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誰が公明党党首を決めているのか

 8月24日の読売新聞は、「公明次期代表に太田昭宏氏 幹事長は北側氏有力」と言う見出しで、次のように報じていました。
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 公明党は23日、神崎武法代表(63)が党代表選(9月26日告示)に立候補せずに勇退し、後任に太田昭宏幹事長代行(60)を選ぶ方針を固めた。冬柴鉄三幹事長(70)も辞任し、後任には北側一雄国土交通相(53)が有力となっている。
 神崎氏は読売新聞社のインタビューで、党人事について「どんなによい組織でも、新陳代謝を常にしないと組織自体が伸びない。(衆院)5期、4期の議員が責任を担うようにしてもらいたい」と述べ、現体制が刷新されることを明らかにした。政調会長や国会対策委員長など主要ポストにも、中堅・若手を起用する見通しだ。
 太田氏は、公明党の支持母体である創価学会の青年部長など中枢幹部を務めていたこともあり、早くから公明党の「次代のリーダー」とされていた。〈関連記事4面〉 
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 記事は、「公明党は・・・方針を固めた」として、公明党が主語になっていますが、党の後継代表者選びで、「公明党」が「公明党」の後継代表者を決めるなどと言うことがあるのでしょうか。そんなことがあるはずがありません。「神崎氏は・・・刷新されることを明らかにした」とか、「太田氏は・・・、『次代のリーダー』とされていた」と言うのも何か、不自然です。「現体制を刷新する」のは誰なのでしょうか。太田氏を「次代のリーダーとしてきた」のは一体誰なのでしょうか。

 読売新聞はかつて自民党の小渕総裁の後継者として、森総裁がが選出された経緯を「密室の交代劇」と批判しました(2000. 12. 29 [2000年・政治回顧](3)森政権誕生 “密室”の交代劇(連載))。党首の選出過程が「透明」でなければならないのは、自民党に限りません。公明党は連立与党の一翼を担う政党なのですから、後継者は全国民注視のなかで決定されなければなりません。
 公明党の党首を決めているのは誰なのか
、この点を避けている読売新聞は、新聞の名に値しないと言っていいと思います。そして、これは読売新聞に限りません。

平成18年8月27日   ご意見・ご感想は   こちらへ    トップへ戻る   目次へ