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納得店描

納得店描 vol.19

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壹(いち )

官庁街にお屋敷が並ぶ一角に開店した蕎麦処。
広い敷地にある蔵を改造しての店内は、母家の建て替えの時に取っておいた檜の床、お洒落な欄間、懐かしい照明ガラスや電灯のスイッチなどを生かした品のいいたたずまいです。

入り口のランプ、換気口は鍛金作家の娘婿が、使い勝手と雰囲気のいい下駄 箱や椅子は娘作。店主石田勝彦さんは信州飯山の出身で蕎麦には慣れ親しんで育ったのだとか。

第二の人生のスタートに「人とのつながりを蕎麦で」と綿密に計画を立て、家族の思いを寄せ合っての開店は、上々の滑り出し。石臼で挽き立ての粉を宅急便で取り寄せ、その日の温度や湿度を肌で感じつつ蕎麦を打ちます。丁寧な仕事ぶりは、きっかり味わいとなって錬磨の蕎麦通 も納得の由。

「有名無名、いろんな蕎麦を食べましたが、私は自分の蕎麦を打ちたい」とのことです。喉ごしと香りの絶妙な折り合いは味わってみるほかないのでは。
奈良市登大路町5-3 TEL 0742-22-6123
営業11時〜3時30分  日・月曜休



つる由

知る人ぞ知るの懐石料理店が新大宮から奈良町に移り、木の香も清々しく席数も増えての開店。

狭い間口から誘われて戸を引き、奈良らしい奥行き深い店内に歩みを進めると、まずは檜一枚板のカウンター、奥にはテーブル席、さらには座敷が3室も続くという具合です。肌のあたりもやわらかなカウンターに座れば仕立てられていく料理の技も楽しみのうち。

金沢随一という料理店で修行をした店主が「おいしいものを、おいしいようにお出しするだけ」とはなかなかの言。

何気ない一品にきちんとした味のしつらいが行き届くのは嬉しいこと。つてがあればこその北陸の食材と腕とセンスが響き合っての料理は目に彩 、口に美味。素直な心意気が料理に生きるとっておきのお店です。

昼は3,500円から、夜は7,000円から。予約をしてからお出かけください。

奈良市脇戸町22ー1 TEL 0742-26-7798
営業12時〜14時、17時〜21時30分



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