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〜大掃除〜 年積月、師走、12月。平成15年もあとわずかとなりました。日々の過ぎ去るのが早いと感じるのは歳のせいなのでしょうか、社会全体が忙しくなっているからでしょうか。早いといえば、地球が太陽のまわりを回る公転の速度をご存じでしょうか。計算によると一日258万km、時速にして約10万km、秒速では約30kmにもなるそうです。地球上に住む私たちには揺るがない大地として、その早さを実感することはないのは不思議ですが、ものすごいスピードで回っているのですね。ちなみに地球の自転も計算によると赤道付近で1秒間に460kmだそうです。公転に比べるとずいぶんゆっくりですが、これだって音速よりも早いのですから、驚きます。太古から地球は忙しくまわり続けている独楽のような星なのですね。地球はともかく地上に生きる私たちはもっと地に足をつけて、ゆったりと過ごしたいものです。

 新年を迎える準備はさまざまですが、大掃除も重要な仕事のひとつです。昔は煤払いとして12月13日に朝廷や幕府でも行った年中行事のひとつの儀式でもあったようです。唐招提寺では15日、薬師寺では29日にお身拭いが行われますが、これもこの名残でしょうか。年賀状書き、お歳暮などなどただでさえ忙しい季節ですが、家はもちろん心に積もった一年の塵を払って、清々しいお正月を迎えたいものです。

 大和では12月17日に行われる「おん祭り」が新年の仕度始めとなっていたようです。昭和30年代ころまで、東部山間に住む家々ではおん祭りの見物の時に奈良の町へ出てきて、帰りにお正月のための買い物を整えていたとか。

 おん祭りといえば、時代行列が注目されますが、17日の真夜中に行われるご遷行の儀、一度は参加したい厳粛なお祀りです。午前0時、全ての灯りを消し去った漆黒の闇の中を神様が春日大社若宮からお旅所までお移りになります。榊で囲まれた神様は神官や巫女に守られ、うぉーという神様の出御を知らせる敬蹕(けいひつ)の連呼と共にゆっくりと進みます。點々とした森にこだまするうぉーという声、神官たちの足音、まるで森が動くようなこの時は古代に舞い戻ったような感じがして、おもわず身震いするほどの感動です。無事お旅所にお着きになった神様へさまざまな芸能が披露されて奈良の夜は明け方まで華やぎに包まれます。今年の12月17日は水曜日なのでなかなか参加し辛いかも知れませんが機会を作ってみては如何でしょうか。

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12 月 師走
朱雀門
メールにもちょっと時候の挨拶
「もう12月、時間が加速度をつけて過ぎていく感じです。」
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「クリスマスと聞いて“焦るなあ”と感じるようになったのはいつからかしら。プレゼントを貰う方からあげる方になった時から・・・かな。」
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「一度くらい新年を旅先でと思うのですが、家でのお屠蘇も捨てがたく、やはりお節料理の買い出しをすることになりそう。」
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「札幌へ行ってきましたが、クリスマスの似合う町ですね。奈良が似合うのはお正月かしら。」
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「先行きが見えない世の中だけに育てた花が咲いたりすると、とっても嬉しくなります。来年はもっとガーデニングに力を入れよう。」