コンタクトレンズ長期使用時の目への影響


C007

ご質問

コンタクトレンズを今しているのですが、もしもこの先ずっと着用するとして40年経ったとしても、目に影響はないのでしょうか。

 

回答

コンタクトレンズは慎重に扱わないと、角膜炎(角膜とは黒目)が発生する可能性が指摘されています。私のホームページの記事をご覧になってご質問いただいたのだとと思います。この記事は、世界中で高い権威があるイギリス医学雑誌ランセットの論文をもとにした記事です。論文にある注意事項をまとめると次のようになります。 

いくら高分子化学技術が進歩しても、角膜に対して全く無影響なコンタクトレンズ用材料を作ることは困難だと思います。つまり角膜に対して、コンタクトレンズは基本的に異物になるのです。できるだけ影響が少なくなるよう、また影響が出始める時間が長くなるよう技術開発が行われていますが、やはり困難なため、定期的な消毒・洗浄や交換が必要になっているのが現状です。また手入れの際は、手指や爪を清潔に保つ必要もあります。 

特にコンタクトレンズは、角膜上にある涙の上に乗っているので、涙が少ない人(ドライアイ)は、角膜を痛める可能性が高くなります。そのような人は、メガネの方が安心だと思われます。また睡眠中は涙の分泌が止まるので、夜間装用は避ける方がよいと言われています。 

40年使用しても目に影響が出ないかという問題は、少し難しいですね。慎重に取り扱い、眼科医と定期的に相談しながら使用すれば、目への影響がさけられる可能性は十分あると思います。ただ人によっては、コンタクトレンズが不向きな場合もあるので、眼科医とよく相談することが最も大切だと思います。 

酸素透過型やタンパク質が吸着しにくい材料が開発されていますが、基本的には目にとって異物なので、数十年使用すると、目がコンタクトレンズを異物と感じて受け付けなくなる可能性があるかもしれません。私の周りの人でコンタクトレンズを10年以上使用していたのですが、最近コンタクトレンズを付けると目の痛みなどがあるので、メガネに変えた人がおられます。 

専門的なことは、日本眼科医会のコンタクトレンズのページを参照し、ここのホームページからメールで質問してはいかがでしょう。

「日本眼科医」のホームページ

http://www.gankaikai.or.jp/health/08/index.html

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