古生代前半の海の王者 「ウミサソリ類」



分類:節足動物門腿口綱広翼目
地質時代分布:オルドヴィス紀(初期(L.Ord)〜ペルム紀(Per)
主な種:プテリゴトゥス・アングリクス [Pterygotus ahglicus]
    プテリゴトゥス・レナニアエ [Pterygotus rhenaniae]
    カルシノソーマ・スコーピオニス [Carcinosoma scopionis]
    ユーリプテルス・フィッチェリ [Eurypterus fischeri]
    スティロヌルス・エクセスシォ [Stylonurus exelsior]


遊泳型ウミサソリ [Pterygotus sp](左上)と匍匐型ウミサソリ[Stylonurus sp](右上]

  三葉虫と近縁とされる節足動物である鋏角類には、現生種もいるカブトガニ類・蜘蛛(クモ)類・サソリ類・ウミグモ類がありますが、それ以外にも絶滅した分類群がいくつか存在します。そのなかのひとつがここで紹介するウミサソリ類[Euryptterids]です。彼らは三葉虫に近縁な光楯類[Aglaspids]の中より進化しデヴォン紀には最盛期をむかえました。体長は2.3mに達したものいますが多くは5〜10p程度のものが多かったようです。
 彼らは頭胸部に6対の脚をもち、うち第1対目の脚は鋏になっていることが多く(鋏角類の共通特徴)、遊泳性の種では最後部の脚が遊泳用の鰭脚になっていました。胴部の脚はカブトガニ同様呼吸用の鰓脚、「鰓書」になっており、体の最後部は剣尾あるいは尾鰭状になっていました。
 彼らは海から淡水域と広範囲の環境に適応していたようですが、多くのものは淡水域か河口付近の汽水環境を好んでいたようです。