ジャズと目刺しと「黄色いにんじん」

　コーヒーと東向き商店街にある地下劇場への階段を下りた突き当たりの喫茶店は、ドアを開けるとコーヒーの良い香りと低く流れるジャズに包まれます。壁に並ぶたくさんの時代がかった古い時計、いつ頃のものでしょう、底光りする醤油屋の看板を使ってのテーブル、砂糖入れも灰皿も何もかもが使い込まれた温かさで、座っていると心がゆるゆる解けてきます。
何も考えないでぼんやりしていると、たちまち時間が逆に流れて慌ただしい日常が消えてしまう不思議なお店です。珈琲のおいしさは勿論ですが、付いてくる一匹の目刺しもことのほかの味なんです。目刺しをかじりながらの珈琲、かなり素敵。目刺し付のブレンド珈琲は400円。

奈良市東向南21（地下劇場入り口）
*電話はありません。
営業 昼頃〜22時頃　水曜休

時間を忘れてくつろぐなら「エル・ムンド」

　東向北商店街を奈良女子大に向かって歩くと、一階の古本屋の横に細い階段があって、とんとんと上るとエルムンド。扉を開けるとすぐにカウンター、その向こうにテーブル席がある。窓際のテーブル席からは、通りを行き交う人が見え、それを上から眺めているだけでも、何か独特の楽しい気分。店内にはクラシック音楽が流れていきす。
オーディオに詳しい女主人のいる時はＬＰレコードも聴ける。香しい珈琲は深い味わいで、文庫本を読む人、道行く人をじっと見下ろす人、音楽に聞き入る人など自分の時間をゆったり過ごしているみたい。 友達と一緒でも静かな話しぶりなのはこのお店の落ち着いた雰囲気のせいでしょう。
なかなかいい感じです。