三葉虫のモデル図(左面:背面 右面:腹側)
まず、三葉虫を頭を上にして、左右に見てください。
中央を走る軸と左右に分かれた房状の部分がありますね。
これが、三葉虫(Trilobite=Tri(三つの)+lob(葉、房)+-ite(石))の名の元になっています。
(前後にも三つに分かれていますが、このためにこの名があるためではありません。それなら例えばトンボでも頭部・胸部・腹部があるので、彼らも”三葉虫”になってしまいます。(本当は”昆虫類”ですが。))
ところで、この三葉虫の中央の軸状のところは「中軸」(axial lobe)、左右の房状のところは「側葉」(pleural
lobe)とよばれています。
三葉虫のからだについての詳細は、「三葉虫のからだ」を見てください。
まず始めに(来館者の方々に)おききしますが、あなたは生きている三葉虫をみたことがありますか?(私はありません。)
と、いうことは現在は生存していないと言うことです。ではいつ頃いたのでしょうか?地質時代で言うとカンブリア紀前期(約5億7500万年前)からペルム紀(二畳紀)末(約2億4500万年前)まで生息していました。
現生のカブトガニ類は、幼生時に”三葉虫期”と呼ばれる段階をもち、また成体も三葉虫に似た形態をしています。(過去のものは、現生のものより更に三葉虫にそっくりです。詳しくは光楯類をご覧ください。)そのため、三葉虫は彼らと近縁な動物だと考えられています。が、甲殻類のなかにも彼らとそっくりなカシラエビ類という一群があり、それらとの類縁についても論議されています。
現在、約1,500属10,000種が発見されています。(まだ見つかっていない種もあるでしょう。なので、今後も増え続けるでせう。)
これまでに、三葉虫の化石は海成層(海で堆積してできた岩石)の地層からしか、みつかっていません。なので彼らは海洋で生活していたのでしょう。(汽水域及び淡水域からはまったく見つかっていません。)海のなかでは磯のところや外洋など広範囲に分布していたようです。また生活様式も海底の基層の中に潜むもの、海底面を這いまわるもの、浮遊生活あるいは遊泳生活をおこなうものなど、いろいろいたようです。
三葉虫の化石は日本でも多く見つかっています(約120種以上)。地質時代的にはシルル紀〜ペルム紀で、世界では三葉虫の退潮期といえる時期に日本にいたようです。