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自民、民主、公明などの大阪市長選ボイコットに大義はあるのか


 2月27日の読売新聞は、「『大阪都』展望なく選挙…橋下市長辞職 『劇場』に各党冷淡」という見出しで、次のように報じていました。
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 大阪市の橋下徹市長の辞職に伴う出直し市長選(3月9日告示、23日投開票)の立候補予定者説明会が26日、市役所で行われ、13陣営が出席した。主要政党が候補擁立を見送ったことから、有力な対立候補がいない選挙となりそうだ。民意を盾に、「大阪都構想」を推進しようとする橋下氏の手法が波紋を広げている。(大阪社会部 浦野親典、政治部 羽尻拓史)

 ◆「不戦敗」

 「僕に反対なら野党は落とせばいい。対立候補を出さないなら、大阪に政党なんていらない」

 橋下氏は26日、大阪市役所で記者団にこう語り、市議会野党を挑発した。橋下氏は27日午前0時で辞職となるため、この日が市長として最後の出勤となった。

 橋下氏が望む選挙での対決は実現しそうにない。立候補予定者説明会には、市選管に記録が残る1971年以降で最多タイの13陣営が出席したが、主要政党の関係者は現れず、知名度がない無所属陣営の出席が目立った。

 主要政党が「不戦敗」に回ったのは、橋下氏が得意とする「劇場型選挙」の土俵に乗らないためだ。主要な首長選挙で特定の候補者の擁立や支援を続けてきた共産党は「市長選には大義がない。下手に候補を出して負ければ、橋下市長の思うつぼだ」(大阪府委員会幹部)と説明。「死ぬまで公明党の選挙区で立候補する」と橋下氏から挑発された公明党の山口代表は26日、都内の講演で「大人の対応をしていくが、選挙の時間と費用を考えれば、急がば回れのやり方もあったのでは」と冷ややかに語った。・・・(以下略)
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 自民、民主、公明、共産などの各党は、橋下市長による市長辞職・
再選挙は大義がないとしてボイコットしています。しかし、彼等が仮に選挙に反対だったとしても、選挙が実施されることになったにもかかわらず、候補者を立てずに不戦敗の道を選ぶという姿勢には果たして、“大義”があるのでしょうか。

 橋本市長の主張は、大阪都構想について推進する市長・維新の会と、反対する議会・野党の対立で行き詰まっているので改めて民意を問うというもので、政治家としてそれなりの大義は十分認められると思います。

 これに対して野党(それを支持するマスコミ)のボイコット理由は、市長選挙をしても議会の構成は変わらないというものですが、選挙が実施される以上、大阪都構想を推進する橋下市長に反対するのであれば、市長選で対立候補を立てて選挙で争うべきです。対立候補を立てないのであれば、それは市長に対する(消極的)支持と見なされます。選挙で
対立候補を立てずに橋下市長を当選させ、それでもなお、多数を占める議会で橋下市長に抵抗するのは市民を愚弄するものだと思います。
 あくまで対抗するなら
議会解散でもして民意を問うべきです。市長選挙に対立候補を立てずに市長に抵抗するのは民主主義の道から外れていると言うべきです。

 この事態に、
選挙ボイコットを批判せず、“大義のない選挙”という野党の主張をそのまま報じて野党に声援を送っているマスコミも政治に民意が反映することを妨げていると言わざるを得ません。

平成26年3月10日   ご意見ご感想は こちらへ   トップへ戻る    目次へ