゲストを迎えて他の楽器とのセッションも楽しんでいます。

 8月のコンサートではサックス奏者を迎え、夏にちなんでガーシュインの『サマータイム』をと企画しています」。奈良はもとよりその活動は、古くからの友人でもあるケルン放送交響楽団首席フルーティスト、ミヒャエル・ファウストさんとの共演を東京で開くなど各地に及びます。初めて出会った時から、ずっと妖精のような雰囲気を漂わせる不思議な女性です。

【催し】吉田はるみピアノサロン in 霊山寺
第5回 晩夏〜醒めやらぬ熱き想い〜
日時/8月28日(土)18時30分開演
場所/霊山寺天龍閣
会費/3,000円
問い合わせ/0742-45-0081



人と心とふれあいとメニューページ / TOPページ