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万博協会のウソを見逃す日本のマスコミ

 3月31日の読売新聞は、「愛知万博『弁当の持ち込み禁止』緩和へ 首相指示で一転」と言う見出しで、次のように報じていました。
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 小泉首相は30日夜、首相官邸で記者団に対し、愛・地球博(愛知万博)での「弁当の持ち込み禁止」を見直すよう経済産業省に指示したことを明らかにした。博覧会協会は同日、弁当の持ち込み禁止を緩和し、持ち込める食品の種類などを拡大することを決めた。
 首相は「みんな望んでいる。『来る人の身になってよく検討してくれ』と言っている」と述べた。
 同省によると、万博では食中毒防止を理由に弁当の持ち込みを禁じており、入場時に中身の廃棄を求めている。テロ対策のため、ペットボトルや缶、ビン入りの飲み物の持ち込みも禁止している。
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 開会前の報道から、弁当、飲み物の持ち込みが禁止で、入場するときは廃棄を迫られると報じられていましたが、テレビも新聞も、博覧会協会の言い分をそのまま報じるのみで、批判のトーンはありませんでした。小泉首相によれば多数の不満の声が寄せられていたそうですが、マスコミは入場者の抗議の声は全く報じていませんでした。

 それだけではありません。協会はその後小泉首相の批判を受けて、家庭で作った弁当と、飲み物の持ち込みは認めましたが、市販のコンビニ弁当やペットボトル飲料の持ち込みは相変わらず禁止しています。新聞は博覧会協会が持ち込み禁止の理由としてる、「食中毒のおそれ」とか、「テロの防止」などのウソをなぜ批判しないのでしょうか。彼らが言っていることは本当だと思っているのでしょうか。

 もし、彼らの言うことが本当であるならば、甲子園球場はコンビニ弁当の持ち込みを禁止する必要があります。飛行機や新幹線はペットボトルの持ち込みを禁止しなければなりません。彼らが持ち込みを禁止する本当の理由は、会場内のレストラン、売店の売り上げ確保であることは言うまでもないことです。こういう見え透いたウソを批判しない日本のマスコミは、その使命を果たしているとは言えません。

平成17年4月3日   ご意見・ご感想は   こちらへ    トップへ戻る   目次へ