A122
「反自民」の呪縛

 1月15日の産経新聞は、
「退路断つ前原氏」、「小沢氏再び意欲」と言う見出しで、次のように報じていました。
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 9月に予定される民主党代表選挙に向け、対立構図が明確になってきた。・・・
 小沢氏は、自民党との政策の違いが希薄な前原路線に苦言を呈しており、現在の体制では、来年の参院選には勝てないとの判断を固めつつあるようだ。・・・
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 小沢氏は、「自民党との違いが希薄では、選挙に勝てない」と言っていますが、本当にそうでしょうか。今まで、旧社会党以来、多くの野党第一党が「反自民」を掲げて選挙を戦ってきましたが、自民党が選挙直前に分裂した時以外、一度も選挙では勝てませんでした。小沢氏はその理由を考えたことがあるのでしょうか。

 各種の世論調査ではいつも自民党は圧倒的な多数の支持を得ている第一党です。自民党の基本理念は国民の支持を得てきたし、その実績もあると思います。民主党支持者や無党派層の多くが自民党を支持しない理由は、長期政権に伴う政治的腐敗等がその理由であり、決して反自民ではないと思います。政策面での反自民は社民党支持者や、共産党支持者などのごく少数であると思います。

 それにもかかわらず、マスコミによって、野党は反自民でなければならない、埋没してはならないと信じ込まされて「反自民」を訴えていたために、結局、誰も自民党から政権を奪えなかったのではないでしょうか。むしろ、安全保障問題や、靖国神社の問題で、自民党のお株を奪うような明快な主張をしてこそ、国民の支持を得られると思います。
 その点で、前原代表の主張は従来の野党党首の殻を打ち破ったもので、高く評価すべきであると思います。小沢氏らの「自民党との違いを出せ」と言う主張は、結果的に旧社会党と同じ無責任野党に戻れという主張に他ならず、国民世論を見誤っていると思います。

 アメリカの二大政党は基本政策が似通っていて、それ故に頻繁に政権が交代していますが、わが国においても、自民党と、第二自民党とも言うべき政党が交互に政権を担うのが理想であって、本来それは十分可能であると思います。
 しかるに、それが実現していないのは、反自民・反日・親左翼を是とするマスコミが、野党指導者をミスリードし、自民党が掲げる政策に反対しなければ選挙には勝てない、と思い込ませているからだと思います。

平成18年1月15日   ご意見・ご感想は   こちらへ    トップへ戻る   
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