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読者の声を聞く耳を持たない日本の新聞(その2)

 3月26日の読売新聞の投書欄「気流」の「サンデー広場」のテーマは「引っ越し」でした。原稿募集と言うところを見ると、次週のテーマは「花」で、その次は、「新人」でした。どうしてこのような「同好会の作文集」みたいなテーマばかり選ぶのでしょうか。読者の意見を募集すべきテーマは他にないのでしょうか。

 当日の新聞の記事の見出しを見る次の通りでした。

1面は 
「呼吸器はずし7人死亡 富山・射水市民病院 外科部長が判断 延命措置を停止」

2面は 
「中国の軍拡『不透明』06年外交青書 中台関係を注視」

3面は 
「意思確認不透明さ残す 富山延命停止問題 病院『文書はない』」

4面は 全面広告

5面は 
「ポスト小泉の足下 若者票ねらい、『学生部』続々」という自民党に学生部が誕生したことを報じる記事でした。

 6面以下は省略しますが、読売新聞はこれらの主要なニュースについて、なぜ読者の意見を求めず、ニュースとは無縁のテーマばかりを設定するのでしょうか。

 読売新聞は、本当は読者の意見なんか聞きたくないのだと思います。しかし、新聞として投稿欄を設けないのは、いかにも読者の意見を聞く耳を持たないことがあからさまで、新聞としての体裁上都合が悪いので、やむを得ず設けて読者の声に耳を傾けているフリをしているだけだと思います。

 この投書欄にはどのようなテーマについての投稿が多かったか、賛成意見と反対意見はどういう比率であったかとか、内容を分析して読者の参考に供する工夫等は全くありません。彼らのやる気のなさがよく分かります。

 彼らの本音は、「ニュースについて読者は意見を言う必要はない。また、他の多数の読者の意見を知る必要もない。意見を言うのは新聞社の役割である。読者はただ新聞社の書くことを信じていればいい」、と言うところだと思います。これはかつてのソ連共産党機関紙「プラウダ」や中国共産党機関紙「人民日報」と本質的に変わるところがないと思います。

平成18年3月26日   ご意見・ご感想は   こちらへ    トップへ戻る   目次へ