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奈良新聞に対する新聞業界の行きすぎた制裁

 奈良新聞社が阪神大震災で読者などから寄せられた義捐金を、自社の営利行為に当てていたことが発覚し、日本新聞協会を除名されました。そして、それに伴って自動的に各地の記者クラブを除名され、正常な取材活動ができなくなりました。産経新聞(3月21日〜3月22日)の奈良地方版には奈良新聞の記者の窮状が詳しく報道されています。国や地方公共団体の中で、このような閉鎖的な記者クラブが存在し、会員以外のものの取材を認めないのは、言論の自由を損なうものであると思います。これをカルテル、自由競争の妨害ととらえなければ、独占禁止法の存在意義が問われます。制裁は消費者が加えるもので、同業者の団体がここまでするのは完全な営業妨害です。
 それにしても新聞の再販価格や一斉休業日といい、閉鎖的な記者クラブ制といい、新聞業界のカルテル体質には改めて驚かされます。

平成10年3月22日      ご意見・ご感想は   こちらへ     トップへ戻る     A目次へ