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画期的な、政府による「閣議・閣僚懇議事録 ホームページ公開」


 4月22日のNHKテレビは、「政府 閣議・閣僚懇議事録を初公開」と言うニュースを報じていました。以下は、NHKのホームページから転載したものです。
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政府 閣議・閣僚懇議事録を初公開
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140422/k10013930221000.html
4月22日 12時20分

 政府は22日、今月1日の閣議と閣議のあとの閣僚懇談会の議事録を、総理大臣官邸の
ホームページで初めて公表しました。

 今月1日の閣議と閣議のあとの閣僚懇談会の議事録は
22日正午前、総理大臣官邸のホームページで公表されました。
 この中では消費税率がこの日から8%に引き上げられたことに関連して、安倍総理大臣が閣議で「社会保障・税一体改革に関する国民の皆様のご理解とご協力を得るため、その意義の丁寧な説明とともに、転嫁対策や予算の早期実施等について政府一丸となった対応をお願い致します」と発言したことなどが記録されています。

 閣議などの議事録が公表されるのは、明治18年に内閣制度が発足して以来初めてです。
政府は、国の安全が害されるおそれのある情報など、情報公開法に定められた「不開示事由」に該当するもの以外は、3週間程度、間を置いて公表するとしています。これについて菅官房長官は記者会見で、「公文書に関する法律の趣旨に基づいて、閣議に関する透明性の向上や情報公開、国民への説明責任という観点から公表することとした」と述べ、意義を強調しました。

 そのうえで菅官房長官は、記者団が「公表が決まってから、閣議での議論に変化はないか」と質問したのに対し、「従来と全く変わらないと思っている」と述べました。【「過程をきちんと記録として残す」】稲田行政改革担当大臣は閣議のあとの記者会見で、閣議と閣僚懇談会の議事録の公表が始まったことに関連して、今後は閣僚が出席するほかのすべての会議についても議事録を作成し公表したいという考えを示しました。
政府は今月1日の閣議と閣僚懇談会の議事録を作成し、22日正午前、総理大臣官邸のホームページで公表しました。

 これに関連して稲田行政改革担当大臣は、「現在172ある閣僚会議などについても検討した結果、今後は会議での発言者名や発言内容を記載した議事を作成することとしたい。政策をどのように立案し、決めていったかという過程をきちんと記録として残しておくことが必要だ」と述べ、今後は国家安全保障会議など閣僚が出席するほかのすべての会議についても議事録を作成し、公表したいという考えを示しました。
 そのうえで稲田大臣は、議事録の作成や公表を始める時期について、「政府の公文書管理委員会での審議など、ガイドラインの改正に必要な手続きをできるかぎり速やかに進めていきたい」と述べました。
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 これはきわめて画期的な出来事です。何が画期的かというと、政府が、
マスコミを通じることなく、直接、国民に対して情報を発信したからです。

 今まで、政府のすべての情報は閉鎖的な業者団体である記者クラブを通じて、記者会見あるいはペーパーで新聞記者、放送記者らに提供されてきました。政府が直接国民に情報を提供することはありませんでした。

 インターネットのない時代であれば、それは当然で、やむを得ないことかもしれません。しかし、インターネットが普及し、民間企業の多くが自社のホームページを、消費者への情報伝達の主要な手段としマスコミへの広告出稿が激減する時代になったにもかかわらず、政府は依然として、当然国民に伝えるべき情報のほとんどを新聞経由としています(例外は官報ですが、一体官報は何部発行されているのでしょうか。政府のホームページに掲載すれば、紙の官報自体が不要です)。

 新聞などのマスコミは政府提供の情報を全部をそのまま記事にする訳ではありません。主観を交え、勝手な見出しを付けて記事にしますから、国民には色の付いた情報しか伝わりません
 現在も政府・各省庁はホームページを持っていますが、更新ペースが遅く、多くの場合最新の情報は新聞に出たあとでしか見ることが出来ません。これは、役所が記者クラブ(マスコミ企業)と癒着して、意図的に新聞記事(記者クラブへの開示)の後でしか、ホームページに掲載しないからだと思います。

 政府はマスコミ企業の営業のためにあるわけではないのですから、情報提供はできる限り、迅速にかつ平等に情報は国民に伝達されなければなりません。世の中にすべての人が新聞を購読しているわけではありません。
 今は、インターネットを初め情報伝達の手段は多様で有り、その多くはスピードや情報量で紙の新聞より優れていて、パソコン・スマホの普及でインターネットはより身近なものになっています。新聞優先は全く理由がありません。

 今のところ、政府のスタンスは「議事録を作成する」という点にあるようですが、更に進めて、「政府のホームページを統合・充実させる」→
「政府はホームページを国民に対する情報伝達の主要手段とする」「政府機関内の記者会見は特に記者の質問に答える必要があるときのみとし、記者クラブは解散する」と進めるべきだと思います。

 官公庁の発表する情報を国民が直接入手することが出来るようになれば、新聞(紙のもの)の必要性は大幅に低下し、情報操作に悩まされていた読者はそれから解放され、官公庁発表記事に依存していた新聞社は生き残りのために取材競争を余儀なくされて、言論の自由の拡大に寄与するところが大きいと思います。
 今まで新聞は偏向していると思いつつも、購読を止められないのは、新聞を取らないと情報が得られないという実態があったからです。新聞社は情報伝達に関しては報道機関と言うよりも、限りなく印刷屋、宅配屋に近い実態だったのです。

平成26年4月22日   ご意見ご感想は こちらへ   トップへ戻る    目次へ