A117
読者の声を聞く耳を持たない日本の新聞

 韓国の新聞「中央日報」の日本語版ホームページには、各記事ごとに、「私の意見」と言う欄があり、読者は自由に意見を書き込むことができます。また、同時に他の多数の人が書き込んだ意見もすべて見ることができます。これは大変すばらしいことであると思います。他の韓国の新聞はもちろん、日本新聞のホームページにもこのようなこころみは皆無です。

 書き込まれた日本人の意見は、当然のことながら韓国に対して、あるいは中央日報の論説に対して批判的なものがほとんどですが、それにもめげずこの欄を閉鎖せずに、多数の日本人の意見を受け付け続けている中央日報社に敬意を表します。

 およそ、新聞として、あるいは企業として、読者、消費者の意見に耳を傾けようという姿勢があるならば、ホームページは当然このようなスタイルになるべきだと思いますが、日本の新聞にこのような姿勢が全く見られません。
 朝日新聞のホームページ「asahi com」にも、以前は読者の声を受け付けるメールアドレスが記載されていましたが、いつの間にかそれさえなくなってしまいました(あるのは購読申し込みだけです)。新聞紙面に電話番号として記載があるのは、会社の代表番号が一つ目立たないところにあるだけで、読者の声を受け付ける専用電話番号、フリーダイヤルなどは皆無です。彼らには読者の声に耳を傾けようという姿勢が全くありません。

 インターネットは双方向のメディアですが、新聞社は一方通行の情報しか流しません。決して読者の声を聞こうとはしません。彼らが読者の声を聞く方法は相変わらず、新聞の投書欄と、電話または面接による世論調査に限られます。

 日本の新聞はなぜ、普及が著しいインターネットを活用して読者の声を聞こうとしないのでしょうか。それは、インターネットは投書や世論調査と違って、彼らが選別したり、操作したりすることができないからだと思います。
 新聞の投書欄の投書者は、無職の老人と、主婦と、中・高生が大半を占めますが、これは、彼らが「選別」を続けた結果、まともな投書が淘汰されてしまった結果だと思います。

 新聞社はインターネットを活用しない口実として、書き込む人が特定の人達に偏る懸念があると言うと思いますが、特定の人に偏ることが心配であるのなら、それは郵便による投書についても言えることです。偏るおそれを口実にするのなら、郵便や、FAXによる投書も受付を止めなければなりません。

 それにもかかわらず新聞社が、郵便やFAXによる受付を止めず、インターネットによる受付をしないのは、自分たちの選別により国民の多数意見、読者の多数意見が世の中に知れ渡ることを阻止し、自分に都合の良い世論を発表したいからであると思います。

平成17年7月10日   ご意見・ご感想は   こちらへ    トップへ戻る   目次へ