三葉虫に似たカブトガニ 「光楯類(アグラスピス類)」



分類:節足動物門腿口綱光楯目
地質時代分布:カンブリア紀中期(M.Cam)〜オルドヴィス紀後期(U.Ord)
主な種:アグラスピス・エアトニィ [Aglaspis eatoni] (U.Cam)
     ベックウィチア [Beckwithia spp.] (M.Cam)
     パラエオメルス・ハミルトニィ [Palaeomerus hamiltoni](L.Cam)
     ネオストラボプス [Neostrabops spp.](U.Ord)



  Aglaspis eatoni(左図)及びPalaeomerus hamiltoni(右図)[古生物学U及び古生態図集を改写]

  まず、図をみてください。三葉虫にしては変な形をしていますね。まるで、三葉虫の尻に剣がついているようです。これは三葉虫の一種ではなく、カブトガニの祖先に近縁な化石動物、「光楯類」です。彼らのからだは1対の単眼と単肢形の6対の付属肢(三葉虫の場合は1対の触覚と3対の二肢形の付属肢)をもつ頭部と、12節の可動式の胴節、及び剣尾からなっています。また、この仲間の最古の種パラエオメルス・ハミルトニィ [Palaeomerus hamiltoni]はカブトガニのような特徴とともに、ウミサソリ類(古生代にのみ生存していた節足動物の分類群。)の特徴もあわせもっており、この両者の祖先と目されています。