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納得店描

納得店描 vol.24

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コクと旨味に こだわれば・・・

宮滝醤油

 万葉の故地として知られる吉野宮滝で代々醤油醸造を営む宮滝醤油店は、昔ながらの手作りを今
に伝え継いでいる老舗です。
年に一度、1月から2月の寒の頃に集中して仕込みを行います。これは空気中の雑菌が少なく、良い麹を作るのに適しているからだそうです。百年も使われている吉野杉の大樽は今も現役、ここに住み着いた菌が活躍して独得の味と香り、コクと旨味を調合しているのでしょうか。
発酵も自然の気温の中ですから、年によって味に微妙な差も生まれます。  天然本醸造(900・瓶入り750円)はもとより、通常1年で絞る醤油に再度麹を仕込に更に1年寝かせた「舌つづみ」 (600・1100円)の深い味わいは忘れられません。 醤油の元である味噌ももちろん手作り(500・400円から)。
リユースできる瓶だけを使い続けているという姿勢にも拍手。全国発送、予約すれば工場見学にも応じてくだざいます。宮滝を訪ねた折りにはぜひ立ち寄ってみてください。

■営業時間 8時〜18時 無休
■吉野郡吉野町宮滝262の2 TEL07463-2-3206




向出醤油

 天平式八脚門としては法隆寺東大寺門とともにここだけに残るという貴重な遺構、転害門。
度々の兵火にも免れ、東大寺創建当時の面影を今に伝える門の近くにある老舗の醤油店は、構えも堂々として古い家並みの中でもひときわ目を惹きます。店に入ると醤油の匂いがしっかりと漂っています。伺った日は仕込みの最中。麹室では締まっていく麹をほぐす“手入れ”に神経を集中させている時でした。香ばしく炒った麦が潰されていたり、醤油蔵は全体が緊張と活気に溢れます。創業は明治12年といいますから、100年以上も変わることのない人の手と感覚で作られてきた醤油は、仕込み桶で1年から1年半も寝かせます。
一夏を越し、じっくり発酵熟成した醤油は旨味、香り、品のいい甘味もあって、一度使うと大量生産のものとの違いに驚いてしまうほど。日々の料理に欠かせない割に、案外手近なもので済ませることも多いのですが、冷や奴やお浸しの味がぐんと違うのですから、 一見(一味?)の価値有りです。 最低2年はかかる再仕込み国内産丸大豆使用「宝扇」は720・735円(税込み)、一般的な料理用「宝扇」1.8・530円。使った後、一輪挿しとしても楽しめる古代壺(2合)入り「宝扇」1200円。

■営業時間 9時〜19時 不定休
■奈良市手貝町22の1 TEL0742-22-2306


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